62-1  若狭ぐじの細づくり

ほどよく塩が回って身のしまったぐじ(甘鯛)を細づくりにします。


  エネルギー : -
  塩分 : -
  調理時間 :

 講師: 辻 嘉一


(つくりやすい分量)
・甘だい (ひと塩のもの)  適宜

 【加減酢】*全体備考参照 
  ・かんきつ類の搾り汁 
  *すだち、かぼす、柚子(ゆず)、だいだい、レモンなど。 
  ・うす口しょうゆ 
  ・だし 
・わさび (生)  少々
・食用菊 少々
・岩たけ (乾)  少々
*食用の地衣(ちい)類の一種。断崖に生育する。 
・だし 少々
・しょうゆ 少々
 
    

  甘だいの頭を取り、三枚におろして、皮をひく。
  三枚におろしたものを上から3枚程度に薄くそぎ、斜めに細く切る。
  かんきつ類の絞り汁3に対して、うす口しょうゆ3、だし4の割合で混ぜ、【加減酢】をつくる。
  わさびは汚れやでこぼこをこそげ取り、葉を切り落とし、葉つきのほうから、なるべく目の細かいおろし金(鮫(さめ)の皮を張ったものがよい)でおろす。「の」の字を書くように垂直に手早くおろすと、ドロリと細かくおろすことができる。
  菊は花びらだけを取って、ガクを除き、たっぷりの水の中に入れて火にかける。沸騰したら冷水にとり、水けをきって器に入れ、【加減酢】少々で下味をつける。
  岩たけは1日間水につけて、十分に戻し、水からゆでて石づきを取る。水の中で両手でもむようにして汚れを取り、だし・しょうゆ各少々の中でしばらく煮る。盛る前に約5分間【加減酢】に浸しておく。
  器の正面を手前に置き、器の中央より少々奥のほうに、甘だいの細づくりを盛り、手前に岩たけと菊の汁けを絞って添え、わさびは右手前の、器の底に近い細づくりの身の上に置く。
  最後に、【加減酢】適量を、細づくりの後ろから静かに注ぎ入れる。

【加減酢】
かんきつ類の搾り汁3に対して、うす口しょうゆ3、だし4の割合で合わせる。
※このレシピは、1980年11月10日に放送されたものです。



62-2  カレーうどん

なめらかでまろやかなカレースープは、うどんとの相性抜群!


  エネルギー : 500 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : 4.80 g (塩分は1人分)
  調理時間 : 15分 (かえし、カレールーをつくる時間、だしをとる時間は除く。)

 講師: 戸川 貞一


(2人分)
・カレールー 180g
*下記参照。数時間ねかせたほうがよりおいしい。 

 【かけ汁】*330ml 
  ・だし カップ1+1/2
  *下記参照。 
  ・かえし 大さじ2
  *下記参照。できれば3日〜1週間ねかせたもの。 
・牛乳 180ml
・冷凍うどん 2玉(360g)
・さやいんげん (ゆでたもの)  適量

 【かえし】*つくりやすい分量 

 【A】 
  ・クリスタルシュガー 55g
  *クリスタル状に精製された砂糖。製菓材料店やインターネットで購入可能。グラニュー糖の場合は、5分間ほど煮てみりんのアルコール分をとばす。 
  ・みりん 大さじ2+2/3
  ・しょうゆ カップ2

 【カレールー】*つくりやすい分量 

 【B】 
  ・油 大さじ1
  *サラダ油4:ごま油1の割合で混ぜたもの。 
  ・バター 8g
  ・豚こま切れ肉 50g

 【C】 
  ・たまねぎ (大/薄切り)  1コ分(350g)
  ・にんにく (すりおろす)  1かけ分(6〜7g)
  ・りんご (皮付き/すりおろす)  1/4コ分(50g)
  ・カレー粉 大さじ1+1/3
  ・カレールー (市販/中辛または辛口)  90g
  ・酒 大さじ1
  *料理酒ではなく、清酒。 

 【だし】*つくりやすい分量 
  ・水 カップ5+1/2
  ・削り節 50g
  *本節30g、宗田節20gを混ぜたもの。 
 
    


【かえし】をつくる
  鍋に【A】を入れ、弱火にかける。混ぜながらみりんのアルコール分をとばし、クリスタルシュガーを溶かす。
  全体に粘度のある泡が立ちはじめたらしょうゆの半量を入れ、クリスタルシュガーを溶かすように底からゆっくり混ぜる。
  クリスタルシュガーのザラザラ感がなくなり完全に溶けたら、残りのしょうゆを加える。弱めの中火にし、表面が白くなり、沸騰直前になったら火を止める。
  ふた付きの容器に移し、粗熱が取れたら、ほこりなどが入らないように紙タオルで覆う。1日たったらふたをする。暗くて涼しい場所において3か月間保存可能。

