学習書/[メディアテクノロジー論]

演習報告
メディアに対するほかの見方

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/MedThech/general/gallery/Kawabe.html




報告
Fiskeにおけるメディアとの関係

川辺豊美
(99年度履修生)


 "メディア"ということばが日常の世界に入り込んできたのは、合衆国では1920年代のことで、広告業界誌の記事で"advertising media"(=広告媒体)という形で使われたのが起源であると言われている。
 本来、"メディア"とは、コミュニケーションを可能にする媒体を意味する言葉だ(medio, medum)。このことばが、マスメディアにも拡張されたことによって、急速に拡がっていったのだ。

 Fisk(フィスク、John)は、メディアを以下の三つに分けている。

現示的
(presentational)
メディア
声、表情、肉体の動作など
コミュニケータ自身
再現的
(representational)
メディア
本、絵画、写真など
何らかのテキストの形態をとるもの
機械的
(mechanical)
メディア
電話、ラジオ、テレビ、フィルムなど
現示的/再現的メディアを伝達するもの

 [メディアテクノロジー論]では、"メディア"ということばによって、伝達や記録のためのフォーマットの違いを指している。Fiskeの分類で言えば、これは再現的メディアと機械的メディアの二つの意味を包含している。
 現示的メディアは、Fiskeの分類では、最も原点に近いメディアであると言える。これは、工学がメディアを対象とするようになる以前の、何かを表現しようとする人間の活動そのものに深く関わっている。これこそが"メディア"の原義なのだとわたしは思う。

参考にした資料
香内三郎ほか、"現代メディア論" (新曜社、87)

(もとの報告を一部整理した)



このページの記事は、科目[メディアテクノロジー論]を履修した学生が演習[メディアに対するほかの見方]の一環として調査してくれました

メディアテクノロジー論


Copyleft(C) 1999, by Studio-ID(ISIHARA WATARU). All rights reserved.


最新更新
99-06-04