資料シート●各科目

2進記数法

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/B/binary.html




 現在の世界で最もよく使われている記数法はインド記数法(誤って"アラビア数字"と呼ばれているけど)です。インド記数法は、数字を右から左に向かって順に並べることによっていろんな数を表記できるすぐれた記数法です。
 インド記数法は、どんな数でも(たとえば自然数なら)

an・10n+ ...+ a1・101+ a0・100

のように分解できるという性質のもとになりたっています。  この積和に何回も登場する10は、別に10でなくてもかまいません(0と1だけはまずいけど)。2を使うこともできます。その場合に便利なのは、an、...、a1a0に当たる数として、0/1の2通りだけを考えればいい(もとのインド記数法なら0/1/.../9の10通り)という点です。

 。


ビット列の読み方
4桁のビット列の場合


 4桁のビット列は、小さい順に、それぞれ0、1、...の番号で呼ぶ(1からではなくて0から)。ただし、10〜15に当たる分はA〜Fで呼ぶ(▽図)。これによって、16(=24)種類のすべてのビット列に対して、きちんと決まった名前が定められる(これが2進記数法という名前の起り)。

ビット
2進記数法
××××
0
×××○
1
××○×
2
××○○
3
×○××
4
×○×○
5
×○○×
6
×○○○
7
○×××
8
○××○
9
○×○×
A
○×○○
B
○○××
C
○○×○
D
○○○×
E
○○○○
F

4桁のビット列の2進記数法


ビット列の読み方
一般のビット列の場合


 よく使われるビット列は、桁数が4の倍数(8桁とか16桁とか)になっている。そこで、全体を4桁ずつに分け、そのそれぞれの部分を、△表にしたがって数字(と"A"〜"F")に読み替えて、さらに記数のようにつなげて読む(▽図)。





 ○○××にはA、××○×には2という名前がついている。したがって、以下のように読み表すことができる。

××○× ××○× 22
○○×× ××○× A2


 実は、2進記数法によるビット列の呼び方は、数をビット列で表現することと関係がある。実は、自然な整数(0、1、2、...)をビット列で表わす最も自然な方式では、ビット列の呼び方を数(ただし2進記数法で表記した)と見なしたものと、ビット列が意味する数とが一致するようになっている。つまり、ビット列の呼び方は、同時に、それが表わす数でもあると言える。

 2進記数法で表わされているビット列の名前を読み上げる場合、棒読みにすることが多い。ただ、それでは位取りが分かりにくいので、

...千、百、十、(なし)

という位名をつけて読み上げるといい。



22:"にじゅう-に"/"に-に"
A2:"えーじゅう-に"/"えー-に"

 4の倍数桁ではないビット列(ISO符号系で使う7桁ビット列など)については、4桁ずつに区切っていくと4桁に足りない半端ができてしまう。このような長さのビット列に対しては、左端に必要なだけ×があることにしてから、4の倍数桁のビット列のつもりで読み上げる(書き下す)。この場合は、もとの桁が8桁とか16桁だと間違えられたりしないように気をつけなければいけない。



 2進記数法を見ればそれだけで、そのビット列が表している情報のいろんなことが分かる。
 ビット列をの符号として使っている場合、2進記数法は、そのビット列が表わす自然な整数を16進法で表わしたものと全く同じになる。16進法はふつうの10進法と(何と言うかその)感じが似ているので、特に小さい数については、ビット列で表わされている数の大きさの感じがじかに読み取れてつごうがいい。
 多くのキャラクタの符号系は、上位の桁が字の分類と対応するように工夫して決められている。だから、ビット列をキャラクタの符号として使っている場合は、2進記数法が分かれば、字の種類はそこからある程度は読みとれる。たとえば、ISO符号系の場合では、▽表のようなことがらが読み取れる。

上の桁
字の種類
0
1
CR、LFなどの準キャラクタ
2
句読点、演算記号
3
数字
4
5
大文字
6
7
小文字

ISO符号系の上の桁と字の種類との対応
ただしそれぞれのグループの末尾には記号が少しずつ割り振られている


Q  コンピュータは16進法で数の計算をしているんですか?

A  違います。
 コンピュータは16進法で計算しているわけではありません。敢えて言えば2進法で計算しているという感じです。
 コンピュータというと、データやプログラムを2進記数法で表わしたものがスクリーンに表示されていたり、紙に印刷されていたりするのをよく見かけます。それは、2進記数法なら、ありがちな数(0〜2^16=32000ぐらいの数)や文字の符号ならたった2桁で表現でき、しかも意味が読み取りやすく、それでいて実際のビット列を思い浮かべやすいからです。
 2進記数法は、情報システムの開発(たとえばプログラミング)や管理をしたりする時に、ビット列の読み書きが簡単にできるようにするためのものです。つまりコンピュータは、もともとビット列(2進形式)で表現されている数をわざわざ2進記数法の記数に変換してくれているのです。

 10進形式で計算するシステムというのもなかったわけではない。この方式はBCDとよばれ、50〜60年代には(現在でも?)金銭や数量を扱う情報システムでよく使われていた。



コンピュータ


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