【カレールー】をつくる
  鍋に【B】を入れ、その上に【C】を重ねる。カレー粉をふり入れ、中火にかける。
ポイント: 脂分の多いものから先に入れて焦げにくくする。
  素材の水分が出てクツクツしてきたら、木べら2本でたまねぎをつぶし切るように炒める。完全に水分がとぶまで30〜40分間炒める。途中、焦げそうになったら火を弱める。
ポイント: たまねぎをつぶし切りながら炒めることで、うまみが増す。
  鍋にカップ2+1/2の熱湯を加え、弱めの中火で40〜50分間煮込む。途中焦げそうになったら火を弱め、側面をこそげ落とすようにして時々かき混ぜる。
  中身が半分ほどになったら市販のカレールーを加えてよく混ぜ、7〜8割溶けたら酒を加える。堅ければ大さじ1を目安に熱湯を加えて調整する。全体を混ぜ、鍋底に木べらで一文字が描けるようになったら火を止める。粗熱が取れたら保存容器に移し、完全に冷めたら冷蔵庫に入れる。2週間保存可能。

【かけ汁】をつくる
  【だし】をとる。鍋に分量の水を入れて強火にかけ、沸騰したら火を止め、削り節を入れる。弱火で約1分間煮出し、火を止めて3分間おく。
  ボウルにざるを重ねて紙タオルを敷き、 を注いでこす。別のボウルに分量の【だし】と【かえし】を合わせる。
ポイント: 【かえし】は容器の底に糖分が沈殿するので、かき混ぜてから使う。また、【だし】と【かえし】の温度を合わせるとなじみやすい。

仕上げる
  鍋に の【カレールー】と の【かけ汁】カップ3/4を少量ずつ入れ、ルーを溶かすように混ぜ合わせる。弱めの中火にかけ、ルーが溶けたら、【かけ汁】カップ3/4を少量ずつ加え、約5分間煮る。
  とろみが出てきたら牛乳の1/3量を加える。牛乳がなじみ、スープの温度が上がってきたらさらに牛乳1/3量を加えて混ぜ合わせる。とろみの加減をみて、堅ければ残りの【かけ汁】を少量ずつ加える。
  別の鍋に湯を沸かし、冷凍うどんを入れて1分間ほど温める。丼にも熱湯を注ぎ、温めておく。
  仕上げに、 に残りの牛乳1/3量を加え、なじませる程度に1分間煮て火を止める。 のうどんを湯きりして丼に入れ、カレースープをかけ、斜め切りにしたさやいんげんを添える。



62-3 ぶり大根

大根とぶりを一緒に鍋に入れて、水から煮ます。たまりしょうゆを使うと、こっくりとしたべっ甲色に煮上がります。


 エネルギー : 1620 kcal
 塩分 : 9.80 g
 調理時間 : 80分

 講師: 土井 善晴



(つくりやすい分量)
・ぶりのアラ 600〜700g
・大根 1本(700〜800g)
・しょうが 50g
・たまりしょうゆ 大さじ4
・砂糖 大さじ5
・みりん 大さじ2
*エネルギーは全量 
*塩分は全量 
    


  ぶりのアラは4〜5cm角に切る。
  鍋にたっぷりの湯を沸かし、 を一切れずつ入れて表面が白くなる程度にサッと湯通しし、冷水にとる。
ポイント: 湯通しすることで、生ぐさみやアクが抜けるとともに、血合いやウロコも取りやすくなります。
  弱い流水の下でぬめりや血合いを洗い流し、ウロコを爪の先で押し上げるようにして丁寧に取り除く。ざるに上げ、水けをきる。
  大根は皮付きのまま3cm厚さの半月形(大きければいちょう形)に切る。しょうがは皮付きのまま4〜5mm厚さに切る。
  鍋にぶりを入れて大根を重ね入れ、しょうがを散らして水カップ5を注ぐ。強火にかけて煮立て、アクを丁寧に取り除く。
ポイント: ぶりは煮汁から出ないように、大根の下に入れて煮始めます。
  砂糖大さじ5、みりん大さじ2を加え、落としぶたをして中火で15分間煮る。
   にたまりしょうゆを回し入れ、再び落としぶたをして、煮汁が1/3量程度になるまで煮る(約50分間)。仕上げに煮汁を全体にからめる。
ポイント: たまりしょうゆを使うことで、こっくりとしたべっ甲色に煮上がります。もちろん、普通のしょうゆでもかまいません。



