59-1 栗の渋皮煮

ゆっくり煮含めた栗(くり)は、渋皮の風味も加わって格別の味です!


 エネルギー : 3170 kcal
 塩分 : 3.90 g
 調理時間 : 165分

 講師: 野口 日出子



(つくりやすい分量)
・くり 1kg
・重曹 小さじ2

 【A】 
  ・砂糖 450g
  ・しょうゆ 大さじ1+1/2
  ・みりん 大さじ1
・ぎんなん (塩ゆでしたもの)  適宜

くりを水に浸す時間、冷ます時間は除く。 
*エネルギーは全量 
*塩分は全量 
    


  くりはたっぷりの水に3時間ほど浸し(急ぐときは熱湯に1時間ほど浸す)、底の部分の鬼皮を少し削り取る。
ポイント: 水に浸すことで、皮が柔らかくなる。渋皮まで削らないよう注意。
  鍋に を入れてヒタヒタの水を加え、火にかける。沸騰したら火から下ろし、人肌程度に冷めたら、 で削り取ったところを手がかりに、渋皮を傷つけないようにしながら、小さめの包丁で鬼皮をむく。
  鍋に を入れてヒタヒタの水と重曹を加える。差し水をしながら、竹串が通るくらい柔らかくなるまで40〜50分間ゆでる。
   を水にとり、渋皮に残っている筋を竹串で取る。
   を鍋に入れてヒタヒタの水を加えて火にかけ、2回ゆでこぼす。
  くりを清潔な針で数か所つつき、穴をあけて味のしみをよくする。
   を鍋に入れてヒタヒタの水を加え、火にかける。沸騰したら中火にし、【A】の砂糖の1/3量を加えてオーブン用の紙で落としぶたをする。残りの砂糖を2回に分けて加えながら、40分間ほど煮含める。
  残りの【A】を加え、色よく仕上げる。器に盛り、好みでぎんなんを松の葉に刺してあしらう。
ポイント: しょうゆとみりんを加えたあと、そのまま数日間おくと味がよくしみ込む。

【保存】
熱湯消毒した保存瓶に、煮汁に浸った状態になるよう詰め、冷蔵庫で3〜4か月間保存可能。



59-2  鶏のチーズこがね焼き

卵黄を塗ったチーズと鶏肉が一体化した、コクのある味わいです。みぞれだれをかけると、さっぱりとした口当たりに変化します!冷めてもおいしい一品です。


  エネルギー : 480 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : 3.80 g (塩分は1人分)
  調理時間 : 20分

 講師: 田村 隆


(2〜3人分)
・鶏もも肉 (皮付き)  1枚(350g)

 【下味】 
  ・みりん 大さじ1
  ・しょうゆ 大さじ1
・スライスチーズ 8枚
・卵黄 2コ分

 【みぞれだれ】 
  ・大根おろし (汁けを軽く絞る)  150g
  *辛い場合は、洗って辛みをとる。 
  ・だし 大さじ3
  ・しょうゆ 大さじ1+2/3
  ・レモン汁 大さじ1+1/3
  ・しょうが (すりおろす)  小さじ1(約4g)
  ・あさつき (小口切り)  15g
・レタス 適量
 
    

  鶏肉は身の厚いところをそいで均一にし、包丁でまんべんなくたたいて均等に薄くする。
ポイント: 皮を切らないように気をつけながら、繊維を断ち切るようにたたく。
  【下味】の材料を混ぜ、 の皮側を上にして浸す。裏返して両面を浸す。表面加工のしてあるフライパンに皮側を下にして入れ、弱めの中火にかけ、ふたをして焼く。こんがりと焼き色がついてパリッとしたら裏返してふたをし、中火で5〜6分間蒸し焼きにする。
ポイント: 鶏肉から出た脂と水分で、風味よく蒸し焼きにする。
  鶏肉の中央に竹串を刺してスッと通ったら、ふたを取ってフライパンを揺らし、水分をとばす。肉を再度裏返し、フライパンの底をぬれ布巾にのせて粗熱を取る。
  鶏肉の上にチーズ4枚を並べ、その上に残り4枚を重ねて並べる。
   を中火にかけ、溶いた卵黄の約1/3量をチーズの上にはけで塗り、ふたをして焼く。
  卵黄が落ち着いたら、残りの卵黄の半量を重ねて塗り、ふたをして焼く。残りの卵黄も同様にする。
  卵黄が落ち着いたら火から下ろし、フライパンの底をぬれ布巾にのせて粗熱を取る。チーズが落ち着いたら、食べやすい大きさに切る。レタスを敷いた器に盛り、【みぞれだれ】の材料を混ぜて添える。



59-3 里芋と鶏肉の豆乳煮

白みそと豆乳を里芋にやさしくしみ込ませます。加熱する前に里芋のぬめりを取ることがいちばんのコツ!


