資料シート●各科目
導関数
http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/D/derivation.html
Q:
導関数のほかに、2回(=2階=2次)導関数(=導関数の導関数)や3回導関数や、もっと上のが出てきますが、こいつらはどういう意味があるんですか?
(06-06-28 山田純子)
A:
白状してしまうと、3回(=3次)以上の導関数は、1回(=1次)導関数ほど特別な意味を持っているわけではありません。2回(=2次)導関数は曲率に対応しているけどね。
でも、それは一つ一つだったらの話しで、3回以上の導関数は、みんな集めると(正確に言うと関数の無限列としてだと)とても大切な意味が現れてきます。
y = f(x)
の場合、
y ≒ f(0)+f'(0)・x
であることが多いです。f'(x)は接線の傾きだから当然ですね。特に、fが自然な(数学のいい方ではないですが)関数なら、x = 0の近くではかなりいい近似になっています。
もっといい近似をするためには、2回導関数も使って
y ≒ f(0)+f'(0)・x+1/2・f''(0)・x2
にします。
これをずーっと繰り返していくと無限級数ができますが、それをマクロラン展開といいます(一般化したのがテーラー展開)。
つまり、いくつか回導関数(の無限列)は、f(x)を近似する(ことができない場合もあるけど)ための係数という意義があるんです。もっとも、その役立ち度は、1/n! がついているせいでだんだん(と言うか急激に)薄まっていきますが。
それと、うまく近似できるかどうかは、導関数の特性として現れてきてくれるんじゃないかという期待(そしてまさにそのとおりだった)もあったと思います。
導関数以外にも、数学にはもとの関数とそれを近似する関数との差を果てしなく求め続けていきたいという欲求の結果みたいな概念がいろいろと登場します。
一度できることだったら∞回やってみるというのが、解析学の核心です。
Copyleft(C) 2006, by Studio-ID(ISIHARA WATARU). All rights reserved.
最新更新
06-06-28