資料シート●各科目

Premiere
プリミア

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/P/Premiere.html




 Premiereは、ムービを編集するためのコンピュータアプリの一つです。
 アマチュアから業界(TV、映画)まで広く使われていて、この分野では事実上の標準といっていい、とても重要なソフトウェアになっています。

 フレームを横軸に、トラックを縦軸にしたウィンドーの中にビデオやオーディオのタイムライン(=出番)を並べていくという考え方で作られています。

 最近のバージョンでは少し薄まりましたが、初期のバージョンでは、ユーザインタフェースとして、フィルムによる映画の編集を強く意識したメタファが採用されていました。

 Premiereは、AppleがQuickTimeを発表した直後にAdobeからリリースされました。もともとはQuickTimeムービを編集するためのソフトウェアだったので、重要な機能の一部は、しばらくHyperCard(=Macintoshのソフトウェアを作るための、一般のユーザ向けのプログラム開発ソフトウェア)スタックとして作られていたほどです。
 Premiereは最近の2-3年ほどの間はMacintosh用の新版がリリースされない状態が続いていました(旧版をインストールして走らせることは可能だったけれど)。しかし、ことし(=07年)の夏に再び、Macintosh用の新版がリリースされるようになりました。

 Premiereと同じ用途のソフトウェアとしては、ほかにAppleのFinalCutなどがあります。









Q  Premiereで編集して保存した時にできるファイルは100KBぐらいの小さいファイルですが、これで作品ができたことになってるんですか?
(01-05 匿名希望)


A
 保存した時にできるファイルはPremiere専用の形式のプロジェクトファイルというもので、これだけでは作品にはなっていません。素材のムービファイル(キャプチャしてできたファイル)と組合せて使うか、レンダリングという作業を行なってムービファイルを作るかしないと再生して見てもらうことはできません。
 Premiereを使ってムービの編集をする場合は、編集の内容を記録しておくために、プロジェクトファイルを使います。プロジェクトファイルには、Premiereのプロジェクトウィンドーの内容とタイムラインウィンドーの内容とが記録されています。プロジェクトファイルと素材ファイルとが揃っていれば、Premiereを終了しても、あとで作業をまた続けることができます。

 最後に完成したムービは(もしDVテープに録画する以外に必要なら)ムービファイルに記録します。この2種類のファイルは別のものなのでそこをよく分かっておいてください。
 プロジェクトファイル(▽図左)は、言わばムービを作るたろのファイルで、ほかに素材ファイルがなければ、作りかけのムービを見ることもムービを作り直すこともできません。また、そのままでは実際の品質で再生させることもできません。
 これに対してムービファイル(▽図右)の方は、言わば見るためのファイルで、そのまま見ることができますが、どう編集されてできているかは記録されていないので、(簡単な変更は別として)一部を作り直すようなことはできません。

 

 プロジェクトファイル(と素材ファイル)があればムービファイルを作ることはできますが、その逆は絶対にできません。この意味で、作業の成果として大切なのはプロジェクトファイルの方だから、うっかりなくしたりしないように注意しなければいけません。

 ムービ(またはその一部)を新しく作り始めるには、新しいプロジェクトファイルを作る必要があります。ふつうのコンピュータでの作業では、作業を記録しておくファイルは、最初に作業を中断する時に作ればいいんですが、Premiereなどの複雑なアプリを使う場合は、あとで作業が混乱することがあるので、作業を始める前に作業記録ファイル(この場合はプロジェクトファイルを)作っておいた方がいいでしょう。
 プロジェクトファイルは、以下の手順で作るのが簡単です。

00 Premiereのアプリファイル(▽図)のアイコンを2回打ってPremiereを起動します。
 実習室では、Primiereは[人間科学部]:[石原]:[Factory]に置いてあります。
 もうPremiereが起動してしまっている場合は、あらかじめ終了させておかなければいけません。起動してしまっていると、この操作でPremiereを起動し直すことはできません。



01 Premiereの看板に続いて[プロジェクトの設定を読み込み]ダイアログ(▽図)が現れます。左右に並んでいるリストのうちの左側に並んでいる項目のうちの[DV NTSC 48kHz](上端から2〜3行目)を2回打ちます。



02 新しいウィンドーがいくつか現れます。そのうちのプロジェクトウィンドーとタイムラインウィンドーの内容(まだ空だけれど)をすぐ保存します。
 プロジェクトウィンドーとタイムラインウィンドーとは中でつながっているので、どちらか片方を保存すればもう片方も同時に保存されます。つまり、2回保存する必要はありません。

 実際の操作:プロジェクトウィンドーかタイムラインウィンドーのどちらかがが起きているのを確かめてから(起きていなかったら起こす)、メニューバー:[ファイル]を押さえて[別名で保存...]で放します(▽図)。