 エネルギー : 560 kcal
 塩分 : 2.60 g
 調理時間 : 25分

 講師: 大原 千鶴



(2人分)
・里芋 (小)  10コ(700g)
・鶏もも肉 (皮付き)  1枚(300g)
・だし カップ1+1/2
・白みそ 大さじ2
・豆乳 (調製)  カップ1/4
・柚子(ゆず)こしょう 少々
・一味とうがらし 少々
・塩 
・こしょう 少々
・かたくり粉 大さじ1
・ごま油 (白)  大さじ1/2

*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 
    


  里芋は「うす味をしみ込ませるときは(全体備考参照)」を参考に、下処理をする。
  鶏肉は一口大に切り、塩・こしょう各少々をふり、かたくり粉大さじ1を全体にまぶす。フライパンにごま油大さじ1/2を中火で熱し、鶏肉を入れて皮側から焼き、両面に焼き色がついたら、油をきる。
  鍋にだしと を入れて中火にかける。沸騰したら、白みそを溶き入れ、塩小さじ1/4、 を加えて弱火にする。コトコトと約5分間煮て、豆乳を加える。器に盛り、柚子こしょうと一味とうがらしを添える。

【里芋のおいしい下ごしらえ】
●うす味をしみ込ませるときは、ぬめりをしっかり取って、味がしみ込むようにする。
里芋は生のまま皮をむき、塩少々でもむ。水で洗い流し、表面のぬめりを取る。鍋に里芋を入れ、かぶるくらいの水を注ぎ、中火にかける。竹串がスッと通るまでゆで、水にとってぬめりを洗い落とし、ざるに上げる。
●濃い味をからめるときは、皮ごとゆでて、適度にぬめりを生かす。
里芋は泥を洗い落とし、皮ごと鍋に入れる。かぶるくらいの水を加えて中火にかけ、竹串がスッと通るまでゆでる。熱いうちに紙タオルなどを使って皮をむく。



59-4 塩キャラメルシュークリーム

カリッと焼き上げたシューにカスタードと、塩をきかせてほんのり大人味のキャラメルクリームを詰めて、さらに香り高く仕上げました。


 エネルギー : 430 kcal
 塩分 : 0.30 g
 調理時間 : 70分

 講師: 辻口 博啓



(6コ分)

 【塩キャラメルクリーム】 
  ・生クリーム (乳脂肪分35%)  270g
  ・バニラビーンズ 1/8本分
  ・グラニュー糖 120g
  ・粗塩 1つまみ

 【シュー生地】 
  ・水 70g
  ・バター (食塩不使用)  30g
  ・粗塩 1g
  ・グラニュー糖 2g
  ・薄力粉 45g
  ・卵 75g

 【水溶き卵黄】 
  ・卵黄 適量
  ・水 適量
・アーモンドダイス 適量
*味つきでないアーモンドを細かく刻んだもの。 

 【カスタードクリーム】 
  ・牛乳 200g
  ・バニラビーンズ 1/5本
  ・卵黄 40g
  ・グラニュー糖 30g
  ・薄力粉 15g
  ・バター (食塩不使用)  10g
・バター (食塩不使用/天板用)  適量
・強力粉 (天板用)  適量
・粉砂糖 適量

塩キャラメルクリームを休ませる時間、カスタードクリームを冷やす時間は除く。 
*エネルギーは1コ分 
*塩分は1コ分 




 
【シュー生地】用の卵、【カスタードクリーム】用のバターは常温に戻しておく。 
【シュー生地】用と【カスタードクリーム】用の薄力粉は、それぞれふるう。 
【シュー生地】用の絞り出し袋には直径15mmの丸形口金を、【カスタードクリーム】用には直径10mmの丸形口金を、【塩キャラメルクリーム】用には直径8mm(8切り込み入り)の星形口金をつけておく。 
天板にバターを薄く塗る。直径5〜6cmの円形の抜き型などに強力粉をつけ、天板に間隔をあけて印をつける。 
オーブンは【シュー生地】を焼く前に200℃に温めておく。 
    


