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QWERTY (クワーテイ) (入力装置) |
「QWERTY」(クワーティ) とは、現在一般に広く用いられているキーボードの文字配列を称する言葉である。
すなわち、上段の文字を左から順番に読んだものである。
実は、この文字配列は非常に不合理な配列なのである。使用頻度の高い文字が周辺に分散してしまっている。
何故このようなことになったかと云うと、
キーボードの文字配列は、英文タイプライターの文字配列を引き継いでいるのだが、
その英文タイプライターも最初は機械式であったことに由来している。
機械式では、早く打ち過ぎると、活字のストロークが絡まってしまう。
そこで、速く打てないように、わざわざ不便な文字配列にしたのであった。
現在では、コンピューターはもとより、英文タイプライターも、すべて電気式になっているのに、
たとえ不便であっても、馴れているものが、やはり使い易いので、今日までそのまま続いているのである。
一般の人は無意識に、結局は優れたものが残ってゆくのだ、
特に科学技術の世界では適者生存の進化論の世界が展開されているのだと考えいてるが、
決してそうではないのである。
このような例は、他にも数多い。
例えばビデオテープでは、松下電器系で開発された「VHS」と、
ソニーで開発された「8ミリ」(その前身は「ベータ」)の2種類があり、
どの点から見ても後者の方が優れていたのに、残ったのは 「VHS」 である。
コンピューターの世界においても、パソコンには、かつて IBM 社の DOS 系と、
アップル社の MAC 系が世界を二分しており、どう見ても技術的には MAC の方が優れていたのに、
残ったのは DOS 系である。
先のビデオテープの場合も、このパソコンの場合も、営業戦略の巧拙が製品品質よりも勝負を決めたのである。
こんなことを考えていると、世の中の進歩というものを楽観視することができず、
悲観的になってしまうのは私だけであろうか。