62-4 和風ポトフ

たっぷりのお野菜とベーコン、そしてりんごも加えたやさしいお味のポトフです。


 エネルギー : 300 kcal
 塩分 : 4.10 g
 調理時間 : 60分

 講師: 鈴木 登紀子



(4〜5人分)
・干ししいたけ 8枚
・大根 200g
・にんじん 1/2本(100g)
・じゃがいも 2コ(450g)
・たまねぎ (小)  3コ
・ベーコン (塊)  200g
・だし カップ7

 【A】 
  ・塩 大さじ2/3
  ・こしょう 適量
  ・ローリエ 1枚
・りんご 1/2コ

 【B】 
  ・酒 大さじ1
  ・うす口しょうゆ 大さじ1
・パセリ 適宜
・大根の葉 適宜
・塩 
*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 
    


  干ししいたけは、サッと水で洗い、ヒタヒタよりも多めの水につけて戻す。軸を除き、かさの裏に包丁目を入れる。大根、にんじんは皮をむいて小さめの乱切りにする。じゃがいもは縦に二つ〜四つ割りにして皮をむき、さらに3等分に切る。大根、にんじん、じゃがいもをたっぷりの水に放し、ざるに上げる。たまねぎは縦半分に切る。ベーコンは1cm厚さに切る。
  厚手の鍋に を大根、にんじん、しいたけ、じゃがいも、たまねぎ、ベーコンの順に入れ、だしをはって強火にかける。煮立ったら弱火にして【A】を加え、アクを丁寧に取りながら40分間ほど煮込む。
  煮ている間に、りんごを皮付きのまま半分に切り、芯を除いて横に1cm厚さに切る。うすい塩水に放し、ざるに上げる。
ポイント: りんごを加えるのがばぁば流。
  りんごと【B】を の鍋に加え、1〜2分間煮て火を止める。好みでパセリやサッとゆでて水けを絞った大根の葉を刻んで散らす。

ご飯を加えて温め直し、スープご飯にアレンジしてもおいしくいただけます。



62-5 大豆と根菜のうま煮

大豆に野菜から出た、うまみたっぷりの煮汁をよくからめます。大豆とほかの具材の組み合わせの妙をお楽しみください。


 エネルギー : 270 kcal
 塩分 : 2.30 g
 調理時間 : 30分

 講師: 高橋 義弘



(2人分)
・大豆 (ゆでたもの)  150g
・大豆のゆで汁 カップ1/2
・里芋 2コ(80g)
・ごぼう 30g
・れんこん 40g
・にんじん 40g
・こんにゃく 50g
・生しいたけ 2枚(40g)
・さやいんげん 6本(20g)
・だし カップ1

 【A】 
  ・砂糖 大さじ1
  ・みりん 大さじ1
  ・しょうゆ 大さじ1+2/3
・ごま油 小さじ2
*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 
    


  里芋は皮をむき、一口大に切る。ごぼうは皮をこそげ、れんこん、にんじんは皮をむき、小さめの乱切りにする。こんにゃくはスプーンで食べやすい大きさにちぎり、熱湯でゆでて水にさらす。しいたけは軸を除き、4等分に切る。さやいんげんは約3cm長さに切る。
  鍋にごま油小さじ2を中火で熱し、里芋、ごぼう、れんこん、にんじん、こんにゃくを入れて炒める。
  野菜に油がなじんだら、大豆のゆで汁、大豆、しいたけ、だしを加える。アクが出たら取り除く。
  野菜に火が通ったら、【A】を加えて中火で煮る。煮汁が約半分になったらさやいんげんを加えて火を通す。煮汁がほとんどなくなるまで煮からめて、器に盛る。



62-5a  大豆のゆで方・炊き方

栄養満点の大豆を、少し堅めに食感を残してゆでるのがポイント。歯ごたえよく、飽きずにおいしく食べられます。


  エネルギー : -
  塩分 : -
  調理時間 : 25分 (大豆を水につけておく時間は除く。)

 講師: 高橋 義弘


(つくりやすい分量)
・大豆 (乾)  250g
*ゆでた大豆は約600gになり、ゆで汁は約カップ2できる。 
・だし カップ2

 【A】 
  ・砂糖 小さじ2
  ・みりん 小さじ2
  ・うす口しょうゆ 大さじ1+1/3
  ・しょうゆ 小さじ1
 
    


ゆで方
  大豆、水1リットルを鍋に入れ、一晩(10時間以上)おく。
  水を捨て、新たに水1リットルを加え、鍋を中火にかける。沸騰したら弱火で約20分間ゆでる。食べてみて少し食感が残るくらいで火を止める。※枝豆をゆでるときくらいの堅さ。
ポイント: 煮炊きする料理にはこの状態で使う。ゆで汁も料理に使う。