【塩キャラメルクリーム】をつくる
  バニラビーンズは切り目を入れてさやを開き、ナイフの背で中の種をしごき出す。
  小鍋に生クリームとバニラビーンズの種とさやを入れ、中火にかける。沸騰したら火を止めておく。
  別鍋でグラニュー糖を中火にかけ、濃いきつね色になるまで煮詰める。 を少しずつ注ぎながら混ぜる。熱いのでやけどに注意。
  粗塩を加えて溶かし、火から下ろす。ボウルに裏ごし器を重ねてのせ、 をこす。
  ボウルの底を氷水に当て、ゴムべらで混ぜながら完全に冷ます。
  ラップをして冷蔵庫に入れ、一晩おく。一晩おくことで泡立ちやすく、分離しにくくなる。
【シュー生地】をつくる
  鍋に水、バター、粗塩、グラニュー糖を入れ、中火にかける。沸騰したら火を止め、すぐに薄力粉を加え、泡立て器で手早く混ぜる。
ポイント: 沸騰した液体に粉を入れることで粘りが出て、焼いたときに生地がふくらむ。
  粉っぽさがなくなったら木べらにかえ、再び中火にかけ、鍋底で生地を転がすように混ぜる。生地がまとまって、底に薄い膜が張るのが目安。
ポイント: ここで再度火を入れることでより粘りが出る。
   をボウルに移し、溶きほぐした卵を少しずつ加える。そのつどなめらかになるまで、木べらで混ぜる。最初はツルツルして混ぜにくいが、しだいになじんでくる。
  卵は調節しながら加える。生地をすくうと粘りながらゆっくり落ち、木べらに残った生地が逆三角形になるくらいがちょうどよい堅さ。
  準備した【シュー生地】用の絞り出し袋に を入れる。印をつけた天板に、直径5〜6cmに絞り出す。
  【水溶き卵黄】をはけで表面に塗る。上をフォークで軽く押し、アーモンドダイスをのせやすくする。
  アーモンドダイスをのせ、200℃のオーブンで、30〜35分間焼く。網などにのせて冷ます。
ポイント: 途中でオーブンを開けると生地がふくらまなくなるので注意。
【カスタードクリーム】をつくる
  バニラビーンズは と同様にする。鍋に牛乳とバニラビーンズを入れ、中火で沸騰直前まで温める。
  ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜ、薄力粉を加えて混ぜ合わせる。
   の半量を加えてムラなく混ぜる。 の鍋に戻し入れ、強火にかける。
  泡立て器で絶えず混ぜながら加熱する。とろみがついてつやが出て、手ごたえがスッと軽くなるのができ上がりの目安。
  火を止めてバターを加える。バターが完全に溶けてなじむまで、手早く混ぜて風味をつける。
  ボウルにこし器を重ね、 をこす。すぐにボウルの底を氷水に当て、ゴムべらで混ぜて完全に冷ます。
  氷水を外し、表面が乾燥しないようにラップを密着させ、冷蔵庫に15分間ほどおく。
仕上げ
  シューの上1/3を切り離す。【カスタードクリーム】はなめらかにほぐし、準備した絞り出し袋に入れる。
  【塩キャラメルクリーム】はボウルの底を氷水に当ててツノが立つまで泡立て、準備した絞り出し袋に入れる。
  シューの下部分に の【カスタードクリーム】を絞る。その上に、 の【塩キャラメルクリーム】を周囲から中心に向かって絞る。切り離したシューの上部分に粉砂糖をふってのせる。



59-5  野菜たっぷり!焼きビーフン&麺

ビーフンの軽さと中華麺の食べごたえを一度に味わえる一品です!