03 保存ダイアログ(▽図)が現れます。場所と名前が適切か確かめてから、[保存]ボタンを打ちます。



・場所:課題の場合は、課題の最初に作った課題の名前(または日付)のフォルダの中
・名前:フォルダの名前と同じ(またはそれに続けて".proj")にしておくとあとで分かりやすい

04 保存ダイアログが消えます。
 以上で完了なので、このまま作業を始めてかまいません。


Q  編集が完了したので、作品をビデオデッキに書き出そうと思ったんですが、モニタウィンドーで再生しながらビデオデッキで録画したのにテープには何も録画されていませんでした。
 そのほかにもいろんな手順を使って試してみたんですが、どうしても書き出してくれません。どうしたらいいんでしょうか?
(01-12 ひ...さん)


A  作品をビデオデッキに書き出すにはいくつかの方法があります。特にやりやすいのは次の2種類の方法でしょう。

・パネルウィンドーの再生ボタンを打って再生させ、それを録画する。

・メニューバーの[ファイル]を押え、下りてくるプルダウンの[書き出し]:[ビデオに出力]項目で放して再生させ、それを録画する。

 初めのはいつもと同じ手順だし、録画している間に再生を始めたり止めたりするのも自由です。
 あとのなら、うっかりレンダリングしてない部分が残っていても前もってレンダリングしてくれるし、設定によってはビデオデッキもコントロールさせることができます。
 これらの手順で録画ができないとすると、再生方式の指定が合っていないのかもしれません。もしそうなら、再生方式を指定し直せば録画ができるようになります。

 Premiere5でのムービの再生には、デスクトップ単独再生FireWire並行再生の2種類の方式があって、場合によって使い分けるようになっています(▽図。6以後は区別がなくなりました)。

再生方式
ディスプレーでの音の再生
デッキでの録画
デスクトップ単独再生

×
FireWire並行再生
×


 つまり、作品をデッキで録画したければ、再生方式をFireWire並行再生の方に切り替えなければいけません。そのための手順は次の通りです。

00. メニューバーの[プロジェクト]を押さえて、下りてくるプルダウンの[設定]:[全般]で放します(▽図上)。すると、[プロジェクト設定]ウィンドーが現れます(▽図下)。





01. [プロジェクト設定]ウィンドーの[編集モード]欄がQuickTimeDV出力になっているのを確かめます。もしそうでなかったら切り替えておきます。

02. [プロジェクト設定]ウィンドーの[再生設定]ボタン(▽図上)を打ちます。すると、[再生設定]ウィンドーが現れます(▽図下)。





03. [再生設定]ウィンドーの[出力デバイス]欄がFireWireになっているのを確かめます。もしそうでなかったら切り替えておきます。

04. [再生設定]ウィンドーの[出力モード]欄がFireWireDV-NTSCになっているのを確かめます。もしそうでなかったら切り替えておきます。

05. [再生設定]ウィンドーの[OK]ボタンを打ちます。すると、[再生設定]ウィンドーが消えます。

06. [プロジェクト設定]ウィンドーの[OK]ボタンを打ちます。すると、[プロジェクト設定]ウィンドーが消えます。

 再生モードを切り変えるとその効果はすぐに現れます。

 再生方式としてFireWire並行再生を選ぶためには、編集方式としてQuickTimeDV対応編集の方を選んでおく必要があります。QuickTime対応編集("DV"がついてない)ではデスクトップ単独再生しか選べません。
 編集方式をQuickTime対応からQuickTimeDV対応に切り替えなければならなくなった場合は、全体のレンダリング(自動的に実行されます)をやり直さなければならないので、すぐには録画を始めることができません。

 なお、ムービがビデオデッキに書き出されているかどうか確かめたかったら、何も実際にデッキで録画をする必要はありません。パネルウィンドー(▽図左)の循環再生ボタン(同右)を打って再生をさせておいてから、ディスプレーの前面の下側のボタンを[VIDEO]に切り替えてみてください。ムービが正しく書き出されているなら、その内容が表示されるはずです。音も聞こえます。デッキは停止させたままでもかまいません。




Q  Premiereって、編集している時にコンピュータのモニタから音が出ていないような気がするんですが、これでいいんですか?
(01-09 やまポさん)


A  コンピュータのモニタから音を出すか出さないかは切り替えられるようになっています。たぶん、FireWireでつながっているデッキで聞いているのにコンピュータからも出たらじゃまだっていうのと、できるだけコンピュータの負担を減らしたいのと、いくつか理由があるんでしょう。
 切り替えるには以下のような手順を実行してみてください。

