資料シート●各科目

VR

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/V/VR.html




 現実(の機能の一部)の代用として使えるように作られた情報システムのことをVR(virtual reality)と呼びます。"仮想現実感"と訳されることもあります。
 "現実感"(reality)であって、"現実"(real)じゃないというところに注目してください。あくまでも、(現実と同じような)感じだけを提供するのがVRです。

 VRはまだ研究〜試用の段階にとどまっているダイナミックな技術です。実現の手法もケースによっていろいろだし、正式に決められた規格(HTMLみたいな)もほとんどありません(VRMLは正確な意味でのVRとは関係ありません)。
 実際のところは、▽図の機能のうちの少なくとも二つ以上を備えている情報システムがVRと呼ばれているように思えます(笑)。
・景観が立体的に見えるように表示される
・利用している人の手(かそれに当たるもの)が表示されていて、手を動かすのに合わせて動いて見える
・見回したり歩いたりするのにつれて景観が変わっていくように表示される
 たとえば、AppleのQuickTimeVRは、△のうちの最後の機能(のうちの3/4ぐらい)だけしか備えていません(それでも大したものだけど)。

 ところで、"virtual"は、見かけは違っているかもしれないがちゃんと代わりとして使えるものという意味です。だから、VRの実物を見ると、グラフィックスの品質が意外にショボかったりして、がっかりする人が覆いと思います。VRにとって(少なくとも当面は)大切なのは外身じゃなくて中身なんです。
 世間では、"VR" という術語はちょっと誤解されているようで、見かけだけは似ているが代わりとしては全く使えないものという感じで使われているみたいです。それだと意味がまるで反対です。
 たとえば [Matrix] に登場する、コンピュータによって作り出された居心地のいい夢の世界なんかがVRだと思われていて、それを引き合いに出して、"子どもたちをゲームのVRの支配から現実の世界へ解放しよう" なんて主張されていたりします(ゲームと [Matrix] をいっしょにしちゃうのもなぁ)。[Matrix] の夢は確かに現実の代わりになっていますが、見た目も同んなじですから、代用の現実感というのとはちょっと違う気がします。むしろ、VRよりもっとすごいもう一つの別の現実と考えるべきではないでしょうか?



VR


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06-04-22