この作品は、
私が広島を離れ東京に出てきて
平良安彦と組んで作ったユニット
[極楽横町] の4番目の作品であり、
平良の死去により最終作となった。
[うららフロント] は、もともと
[ZIN] という自主映画グループのメンバーとともに練っていた企画だったが、クランクイン直前に白紙撤回(=没)となりプロジェクトは解散。それがのちになって、タイトルだけ残して、全く違う企画-ストーリーで実現することになった。
米澤正行は
QMFの旧くからの盟友だ。"お互い5年ぶりに新作をやろう。短編で" というシバりのもとに上映日まで決めて、新生
[うららフロント]は突貫工事で突っ走った。
ストーリーの軸になるのは、二人の男と一人の女の合流と分岐。"不在の2ショット" を撮りたかった。
"うらら" といえば隅田川。ウォーターフロントといえば湾岸 (93年当時)。となれば舞台は2カ所。それは、隅田川が海に合流する河口に架けられた鉄橋、そして橋に隣接したハイパー (?) 神社。
そう。ご想像の通り、狙いは彼岸と此岸の境界線に立つこと。
2カ所のロケに2日、つまり1日1か所で撮り切った。
2年後、
この作品は同じスタッフやキャストとともに次回作
[アブサバ] へと展開することになったのでした。
久々の
上映となります。よろしくどうぞ。