資料シート●各科目

数 記数 数字
カズノナマエ

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/D/digit.html




 数字と数とはよく似ている。たいていの場合は区別しなくても困らないが、数のことをちゃんと考えようとすると、きちんと区別することが必要になる。

 ストリング(文字を並べたもの)を使って数を書き表したものを記数という。
 記数は、一般の単語とは違う特別な規則に基づいて読み上げ/書き下しを行なう。この規則を記数法とよぶ。
 記数に使う文字のうち、数を書き表すためだけに使う専用の文字数字(digit)という。
 一言で言うと、意味数字(または記数)はその意味を書き表すために使う文字(またはストリング)だ(▽図)。



 たとえば、"3"は1の次の次の数=3を意味する。意味の3は数だが、それを表現するのに使った"3"は数字だ。"3"、"三"、"参"の三つは同じ数を表しているが、数字としては全く別のものだ。この意味で、たとえば"数字が合わない"なんて言い方は(もう言い回し化しているが)しない方がいい。
 コンピュータ科学では、厳密には"0", "1", "2",...,"9"の10種類の文字数字(digit)と呼んでいる。ただし、数字だからと言って、ほかの一般の文字と特に違う扱いをするわけではない。

 "-"やピリオド(".")や"A"〜"F"の6種類のアルファベットも数字に加えることがある。

 数と数字(または記数)との違いは、いろんな性質を考えようとする場合にはっきりする。

 3 + 1 = 2
 "3" + "1" = "31"

 2 < 12
 "2" > "12"

 "コンピュータ"と"科学"とから"コンピュータ科学"を作るストリングの操作を連接という。連接は数になぞらえて "コンピュータ"+"科学" のように書き表すことがある。

 ほとんどの文化は、3ぐらいの基本的な数に対しては、それを書き表すための専用の数字を持っている。実際に、わたしたちは3を書き表すのに、"3"のほかにも"三"とか"参"("三"の大字)などの記数を使う。"参"はともかく、"三"の方は漢字の文化における数字と言っていいだろう。

 数字があってもそれだけでは数は書き表せない。数を書き表わすために最もたいせつな要素は何と言っても数字(といくつかの一般の文字)だけれど、その組み合せ方もたいせつだ。この組み合せ方の規則が記数法だ。
3に対しては"3"というそれを表すための数字があるが、数は文字よりも(したがって数字よりも)圧倒的に種類が少ない。古代ギリシアの記数法のように、ふつうの文字を一つずつ数に割り当てていって、それでも足りなくなって外国の文字まで動員しなければならなくなってしまった場合もある。
 わたしたちは、たとえば12を"12"と書き表している。このように、現代の世界で使われている記数法(インド記数法と呼ぶべきだけれどアラビア数字と呼ばれている)では、ほとんどの数を、複数個の数字を組み合わせて書き表す。円周率(=3.14...)のように、数字ではなくふつうの字"π"で表わさなければならない数や、"1/3"のように、数式を使わないと書き表せない数もある。
 さらに、古代ローマの記数法(今でも時計などで見かける)のように、"III"のように3字も使って3を表し、3を意味する単独の数字を持たない文化もある。そもそも、ローマ記数法は、"I"や"V"などのABCを流用して数を書き表し、専用の数字を使わない。

資料

[古代エジプトの記数法]
[バビロニアの記数法]
[古代ギリシアの記数法]
[古代ローマの記数法]
[マヤの記数法]
[現代アラブ世界の記数法]




このページの記事の一部は 媒体への負荷や著作権への配慮から バージョンによっては見ていただけないことがあります

Copyleft(C) 1998-06, by Studio-ID(ISIHARA WATARU). All rights reserved.


最新更新
06-06-28