炊き方
   のゆでた大豆とゆで汁全量、だしを鍋に入れて中火にかける。沸騰してきたら【A】を加え、約5分間炊いて自然に冷ます。
ポイント: 揚げ物や焼き物には炊いた大豆を使う。煮汁も料理に使う。ゆでた大豆の半量を炊くときは、だしと【A】を半量にする。

【保存】
ゆでたもの、炊いたものはそれぞれ、汁ごとジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で3〜4日間保存可能。冷凍庫では約2週間。



62-6 スパゲッティミートソース

 エネルギー : 830 kcal
 塩分 : 3.30 g
 調理時間 : 45分

 講師: 栗原 はるみ



(4人分)
・スパゲッティ 320g
・合いびき肉 500g
・ベーコン (薄切り)  50g
・たまねぎ 1コ(200g)
・にんじん (小)  1/2本(50g)
・セロリ 1/2本(50g)
・ブラウンマッシュルーム 1パック(100g)
・にんにく (みじん切り)  1かけ分
・赤ワイン カップ1/2
・ドミグラスソース (缶詰)  1缶(290g)
・トマトジュース カップ1

 【ハーブ】 
  ・バジル (生)  2〜3本
  ・ローズマリー (生)  1〜2本
  ・タイム (生)  2〜3本
  ・ローリエ (乾)  2枚

 【A】 
  ・ウスターソース 大さじ1
  ・トマトケチャップ 大さじ2
  ・塩 適量
  ・黒こしょう (粗びき)  適量
・パルメザンチーズ 適宜
*粉チーズでもよい。 
・オリーブ油 大さじ2
・塩 少々
・黒こしょう (粗びき)  少々
*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 
    


  ベーコンはみじん切りにする。たまねぎ、にんじんは3〜4mm角のみじん切りにする。セロリは筋を取り、3〜4mm角のみじん切りにする。マッシュルームは根元を除き、4〜5等分の薄切りにする。
  フライパンにオリーブ油大さじ2を入れて中火で熱し、にんにくを香りが出るまで炒めたら、ベーコンを加えて炒める。
 ポイント: ベーコンを入れることで、コクのあるミートソースになります。
  ひき肉を加えて炒め、塩・黒こしょう各少々をふる。たまねぎ、にんじん、セロリを順に加えて炒め、マッシュルームを加える。
  赤ワインを加えてアルコール分をとばし、ドミグラスソースとトマトジュースを加える。【ハーブ】をそのまま加え、時々混ぜながら、弱火で約20〜25分間煮る。【A】を加えて味を調え、火を止める。
 ポイント: 赤ワイン、ドミグラスソース、トマトジュースで、さらにコクを出します。
  鍋に湯を沸かし、スパゲッティを袋の表示どおりにゆで、よく水けをきって器に盛る。 をかけ、好みでパルメザンチーズをおろしかける。
【ハーブで香りよく】
バジル、ローズマリー、タイム、ローリエ、4種類のハーブを使って、ミートソースを香りよく仕上げる。



62-7  黒豆

砂糖は様子をみながら、数回に分けて加えましょう。家で煮る黒豆は、好みで調節できるのがうれしいところです。


  エネルギー : 1620 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : 5.20 g (塩分は全量)
  調理時間 : 420分 (豆を【A】で戻す時間、味を含ませる時間は除く。)

 講師: 田村 隆


(つくりやすい分量)
・黒豆 (乾)  200g

 【A】 
  ・炭酸水 (無糖)  カップ2+1/2
  ・砂糖 大さじ2
  ・しょうゆ 大さじ1
・砂糖 180〜200g
・しょうゆ 大さじ1
 
    


1日目
  黒豆は洗って水けをきり、大きい鍋に入れ、水2リットルを加えて中火にかける。煮立ったら【A】を順に加える。
ポイント: 炭酸水を加えると、重曹を加えるのと同様に、豆が芯まで柔らかく煮える。
  再び煮立ったらアクを取って火から下ろし、ふたをしてそのまま一晩おく。
ポイント: 鍋のふたがなければ、ラップで覆ってもよい。

2日目
  ふたを取って中火にかけ、煮立ったらアクを取る。ごく弱火にし、落としぶたをしてじっくりと煮る。途中、常に煮汁が豆にかぶるように、適宜水を加える。
ポイント: 砂糖を加えたあとは豆が柔らかくならない。十分時間をかけて煮る。
  豆が完全に柔らかくなったら、砂糖60〜70gを加え、20〜30分間煮る。これをあと2回くり返して火を止め、落としぶたをしたまま一晩味を含ませる。
ポイント: 砂糖は一度に加えると、芯まで甘みがしみ込みにくい。180〜200gを3回に分けて加え、好みの甘さに。

3日目
  最後に再び弱めの中火で温め直し、しょうゆ大さじ1を加えて火を止める。
ポイント: 冷めたら容器に移し、必ず煮汁に豆が浸っている状態で冷蔵庫に保存する。

