情報工学で知識を表現するのによく用いられているモデルの一つに
セマンティックネットワーク(意味網)があります。
セマンティックネットワークでは、
概念とその
関連を節(
ノード)と弧(
アーク)とするグラフとして表現します。
[セマンティックマンダラ]は、グラフの代わりに
マンダラの構造を用いることによって同様の表現を試みようとするプロジェクトです。
[セマンティックマンダラ]は、特定の
ルールにしたがって複数のプレーヤが同時に進行させていく
ゲームとしてとらえることができます。そのルールは以下のとおりです。
○
マンダラそのものを起点の概念とする
○起点の概念(=
マンダラ)を中心として、それに関連するほかの概念を左右と上下とに配列し、3×3行列を生成する。これを、その概念を中心とするセマンティックマンダラとよぶ
○上記の手順によって導入された新しい概念のそれぞれを中心として上記の手順を再び適用する
マンダラの構造として最もよく知られているのは3×3行列ですが、そりほかにも、さまざまな構造をもつ
マンダラが存在します。また、特定の
マンダラに対しても、その構造を理解する枠組みは一意ではありません。したがって、一つの概念を起点としながら異なった構造をもった複数の
マンダラが生成されるかもしれません。
ところで、このサブプロジェクトの成果は[MANDALA]プロジェクトの作品としての一部を構成すると同時に、[MANDALA]プロジェクト自体を外側から再帰的に記述するメタ情報にもなっています。これは興味深いことです。
このページは
[セマンティックマンダラ]に対する解説のページですが、すでに
[セマンティックマンダラ]の作品、あるいは実施されつつあるゲームの成果の一部でもあります。このことは
[セマンティックマンダラ]の作品としての概念によく似ています。
このページのテキストの中に何度か現われる
[セマンティックマンダラ]という語句に対して張られたリンクはこのページを指しています。このこともまた、
[セマンティックマンダラ]の作品としての概念によく似ています。
セマンティックネットワークは、基本とするグラフの構造のもつ柔軟さゆえに、きわめて自由な表現の能力を備えています。それに対して、
マンダラは特定の接続の構造を規定し、その構造を明示することもまた目的としているように呼掛人には思えます。
[セマンティックマンダラ]を通じて、この、概念と概念との関連の構造そのものに対する考察を深めたいと呼掛人は考えています。