論理回路
(logic circuit)
論理回路とは、 コンピュータなどのデジタル信号を扱う機器で、 論理演算などを行っている電子回路です。
論理回路を構成する上で最も基本的な論理素子には、 下に示した
AND 回路
(論理積回路)
、
OR 回路
(論理和回路)
、
NOT 回路
(否定回路)
の三つがあり、 これらを基本論理回路といいます。
さらに、 それらを組み合わせて作られる
NAND
や
NOR
、
EXOR
回路、 あるいは 1 ビットのデータを一時的に記憶できる
フリップフロップ
、 更には数値を記憶したり計数できる
レジスタ
や
カウンタ
なども使用されます。
フリップフロップ や レジスタ、 カウンタ になると、 それ自体がかなり複雑な論理素子ですが、 これらももちろん、 すべて AND や OR、 NOT 回路
(基本論理素子)
を組み合わせて作られています。
論理素子は、 以前はトランジスタやダイオードなどの半導体、 あるいは抵抗やコンデンサといった電子部品を組み合わせて構成していましたが、 現在はもっぱら IC に集積された論理素子を利用します。
基本論理回路
(AND、 OR、 NOT 回路)
の働き自体は、 きわめて単純です。
AND 回路や OR 回路には複数の入力があって、 AND 回路はそれらがすべて 1 のときだけ、 OR 回路は少なくとも一つが 1 になれば出力が 1 になります
(いい換えれば、 AND 回路はすべての条件が揃ったときに、 OR 回路は一つでも条件が整えば、 出力が 1 になります)
。
NOT 回路の入力はひとつだけで、 入力信号が 1 のときは 0 を、 0 のときは 1 を出力します。
ただそれだけ、 本当に単純です。
論理回路の入力のすべての組み合わせについて、 出力がどうなるかを表したものを真理値表といいます。 下の図では、 論理素子の入力値に対応している真理値表の行を赤く表示しています。 各論理素子の入力部分や真理値表をクリックすると、 状態が変わるようになっています。 お試し下さい。
通常 「論理回路」 と言うときは、 AND 回路や OR 回路のような論理素子ではなく、 それらを組み合わせて構成された、 もう少し高度な論理処理を行う電子回路をさしています。
「AND 回路はすべての入力が 1 になったときだけ出力が 1 になる」 のですが、 入力信号が "0" だの "1" だのというのも分かりにくい話です。 実際の電子回路では、 通常 "1" のときは信号の電圧が高く
(たとえば 0V から 5V になるなど。 電圧の値はシステムにより様々で、 パソコンなら 1V 台だし、 12V という装置も。)
なります。
論理回路の信号、 0 と 1 は、 何に対応させても構いません。
たとえば、
「映画を見たいな。 よし、 百恵をさそって OK なら行こ」 という場合は、 AND 回路です。 図にすると、 こう
(下図)
、 ですか。
彼女が OK で、 AND 回路の出力が 1 になれば GO ! です。
AND 回路や OR 回路の入力の数は 二つとは限りません。 3 個でも 4 個でも、 何個でもいいのです。
「小百合もさそって、 両手に花で行こ」 なら、 こうなります。
でもこれではムシが良すぎます。 世の中いつも、そううまくいくわけではありません。 「どちらか都合が悪くても、 まあいいか」 ならこうです。
おっと、 仲間の浩二のことを忘れていました。 百恵や小百合と一緒に映画を見たなんて、 後で知れたらやっかいです。 彼もさそわなくてはなりません。
でも実は、 浩二はとてもモテるんです。 さそってはみるけど、 断ってくれるとありがたい
(これも、 ムシのいい話…)
。
論理回路というと難しそうに思えますが、 こんな風に考えると、 案外そうでもないことがお分かりでしょうか。
これは AND、 OR、 NOT の基本論理回路をひとつずつ使っただけの単純な例ですが、 こんなのでも、 結構実用性はあります。
応用例については
車のうっかりミス防止
をご覧下さい。
関連事項:
AND 回路
OR 回路
NOT 回路
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update: 2014.06.12