※このレシピは、2015/12/07に放送されたものです。



62-8 栗きんとん

栗(くり)きんとんの輝く色は、豊かさの象徴です。さつまいもはアクの少ない部分だけを使い、鍋に付いた焦げをこまめに除くことで、美しく仕上げます。



 エネルギー : 2640 kcal
 塩分 : 0.00 g
 調理時間 : 50分

 講師: 田村 隆



(つくりやすい分量)
・くりの甘露煮 (市販)  15〜20粒
・さつまいも (大)  1本(正味370g)
・くちなしの実 (乾)  1〜2コ
・砂糖 150g

 【A】 
  ・砂糖 100g
  ・くりの甘露煮のみつ カップ1
  *足りない場合は、その分みりんの量を増やす。 
  ・みりん カップ1
*エネルギーは全量 
*塩分は全量 
    


  さつまいもは1cm厚さに切り、皮を厚くむいて水に放す。
  くちなしの実はガーゼに包み、たたいて粗く割る。
   の水けをきって鍋に入れ、たっぷりの水と を加えて15分間ほどおき、くちなしの実の色を水に移す。水が黄色くなったら中火にかけ、煮立ったら弱めの中火にしてゆでる。
  さつまいもが柔らかくなったらざるに上げ、表面を洗って水けをきる。フライパンか鍋に入れ、砂糖を加えて中火にかけ、木べらでざっとつぶしながら砂糖をなじませる。
  火を止めて粗熱を取り、完全に冷めないうちに、フードプロセッサーでペースト状にする。
  鍋に【A】を中火で煮立てて、みつをつくり、細かい泡がふんわりと立ったら を加える。
ポイント: 砂糖に甘露煮のみつとみりんも加え、風味豊かな甘さに。
  みつをからませるようにして混ぜ、くりの甘露煮を加える。くりが温まったら火から下ろし、バットに広げて冷ます。

【さつまいものむき方】
断面外側の黒い点が見えるところは、アクが強く、時間がたつと黒ずんでくるので、皮と一緒にむいて除く。捨てずに油で揚げて、田作りの煮汁と同じみつをからめると、大学いものようにおいしく食べられる。
【焦げの除き方】
煮詰まったみつが鍋肌に付いたまま加熱していると、さつまいものペーストに焦げ色が混ざってしまう。焦げそうになったら、いったん火から下ろし、固く絞ったぬれ布巾で拭いて取り除くとよい。
※このレシピは、2015/12/08に放送されたものです。



62-9  煮しめ

本来は、ひとつひとつ煮しめてから盛り合わせますが、手軽に3つのグループに分けてつくります。慌てず、ゆったり、新年を迎えるプロセスを楽しむ気持ちで進めていきましょう。


  エネルギー : 1390 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : 20.60 g (塩分は全量)
  調理時間 : 120分 (高野豆腐、干ししいたけを戻す時間、A、B、Cを冷ましながら味を含ませる時間は除く。
高野豆腐と干ししいたけは、つくる前日から戻しておく。)


 講師: 田村 隆


(つくりやすい分量)

 【グループA】 
  ・高野豆腐 2枚
  ・れんこん 2節(300g)
  ・にんじん 1本

 【A】 
  ・だし カップ3
  ・砂糖 大さじ5
  ・うす口しょうゆ 大さじ2

 【グループB】 
  ・干ししいたけ (小)  10枚(35g)
  ・ごぼう 1本(150〜200g)
  ・こんにゃく 1枚
  ・米のとぎ汁 適量

 【B】 
  ・だし カップ3
  ・砂糖 大さじ4
  ・しょうゆ 大さじ2

 【グループC】 
  ・里芋 10コ

 【C】 
  ・だし カップ3
  ・砂糖 大さじ3
  ・うす口しょうゆ 大さじ2
・絹さや 15枚
・酢 
・砂糖 
・サラダ油 
・みりん 
・しょうゆ 
・塩 
 
    


【グループA(淡い色の材料)】の下ごしらえをする(高野豆腐)
  たっぷりのぬるま湯に一晩つけて戻す。
  手ではさんで絞り、新しい水につける。
   を2〜3回くり返し、出てくる水が濁らなくなったら、しっかりと水けを絞って、1枚を6等分の正方形に切る。

【グループA(淡い色の材料)】の下ごしらえをする(れんこん)
  ピーラーで皮をむき、たっぷりかぶるくらいの水と酢大さじ1を加えてゆでる。
  透き通ってきたら冷水にとって冷まし、1cm幅に切る。
ポイント: ゆでてから切ると、割れたり欠けたりせず、きれいな断面に。