00 メニューバーを押えてプロジェクト:編集:全般設定で放します。

01 全般設定ウィンドーが現れます。再生設定ボタンを打ちます。

02 再生設定ウィンドーが現れます。"オーディオファイルをビデオ出力デバイスに出力"という条文にチェックがついているはずなので、それを外します。薄墨になっていて外せなくなっているかもしれませんが、その場合は問題は起こっていないはずです。

03 再生設定ウィンドーのOKボタンを打ちます。

04 再生設定ウィンドーが消えます。全般設定ウィンドーのOKボタンを打ちます。

05 全般設定ウィンドーが消えます。

 Premiere5では、もう一つ別の方法があります。
 Premiere5は、QuickTime出力とQuickTimeDV出力の二つのモードが切り替えられるようになっていて、QuickTime出力なら必ずコンピュータのモニタだけに音が出て、QuickTimeDV出力ならコンピュータのモニタに出すか出さないか切り替えられるようになっています。だから、QuickTime出力に切り替えてしまえばいいわけですが、この場合はFireWireでつながっているデッキには絵も音も出なくなってしまいます(Premiere6では切り替えられるようになっている)。
 いちおうこの手順も説明しておきます。

00 メニューバーを押えてプロジェクト:設定:全般設定で放します。

01 全般設定ウィンドーが現れます。編集モードの欄の内容がQuickTimeDV出力になっているはずなので、それを押えてQuickTime出力で放します。

02 全般設定ウィンドーのOKボタンを打ちます。

03 ダイアログが現れて"プレビューを破棄する"と言われます。そのOKボタンを打ちます。

04 全般設定ウィンドーとダイアログが消えます。

 実習室では、ほかの人の迷惑になるので、編集の時は必ずデッキのヘッドホンを使うようにしなさい。また、コンピュータに限らず、モニタのスピーカは音の大きさが変えられるようになっているので、編集の時にモニタを使うと、正しい大きさの音で作品を作ることができなくなってしまいます。


Q  Premiere関係で作ったファイルがだんだん増えてきてしまって、ハードディスクがあと10GBくらいしか残っていません。たまってきたファイルをMOにでも出してしまって、少しハードディスクを空けたいって思うんですが、どこに保存しておくのがベストなんですか?
(01-11 か...さん)


A  大原則は、作品が完成したらハードディスクはそのまま保存して、新しいハードディスクを買うことだと思います。
 昔、8mmフィルムで映画を作っていた頃は、1時間の映画を作るのに10万円ぐらいかかったものでした。そのうちフィルム代と現像代は、合わせて5万円ぐらいです。 2〜3万円で60GBのハードディスク(もちろんFireWire)が買える今、フィルム代だと思ってハードディスクは買い足してもいいんじゃないかと思います。
 とは言えご予算の問題はあると思うので、ファイルの種類ごとに、MOに移すのがいいか捨てるのがいいか説明しておきましょう。

プロジェクトファイル
MOやzipなどのリムーバルメディアに移してしまってもとのは捨ててもいい。
[ムービへの書き出し]で作った
完成ファイル
実はもともと必要ない。よっぽど遅いマシンを使ってるんでない限り、いきなり[書き出し]:[ビデオに]でテープに吸い上げられるはず。テープに吸い上げるのが済んでるんだったら捨ててもいい。もし、コンピュータで見せなければならなくなったとしても、Premiereで再生してモニタウィンドーで見せればいい。
素材ファイル(ムービ)
DVテープ(VHSやHi-8は除く)から吸い上げたものは、それぞれのファイルについて下記の情報をメモしたら捨ててもいい。
・タイムコード(いっしょに入っているはず)で最初と最後の時刻を調べる
・ファイル名
必要になったら、また吸い上げ直して、最初と最後の時刻が合うように切って、もとと同じファイル名をつければ、また編集ができる。ただ、これはFinalCutProではできないかも。あらかじめ何か小さいプロジェクトを作ってテストしておくこと!
ほかの方式のビデオテープから吸い上げたムービについては、正確に最初と最後の時刻を調べることがむずかしいので、そのまま残しておくしかないだろう。
素材ファイル(それ以外)
リムーバルに移して、そのあとは捨ててしまってもいい。ただし、あまり節約にはならないと思う。
プレビューファイル
捨ててもいい。これだけでかなり問題は解決するはずなので、まっ先に試すべし!ただし、編集を再開する時や、マスタテープをもう1本作りたい時は[作業エリアのレンダリング]をさせなければならなくって、それにはたぶん何時間かかかることになると思うけど。



ムービ

映像


Copyleft(C) 2001-07, by Studio-ID(ISIHARA WATARU). All rights reserved.


最新更新
07-07-18