資料シート●ゼミナール/卒業論文



設計制作(4年次)

成果
[たとえばこんな黙示録]

川井陽治
(05年度受講生)

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/ Isihara/gallery/Apocalipse.html




人形劇
背景をどうするか→黒板(ホワイトボード)に描くor後から合わせる

Cast
・神やん[担当:山中]
――サングラスかけて、タバコふかすジジイを想定。
・蛇さん[担当:及川]
――蛇です。色はなんでも、奇をてらう。あとで脱皮するので注意
・メフィちゃん(女の子)[担当:目下、捜索中]
――蛇さんの奥さん(?)のような立場。
・天使ミカエル[担当:再び、山中]
――マイケル。借金の取りたて屋。チンピラ。
・壷振り[誰かがやる]
――壷を振るひと。
・J[シーンEx1追加の際にはマジに考える]
――ゴーストみたいな蛇さんの付き人。メフィとはいろいろあった。

オープニング

タイトル、後に黒地に赤字で以下の文章を出す(ナレーションあり)
地と海とは不幸である
悪魔は怒りに燃えてお前たちのところへ降っていった
残された時が少ないのを知ったからである
But woe to the earth and the sea, because the devil has gone down to you!
He is filled with fury, because he knows that his time is short."

シーン1

ボロい六畳一間の部屋
メフィちゃん(以後M)は造花の内職中
蛇さんは一杯引っ掛けて、壁の時計(8、9時くらい)をみる

蛇「じゃあ、おらーでかけるぜぃ」
M「どこへいかれるんですか」
蛇「ちょっとそこまでだよ」

内職を止めて、蛇さんを見る。

M「また神やんさんのとこですか」
蛇「そーだよーん」(少し酔ってる)

メフィちゃんが悲しそうにする。顔を上げて強く言う。

M「蛇さん、もうやめてくだい。お金(→深い観念と設定があるがここでは触れない)だってないし……がないんです」
蛇「うるせい」

蛇さんのちゃぶ台返し。ちゃぶ台の上のお酒(カップ酒)がメフィちゃんにかかる。
蛇「うるせい、うるせい!こちとら江戸っ子でい。負けっぱなしじゃいらんねぇんだよ」

蛇が退場していく。メフィちゃんがしくしく泣く(嘘っぽくてもおもしろそければ可)。

M「もう、いやよ。だいたい江戸っ子って何?しくしく」(よよよ泣きと検討中)

シーン2

神やん(以後、神)と蛇さんの賭け事。神やんの方にチップがつもってる。
壷にサイコロが入り、真ん中に置かれる。

壺振り「はいりました!さぁ、はった、はった」
蛇「半」
神「丁」

壺振り「ピンゾロの丁」
蛇さんのチップがなくなる。

神「今日はついてまへんなぁ。あー今日も、でしたなぁ。フー(タバコの吹かし)」
蛇「くそー。もう一勝負だ!べらぼうめ」
神「わたしゃいいですけどね。蛇さん、賭けるものがないじゃありませんか」
 うっ、という感じで詰まる(体を縮めて表現する?)勢いをつけて、
蛇「おれっちの皮かけたる」

蛇さん、脱皮する。

神「あなたの皮なんぞいりますか!!」

カッとなった感じで、その後我に返ってタバコを静かにフー。

神「そうだ。じゃあ、こうしましょう。あなたのアパートを担保にお金を貸しましょう」

悩む蛇さん。(ぐねぐね、う〜ん)

J「蛇さん、ダメっすよ。メフィさんがもいるのに……」
蛇「たしかになぁーあれ摩っちまったら、住むトコはなくなっちまうよな」
神「そーですか。いやね」
J「あんた、何言ってんだ。メフィちゃ、さんのことなんだと思ってんすか!!」
蛇「奴隷だね!!!」

これを連続再生あるいはエコー。Jはショックのあまり灰になってしまう。

神「まぁ私と蛇さんの間ですしね……。無利子でお貸ししますよ、ハハハ」

悪代官っぽく、調子よく。蛇つかさず即答で。

蛇「お願いします」

愛想笑いがあってもいいか。風が吹いて、灰が流れていく。

シーン3

一週間後
六畳のアパートのドアがノックされる。

M「はーい」

メフィちゃんがドアを開ける。天使ミカエル(以後ミ)が立っている。

ミ「よー、ダンナいる?」(軽口)
M「はい、いますよー」振り返って「蛇さん、マイケルさんですよ」
ミ「ミカエルです(真剣に)」
蛇「あーこりゃ、マイケルさん。なにか御用で?」

ミはづかづか上がりこんで、蛇さんの胸倉を掴んで持ち上げる。

ミ「(真剣に)ミカエルです。(打って変わったように怖い声で)なにかじゃねーだろ、ボケが。金だよ、カネ、おーかーね。神やんとこのきょーまででしょーがぁ。ああん」
蛇「いや、あれは一年……ゆ」

ミが蛇を殴る。蛇が吹っ飛ぶ。メフィちゃんがかけよる。

M「大丈夫?蛇さん」蛇の無事を確認して(ぐねぐね)、ミカエルに振り返る。
M「なんてことするですか、マイケルのくせに」
ミ「ミカエルだ。バカ!」
M「あんたなんか、マイケルじゃないッ!!」(意味不明だがよし)
ミ「ミ・カ・エ・ルだ!てめぇはニンゲンの爺とよろしくやるのが御似合いなんだよ」

メフィがよよよ・・・と泣き崩れ、

M「どうかお願いします。もう少しだけ待ってください」

メフィの殊勝な心がけに気をよくして

ミ「よしよし、俺も天使だ。三日だけ待ってやる。払えねー時は」
ちゃぶ台を蹴り飛ばして「すぐこっからおいだすぞ。わかったな」
メフィちゃんは泣きながら頷く。

シーン4

もともとボロかったが、さらにひどいことになった部屋に蛇さんとメフィちゃんが向合う。

M「蛇さん、だからあれほど止めてといったじゃない」
蛇「すまん、でも一年の猶予くれるって……無利子だって」(ションボリ)
M「騙されたのよ。それでいくら借りたの?」

メフィちゃん耳を近づける。ヒソヒソ。
メフィちゃんが立ち上がり、とにかく蛇さんに暴行を加える。蛇さんぐったり。
キャッチ――しばらくおまちください
メフィちゃんがめそめそと泣いている。蛇、死んでる。

M「それで……」

メフィちゃんが顔を上げる。蛇、起きない。

M「蛇さん……」

蛇、起きない。沈黙。

M「こんな時に寝るなんて!信じられない!!」

メフィは怒りに任せて立ち上がる。そして、究極の――

M「実家に帰らせていただきます」
蛇「実家ってどこだよ(また殴られる)」

シーン5

月が綺麗な夜。一室六畳二階建て全六室風呂・トイレ共同アパート朧荘(通称、オンボロ荘というのは裏の話)を見上げるメフィちゃん。

M「まさかここにもいられなくなるなんて」(しみじみ)
蛇「お前には苦労かけるな」
M「ホントだわ」(強く)

ポッカっと蛇を叩く。どことなくほのぼのとした感じが出せるといい。
地平線から朝日が昇ってくる背景。夜逃げする、メフィちゃんと蛇さん。いい顔で。
赤地に白で
地と海は不幸ではない
悪魔たちは哀れにもお前たちのところへ降るしかなかった
借金が――返せなかったからである

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このページの記事の本体は 表記の学生が学習の一環として制作した作品です

ゼミナール/卒業論文


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05-05-20