【グループA(淡い色の材料)】の下ごしらえをする(にんじん)
  4〜5cm長さに切り、さらに放射状に3等分に切る。それぞれ中心の角を縦に少しそいで切り落とす。
ポイント: このように切ってから型で抜けば、味のよい外側の部分がむだにならない。細長い先端は乱切りに。
  断面を下にして置き、梅の抜き型で抜く。
ポイント: 「ねじり梅」にする場合。花びらの境目から中心に向かって切り目を入れる。その切り目から隣の切り目に向かって包丁の刃を斜めにねかせるように入れて薄くそぎ取ると、立体的な花の形になる。

【グループB(濃い色の材料)】の下ごしらえをする(干ししいたけ)
  砂糖1つまみを加えた水につけ、浮かないようにラップで落としぶたをし、一晩おいて戻す。軸を切って除く。

【グループB(濃い色の材料)】の下ごしらえをする(ごぼう)
  たわしで洗って太めの斜め切りにし、たっぷりの米のとぎ汁でゆでる。柔らかくなったらざるに上げてサッと洗う。

【グループB(濃い色の材料)】の下ごしらえをする(こんにゃく)
  両面とも、厚みの1/4まで斜めに細かく切り目を入れる。
  サラダ油小さじ1を中火で熱したフライパンで、両面に焼き目をつける。
  熱湯でサッとゆでて水けをきり、高野豆腐と大きさ、厚さを合わせて正方形に切る。
ポイント: 高野豆腐は煮ると少しふくらむので、こんにゃくのほうをやや大きく切るとよい。

【グループC(ぬめりのある芋)】の下ごしらえをする(里芋)
  重箱の高さに合わせて上下を平らに切り落とす。
  縦に皮をむく。下から上へ、まっすぐにむき上げ、上下の断面が六角形になるようにする。
ポイント: 皮の縁より少し外側まで包丁の刃を入れてむいていくと、皮のむき残しがない。
  鍋に入れて、たっぷりかぶるくらいの水と酢大さじ1を加え、弱めの中火でゆでる。柔らかくなったら湯をきり、水で洗ってぬめりを取る。
  ざるに上げて水けを拭き取り、重箱や器に隙間なく並べられるように、里芋の側面の丸みを平らに切り落とす。
ポイント: 切り落とした部分は捨てずに、みそ汁の実などに利用するとむだがない。

煮しめる
  【グループA】、【グループB】、【グループC】は、それぞれフライパンか鍋に入れ、煮汁の材料【A】、【B】、【C】を加えて中火にかける。
  煮立ったら弱めの中火にし、アルミ箔(はく)で落としぶたをして3〜4分間煮る。
  火から下ろし、落としぶたを外して冷ます。こうして煮ては冷ます、を3〜4回くり返し、味をしっかり含ませる。
ポイント: 煮物は冷ます間に味がしみるので、この手間は省かない。
  最後に落としぶたを取って強めの中火にかける。【A】はみりん大さじ1、【B】はしょうゆ大さじ1/2、【C】はみりん大さじ1/2を加え、鍋を揺すりながら煮汁をとばす。
  汁けがからんでつやが出たら、バットに移して冷ます。

盛り付ける
  絹さやはヘタと筋を除き、塩少々を加えた熱湯でサッとゆでる。盆ざるに広げて湯をきり、塩少々をふって手早く冷ます。
ポイント: 冷水にとると水っぽくなるので、うちわであおいで手早く冷まし、色鮮やかに。
   が冷めたら、 を添えて盛り付ける。

※このレシピは、2015/12/09に放送されたものです。



62-10  グラタン

定番のグラタンですが、ホワイトソースを丁寧につくると、グラタンはとてもおいしくなります。


  エネルギー : 820 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : 3.50 g
  調理時間 : 50分 (えびを解凍する時間は除く。)

 講師: 栗原 はるみ


(4人分)
・マカロニ 100g
・えび (無頭/冷凍/殻付き)  12匹(約250g)
・鶏もも肉 1枚(250g)
・たまねぎ 1/2コ(100g)
・マッシュルーム (水煮/スライス)  2袋(100g)

 【ホワイトソース】 
  ・バター 40g
  ・小麦粉 50g
  ・牛乳 カップ2+1/2
  ・生クリーム カップ1
・ピザ用チーズ 150〜200g
・塩 小さじ1
・黒こしょう (粗びき)  少々
・サラダ油 


