資料シート●各科目

点描法
pointillisme

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/P/pointillisme.html




 2種類以上の違う色の小さな点が密集しているのを見ていると、それらとは違った新しい別の色が塗られているように見える。この現象を並べ混色という。並べ混色加法的に働く。並べ混色では、赤(red)、緑(green)、青(blue)が原色であり、混色によって現れる色はもとの色より白っぽい(▽図)。



並べ混色

 Seurat(スーラ、George、1859-1891)は、屋外の明るさを油絵で再現したいと考えていた。それまで行われていた混色は、絵の具を混ぜ合せることによる重ね混色で、作り出される色が黒っぽくなってしまう減法的な傾向があり、Seuratの目的には合わなかった。(▽図)。



重ね混色

 Seuratは並べ混色に目をつけ、キャンバスの上に、いろんな色の点を密集させることによって、[グランド-ジャッドの日曜日](1884-1886。▽図)や[アスニエールの水浴]などの作品を描いた。この技法は点描法(pointillisme)とよばれた。

 

[グランド-ジャッドの日曜日](左) [アスニエールの水浴]

 明るく輝いて見える絵を描きたいというSeuratの望みは点描法によって実現したが、点が無数に描かれているのは見苦しいという批判もあった。Seuratは若くして逝ったが、Signac(シニャック、Paul、1863-1935)たちが、点描法を洗練していった。

 

[朝食]
(文献[Ratlif]より引用)

 Seuratたちの活動は新印象派(Neo-impressionism)とよばれた。点描法は油絵の描画法の主流にはならなかったが、補完的な技法の一つとして、光の輝きを再現する目的で現在でも使われることがある。



このページを作るのにあたっては次の資料を参考にさせていただきました

[Batler] Adam Batler, Clair Van Cleave, Susan Stirling, The Art Book, (Phaidon Press, 94)

[Ratlif] Floyd Ratlif, Contour and Contrast, Scientific American, 72-06, pp.91-101

どうもありがとうございます

美術/デザイン


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03-04-30