  エネルギー : 330 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : 1.40 g (塩分は1人分)
  調理時間 : 15分

 講師: 程 一彦


(4人分)
・即席ビーフン 2袋(140g)
*湯戻し不要のもの。 
・中華麺 (焼きそば用/蒸し)  1玉(150g)

 【A】 
  ・生しいたけ 1枚
  ・ピーマン (大)  1コ(50g)
  ・パプリカ (赤)  1/2コ(50g)
  ・にんじん 4cm(50g)
  ・たまねぎ (大)  1/2コ(150g)
・ベーコン (薄切り)  3枚(30g)
・むきえび (大)  8匹(60g)
・紹興酒 小さじ1
*酒でもよい。 
・にんにく 1かけ
・もやし 1袋(200g)
*ひげ根がないもやしがおすすめ。 
・スープ カップ2
*顆粒(かりゅう)チキンスープの素(もと)(中国風)を表示どおりに湯で溶いたもの。 
・香菜(シャンツァイ) 適宜
・サラダ油 大さじ1
・ごま油 小さじ1
・塩 少々
・こしょう 少々
 
    

  しいたけは軸を除き、ピーマン、パプリカはヘタと種を除く。【A】の野菜をそれぞれ繊維に沿ってせん切りにする。ベーコンは1cm幅に切る。えびは背ワタがあれば取り除き、ボウルに入れて紹興酒をふる。にんにくは包丁の腹でたたく。
ポイント: 繊維に沿って切ることで、シャキシャキとした歯ざわりが味わえる。
  フライパンにサラダ油大さじ1、にんにくを入れ、中火で熱する。香りがたったら、にんじん、ベーコン、水大さじ2を加え、軽く炒めてふたをする。にんじんが少ししんなりしたら、たまねぎを加えて炒め、ふたをする。たまねぎがしんなりしたら、しいたけ、もやし、水大さじ2を加え、ふたをして1分間蒸し炒めにする。
  即席ビーフン、スープを加えてふたをし、2分間蒸し炒めにする。
  えび、中華麺を加えて炒める(中華麺は袋の口をあけ、水少々を加えて袋の上からもんで麺をほぐして加える)。ピーマン、パプリカを加え、ごま油小さじ1、塩・こしょう各少々で味を調える。器に盛り、好みで香菜を散らす。
ポイント: ピーマン、パプリカは最後に加えて、色鮮やかに。



59-6  さんままるごと土鍋ご飯

さんまを香ばしく焼き上げ、土鍋で炊きました。お好みでワタソースを添えれば一段と風味が増します。


  エネルギー : 400 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : 1.40 g (塩分は1人分)
  調理時間 : 30分 (米をざるに上げておく時間、 ご飯を蒸らす時間、 さんまの粗熱を取る時間は除く。)

 講師: 小林 まさる


(4〜6人分)
・さんま 2匹(約400g)
・米 540ml(3合)

 【A】 
  ・だし カップ3
  ・酒 大さじ2
  ・しょうゆ 小さじ2
  ・塩 小さじ1/3
・しょうが (せん切り)  20g
・細ねぎ (小口切り)  5〜6本分
・塩 
・酒 小さじ1
 
    

  米は洗ってざるに上げ、30分間おく。
  さんまは、包丁の刃先でウロコを取り、水で洗って紙タオルで水けを拭く。胸ビレのつけ根に包丁を入れて頭を切り落とし、次いで尾も落とす。背ビレに沿って浅く切り込みを入れ、長さを半分に切る。
ポイント: 切り込みを入れることで、中骨、腹ワタが取りやすくなる。
  バットに塩小さじ1/2をふり、 を並べる。同量の塩をふり、魚焼きグリルで焼く。両面グリルで8〜9分間、片面グリルは5〜6分間焼いたら裏返し、3〜4分間焼く。
  さんまの粗熱が取れたら、中骨を持ち、尾のほうに引いて取り除き、身を開く。腹ワタはスプーンですくい、ボウルに移す。腹骨は丁寧に取る。
ポイント: ほんのり温かい状態だと中骨、腹ワタを取りやすい。
  土鍋に と【A】を入れて混ぜ、しょうがを散らし、さんまを元の形に戻してのせる。ふたに蒸気抜きの穴がある場合はアルミ箔(はく)で塞いで中火にかけ、沸騰したら弱火にして12分間炊く。仕上げに20〜30秒間強火にし、火を止めて10分間蒸らす。
ポイント: 蒸気抜きの穴を塞ぐことで蒸気を逃がさず、ふっくら炊き上がる。
   の腹ワタはざるでこし、酒小さじ1を混ぜる。ラップをかけて電子レンジ(600W)に30秒間かけ、ワタソースをつくる。 に細ねぎを散らし、全体を混ぜて茶碗(わん)によそい、好みでワタソースを添える。



59-7 すずきのしゃこえび包みキャビア添え

淡泊なすずきに、しゃこえび(手長えび)とキャビアの濃厚なうまみを添え、香り豊かなソースで仕上げています。


 エネルギー :
-
 塩分 :
-
 調理時間 :