 
 オーブンは230℃に温めておく。 
    

  えびは解凍して殻と尾、背ワタを取る。鶏肉は余分な脂を除き、一口大に切る。たまねぎは薄切りにする。マッシュルームは汁けをきる。
  【ホワイトソース】をつくる。フライパンにバターを入れて弱火で熱し、溶かす。小麦粉をふり入れて、焦がさないように2〜3分間炒める。
  鍋に牛乳を入れ、人肌より少し温かいくらいの温度に温める。 のフライパンに牛乳を2〜3分間かけて少しずつ加え、ダマにならないようにのばす。牛乳を入れ終わったあとも、混ぜながら約5分間煮る。
ポイント: 牛乳は、温めたものを少量ずつ加えます。そのつどよく混ぜ合わせることでなめらかになります。
   に生クリームを少しずつ加え、そのつど混ぜながら、約5分間煮る。塩小さじ1、黒こしょう少々で味を調え、火を止める。
ポイント: 生クリームを加えて、クリーミーでコクのある【ホワイトソース】に。
  鍋に湯を沸かし、マカロニを袋の表示どおりにゆでてざるに上げる。
  別のフライパンにサラダ油大さじ1を入れて中火で熱し、えびを炒める。色が変わったら、塩・黒こしょう各少々をふって炒め、取り出す。
  同じフライパンにサラダ油少々を足して、鶏肉を炒めてから、たまねぎを加えて炒める。鶏肉に火が通ったら、塩・黒こしょう各少々をふり、マッシュルームを加えて炒め合わせる。火を止め、 を加えて混ぜ、さらに塩・黒こしょう各少々で味を調える。 を加えて混ぜ合わせる。
   を耐熱容器に入れて、チーズをのせる。230℃に温めたオーブンで15〜20分間焼く。



62-11 かもロース

 エネルギー : 350 kcal
 塩分 : 2.70 g
 調理時間 : 25分

 講師: 村田 吉弘



(4〜5人分)
・合いがもむね肉 2枚(500g)

 【合わせ地(1:1:8)】 
  ・しょうゆ 70ml
  ・みりん 70ml
  ・酒 560ml
・ねぎ 10cm

 【水溶きかたくり粉】 
  ・かたくり粉 大さじ1〜1+1/2
  ・水 大さじ1〜1+1/2

 【A】 
  ・粒マスタード 小さじ1
  ・練りがらし 小さじ1
*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 
    


  【合わせ地】を鍋に入れて強火にかける。半量くらいになるまで煮詰める。
  ねぎは長さを半分に切り、縦に切り目を入れて芯を取る。せん切りにし、水にさらして水けをきり、白髪ねぎにする。
  合いがも肉は表面の筋を除き、皮に格子状に細かく切り目を入れる。表面加工のしてあるフライパンを弱火にかけ、皮のほうからこんがりと焼く。出た脂は紙タオルで除く。
   の【合わせ地】を加えて強火にし、煮汁をかけながら8分間ほど煮る。
  合いがも肉を取り出し、残った煮汁を強火にかけ、沸騰したら火を止めて【水溶きかたくり粉】を加える。再び火にかけて混ぜ、とろみがついたら【A】を加えて混ぜ、たれにする。
  合いがも肉を薄く切って皿に盛り、 のたれをかける。 の白髪ねぎをのせる。
【合わせ地】
肉のくせを消しながら、こっくりした味をつける合わせ地です。肉をつけて焼いてもおいしい。
●冷たくしても、おいしく食べられます
つくり方5で合いがも肉を取り出したら、そのまま冷まします。同様に煮汁も冷ましたら、肉を煮汁の中に戻し入れ、全体に浸るように上から紙タオルをかけておきましょう。こうして一晩ほど味をなじませると、冷製かもロースのでき上がり。おせちに詰めることもできますよ。



62-12 野菜めんのあったか鍋

炒めたまねぎの甘さと、めん状にしたシャキシャキの野菜がマッチして、野菜がもりもり食べられる鍋物です。


 エネルギー : 430 kcal
 塩分 : 6.00 g
 調理時間 : 30分

 講師: 村田 吉弘



(4人分)
・大根 300g
・にんじん 200g
・長芋 300g
・たまねぎ 3コ(600〜750g)
・はまぐり (砂抜きしたもの)  8コ
・稲庭うどん (乾)  150g

 【鍋つゆ(1:1:15)】*鍋の大きさに合わせて、同じ割合で量を加減してもよい。 
  ・うす口しょうゆ 100ml(カップ1/2)
  ・みりん 100ml(カップ1/2)
  ・だし 1500ml(カップ7+1/2)
・柚子(ゆず) (くし形に切る)  適宜
・サラダ油 大さじ3
*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 
    


  大根、にんじん、長芋は、それぞれ皮をむき、にんじんの長さにそろえて、ピーラーでリボン状にむく。稲庭うどんは袋の表示どおりにゆでて水で洗い、ざるに上げる。
  たまねぎはみじん切りにする。フライパンにサラダ油大さじ3を熱し、あめ色になるまで炒める。
  【鍋つゆ】を鍋に入れて温める。 を加えて混ぜ、はまぐりを加える。
  沸騰したら野菜とうどんを加え、はまぐりの口が開いたら取り分ける。好みで柚子を搾る。



62-14 さつまいものメープルバター蒸しパン

 エネルギー : 170 kcal
 塩分 : 0.30 g
 調理時間 : 35分

 講師: 松本 朱希子



(120mlのアルミ箔(はく)のプリン型6コ分。紙コップやマフィン型でもよい。)

 【さつまいものメープルバター】 
  ・さつまいも 150g
  ・塩 少々
  ・バター (食塩不使用)  5g
  ・メープルシロップ 大さじ1+1/2

 【生地】 
  ・溶き卵 1/2コ分
  ・三温糖 (または砂糖)  40g
  ・牛乳 大さじ6
  ・溶かしバター (食塩不使用)  10g
  ・薄力粉 100g
  ・ベーキングパウダー 大さじ1/2
*エネルギーは1コ分  
*塩分は1コ分 




つくる前にしておくこと 
薄力粉とベーキングパウダーは合わせて2回ふるっておく。 
型に紙カップを敷く。アルミ箔のプリン型に、耐油・加熱可の紙カップを敷く。 
ポイント: ">紙カップを敷いておくと、型から取り出しやすい。 
    


【さつまいものメープルバター】をつくる
  簡易蒸し器をつくる。鍋(深さ13cm以上)にさらしか布巾を敷き、約4cm高さの耐熱容器を置く。容器がかぶるくらいの水を注いで耐熱皿をのせ、水でぬらして堅く絞ったさらしか布巾でピッチリと包んだふたをし、強火にかける。
  さつまいもはよく洗って皮付きのまま3〜4cm厚さに切る。サッと水にさらして水けをきり、塩をまぶす。蒸気の上がった に入れて強火で蒸す。竹串を刺してスッと通ったら取り出す。粗熱を取り、1.5cm角くらいに切る。
  フライパンにバターを中火で溶かし、 を入れて軽く炒める。バターがなじんだらメープルシロップを加え、水分をとばしながらからめる。全体によくからまって、ほんのり焼き色がついたら取り出す。
【生地】をつくる
  ボウルに卵を入れて泡立て器で軽く混ぜ、三温糖を加えて白っぽくなるまで混ぜる。
   のボウルに牛乳、溶かしバターを順に加えながら混ぜる。
   にふるっておいた粉類を加え、ゴムべらで底から返し、粉っぽさがなくなるまでサックリと切るように混ぜる。
   をトッピング用に少量取り置き、 に加えてゴムべらでサックリと混ぜる。
蒸す
  型の八分目まで を入れ、トッピング用に取り置いた を【生地】の上に散らす。
   と同様に簡易蒸し器を準備して強火にかける。蒸気が上がったら弱火にし、 を並べて強火で15分間ほど蒸す。竹串を刺して生っぽい【生地】がつかなければでき上がり。火を止めて蒸し器から取り出し、紙カップごとアルミ箔の型から出して網にのせ、粗熱を取る。
 ポイント: 蒸しパンが熱いので、取り出すときはやけどに注意。オーブンミトンなどを使うとよい。



62-15  クリスマスリースチキン

パリパリに焼いた鶏肉に、アンチョビ風味のほうれんそうソースと一緒にいただきます。


  エネルギー : 340 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : 1.50 g (塩分は1人分)
  調理時間 : 18分

 講師: 平野 レミ


(4人分)
・鶏もも肉 2枚(約500g)
・ほうれんそう 150g

 【A】 
  ・にんにく 1/2かけ
  ・オリーブ油 カップ1/4
  ・アンチョビ (ペースト/チューブタイプ)  15g
  ・粉チーズ 大さじ2
  ・黒こしょう (粗びき)  小さじ1/2
・ベビーリーフ 適量
・パプリカ (赤)  適宜
・ピンクペッパー (粒)  適宜
・塩 
・こしょう 少々
 
    

  鶏肉は塩・こしょう各少々をふる。表面加工のしてあるフライパンを熱し、鶏肉を皮側を下にして並べる。アルミ箔(はく)で覆い、上から鍋などでおもしをして弱めの中火で10分間焼く。おもしを外し、脂を拭いて鶏肉を返し、ふたをせずに3分間焼く。
ポイント: おもしをのせて、皮をパリッと焼き上げる。
  鍋に湯を沸かし、塩適量を加えてほうれんそうを5分間ゆで、冷水にとって水けを絞る。
   と【A】をフードプロセッサーにかけてなめらかなペースト状にする。
  ポリ袋に を入れて角を三角に切り、皿にリース状に絞る。ベビーリーフと、好みで星形に抜いたパプリカやピンクペッパーをのせる。中央に食べやすく切った鶏肉を盛る。