 講師: ジョエル・ロビュション




・すずき 
・しゃこえび 
*手長えび。 
・バター 
*溶かしたもの。 
・たまねぎ 
・フヌイユ(フェンネル) 
・塩 
・フュメドポアソン 
*すずきのアラでとっただし。 
・八角 
・クミンシード 
・サフラン 
・生クリーム 
・バター 
・イクラ 
・キャビア 
・セルフィーユ 
・アメリケーヌソース 
*しゃこえびの頭でつくったもの。 
・シブレット 




 
    


  薄切りにしたすずきをだ円形に抜いたものを大小2枚ずつつくり、しゃこえびを小さいほうのすずきの中央にのせる。大きいすずきの身をしゃこえびの上から重ねて押さえ、溶かしバターを塗る。ラップで包んでラグビーボール状に整え、蒸し器で蒸す。
  鍋にバターを溶かし、刻んだたまねぎ、フヌイユ(フェンネル)、塩を入れ、焦げないように混ぜて煮る。さらに、フュメドポアソン(すずきのアラでとっただし)、八角、クミンシード、サフランなどを加える。煮立ったら生クリームを加えて煮詰め、さらに生クリームを加えて泡立て器で混ぜ、こし器でこす。バターを加える。
  すずきを皿に盛り、ソースにイクラを加えて混ぜ、たっぷりとかける。キャビアをのせてセルフィーユをあしらう。ソースの外側にアメリケーヌソース(しゃこえびの頭でつくったもの)で細く縁どりし、刻んだシブレットを散らす。

※このレシピは、昭和60年4月26日に放送されたものです。



59-8 ライ麦パン

サワー種の代わりにヨーグルトを使用し一次発酵も冷蔵庫で心配不要など、家庭でもつくりやすい工夫がいっぱいのライ麦パンです!かむほどに深い味わいが楽しめ、毎日食べたくなります。


 エネルギー : 570 kcal
 塩分 : 3.00 g
 調理時間 : 70分

 講師: 伊原 靖友



(長径約16cm2コ分)
・強力粉 150g
・ライ麦粉 150g
*ライ麦をひいたライ麦全粒粉を使用。 
・プレーンヨーグルト (無糖)  60g
・きび糖 9g
・塩 6g
・インスタントドライイースト 0.9g
*パンを発酵させる役目を果たす乾燥酵母。 
・水 150g
・強力粉 
*打ち粉 

一次、二次、仕上げ発酵の時間は除く。 
*エネルギーは1コ分 
*塩分は1コ分 




 
    


計量して混ぜる
  26℃に調整した水をボウルに入れ、イーストを全面にふり入れて20〜30秒間おいてからやさしく混ぜ、ヨーグルトを加えて混ぜる。
  別のボウルに、強力粉、ライ麦粉、きび糖、塩を入れ、泡立て器で空気を含ませるように混ぜる。
ポイント: 生地の温度は26℃前後が理想。水だけでなく、ほかの材料も26℃前後に調整しておくのがおすすめ。寒い時季は、蒸しタオルでボウルの底や側面を温めるといい。
   を移し入れ、カードで手早く全体を混ぜ合わせ、作業台に取り出す。
こねる
  カードの直線側で生地を奥からすくって、手前にかぶせ、あいている手で上から押す。これをくり返す。
  生地がまとまってきたら、手でこねる。生地を奥から手前に折りたたみ、上から押さえて、奥へ押し出す。生地の向きを90度ずつ変えながら、合計で300回こねる。
ポイント: 時間の目安は10〜15分間。急がず、ゆっくり回数を重ねるほうが、パンのむっちりした食感を生み出すグルテンの網目状の組織が細かく、丈夫になる。こねている途中で、生地の温度を2〜3回測る。26℃±2℃が理想。
一次発酵
  生地をだ円形にまとめ、ふた付きの半透明の容器に移し、表面をこぶしでならす。生地の高さに合わせて輪ゴムを容器にはめ、その2倍の高さの位置にも輪ゴムをはめる。乾燥防止のために厚手のポリ袋をかぶせてからふたを閉め、室温で2時間おいた後、冷蔵庫で約12時間発酵させる。
ポイント: 輪ゴムが発酵の目安に。
分割、ガス抜き
  高い位置の輪ゴムまでふくらんだら(約2倍)、作業台の上に取り出し、スケッパーで等分に分ける。
ポイント: 約2倍にふくらんでいなかったら、冷蔵庫から取り出し、そのままふくらむまで待つ。
  生地を奥から手前に折りたたみ、上からゆっくり押さえる。10回くり返し、とじ目を下にして丸める。
二次発酵
  オーブン用の紙の上に、 をとじ目を下にして並べ、厚手のポリ袋をかけて、室温におく。
成形、仕上げ発酵
  生地に温度計を挿し、20℃になったら取り出し、強力粉少々をふった作業台に、上にしていた側を下にして置く。四方から軽く折りたたんで返し、手のひらでだ円状に整える。2つに折って、縁を軽く押さえて閉じ、転がして紡錘(ぼうすい)形にする。とじ目を下にして、板の上に敷いたオーブン用の紙に並べる。
  ポリ袋で覆い、あれば保温シートをかぶせて生地が22〜23℃になるまでおく。
ポイント: 22〜25℃の室温で約40分間が目安。
  仕上げ発酵の間に、オーブンの用意をする。ピザストーンとグリルストーンをセットし(全体備考参照)、オーブンの最高温度(約250〜280℃)で30分間以上予熱する。湯を沸かしておく。
焼く
  生地の温度が22〜23℃になったら、ブレッドナイフ(またはかみそり)の刃を垂直に当てて、1.5cm深さの切り込み2本を斜めにずらして入れる。
   のオーブンの電源を切ってファンを止め、上段のピザストーンの上に、 の板からオーブン用の紙ごとすべらせるようにして移す。すぐに、グリルストーンの手前側に熱湯80mlを一気に注いで、オーブンのドアを閉める。3〜5分間後電源を入れて220℃に設定し、生地に焼き色がつくまで焼く。
ポイント: 高温のスチームを当てた状態になり、しっかりふくらむ。焼き上がりまでの目安は、30分間。

●ライ麦粉●
食料品店やインターネットで購入できる。購入の際はできるだけ新しいものを。
●インスタントドライイースト●
予備発酵不要で、糖分の少ないパン用のタイプ(パッケージに、低糖用などと記載されているもの)を使用。
【必要な道具】
今回のパンづくりに必要な主な道具です。ほかに、生地や水温を測る温度計、生地をまとめるカードやスケッパー、作業台なども。
●はかり●
計量に不可欠。イーストなどを正確に量るには、0.1g単位の高精度で量れる微量計がおすすめ。
●ピザストーン、グリルストーン(小石形状)●
家庭用のオーブンでも、工夫次第で高温短時間焼成が可能に。伊原さんが考案したのは、オーブン下段の天板にグリルストーンを敷き、上段のパンをのせる天板にピザストーンをセットする方法。下段の天板は丸めたアルミ箔(はく)で手前を持ち上げておき、十分予熱してから、グリルストーンに熱湯を注いで高い温度の蒸気をオーブン庫内に一気に充満させる。ピザストーン、グリルストーンはインターネットなどで(オーブンのサイズを要確認)購入できる。
★ライ麦パンの2大ポイント★
【ポイント1】計量も温度も正確に!
分量や生地の温度が違うだけで、焼き上がりの風味や食感はもちろん、工程にかかる時間も変わってしまう。正確な計量と温度計測は、失敗しないパンづくりへの第一歩。
【ポイント2】発酵がおいしさを生む。
発酵の目的はパンをふくらませること、そして、生地を熟成させること。きちんと熟成させることで、程よい弾力、香りやうまみをもつパンに。



59-9 豚のジンジャー焼き

しょうがの代わりにジンジャーエールを使うことでひとり分手軽につくれます!程よい甘みと風味が加わった一品です。


 エネルギー : 610 kcal
 塩分 : 1.90 g
 調理時間 : 15分

 講師: 斉藤 辰夫



(1人分)
・豚バラ肉 (薄切り)  130g

 【A】 
  ・ジンジャーエール 80ml
  ・しょうゆ 小さじ2
・キャベツ (せん切り)  1枚分
・ミニトマト (ヘタを取る)  3コ
・かたくり粉 小さじ1
・サラダ油 小さじ1

*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 




 
    


  豚肉は食べやすい大きさに切り、【A】をもみ込んで1〜2分間おく。
   の汁けをきり(つけ汁は取っておく)、かたくり粉小さじ1をふりかけてもみ込む。
  フライパンにサラダ油小さじ1を中火で熱し、豚肉を入れる。両面を香ばしく焼いて のつけ汁を加え、豚肉にからめながら、汁けがほぼなくなるまで焼く。器に盛り、キャベツとミニトマトを添える。

【ひとり分ポイント!】
しょうがをすらずに深みのある味に。
※このレシピは、2015/09/10に放送したものです。



59-10 里芋の煮っころがし

草花に冷たい露が宿る、寒露の候。日をおかぬとれたての芋は、ツルリと皮がむけます。芋だけを味わって、食べるおいしさは格別です。


 エネルギー : 500 kcal
 塩分 : 5.20 g
 調理時間 : 40分

 講師: 土井 善晴



(つくりやすい分量)
・里芋 (中)  7〜8コ(500g)

 【A】 
  ・水 カップ2
  ・酒 カップ1/2
  ・砂糖 大さじ2
・サラダ油 大さじ1
・しょうゆ 大さじ2

*エネルギーは全量 
*塩分は全量 




 
    


  里芋は目の粗いスポンジでこすって皮をむき(残るようだったら包丁でこそげる)、なり口を切る。
ポイント: 鮮度がよいものは、スポンジでこするだけですぐにむける。
  鍋にサラダ油大さじ1を熱して里芋を炒め、油となじませる。
  鍋に【A】の水と酒を入れ、沸騰したら砂糖を加える。
  落としぶたをして、中火で10分間ほど煮たらしょうゆ大さじ2を加え、さらに8分間ほど煮る。
  竹串を刺してみて柔らかく煮えていたら強火にし、煮汁を煮詰めていく。煮汁がトロリとしたら、からめながら仕上げる。



59-11 きのこちまき

新米のもち米と、秋の味覚のきのこたっぷりのやさしいお味です。ばぁばの子育て中によくつくった人気の一品。


 エネルギー : 2690 kcal
 塩分 : 12.60 g
 調理時間 : 25分

 講師: 鈴木 登紀子



(つくりやすい分量)
・もち米 600ml(カップ3)
・豚ロース肉 (塊)  100g
・干ししいたけ 6枚
*サッと洗って水につけ、十分に戻しておく。 
・しめじ 50g
・エリンギ 50g
・ぎんなん 20コ
・固形チキンスープの素(もと) (洋風)  1コ

 【A】 
  ・酒 大さじ3
  ・砂糖 小さじ2
  ・しょうゆ 大さじ3
  ・塩 小さじ1/2
・塩 少々
・サラダ油 

もち米を水につける時間、干ししいたけを戻す時間、ちまきを蒸す時間は除く。 
*エネルギーは全量 
*塩分は全量 




 
    


  もち米はボウルで受けたざるに入れ、流水の下で両手でやさしくもむように洗う。水が澄んだら、水につけて30分間おいて水けをよくきる。
  豚肉は1.5cm角に切る。しいたけは軸を除いて水けを絞り、1cm角に切る。しめじは小房に分けて根元を除き、長さを3等分に切る。エリンギは根元を除いて1cm角に切る。ぎんなんは、包丁の背でたたいて殻を割って除き、小鍋に入れてヒタヒタの水、塩少々を加えて火にかける。ゆでながら穴あき玉じゃくしを当てて転がし、薄皮をむく。取り出して横半分に切る。
  ボウルにぬるま湯カップ2+1/2を入れ、固形スープの素をくずしながら加えてよく混ぜる。【A】を加え、さらに混ぜる。
  中華鍋(または大きめのフライパン)を中火で熱し、サラダ油大さじ1+1/2を鍋肌によくなじませる。豚肉を軽く炒め、色が変わったら、しいたけ、しめじ、エリンギを加えてサッと炒める。 を加えて強火にし、煮立ったらアクを除いて火を止め、ざるでこしてスープと具を別々のボウルに分ける。
  中華鍋をサッと洗って再び火にかけ、サラダ油大さじ1+2/2をなじませる。 のもち米を弱めの中火でよく炒め、 のスープを加えて強火にする。煮立ったら強めの中火にしてよく混ぜ、汁けがほとんどなくなったら の具を戻し入れる。ぎんなんも加えてよく混ぜ、火を止める。
ポイント: 炒めたもち米に、うまみの詰まったスープを十分に吸わせるのがコツです。
  30cm四方に切ったアルミ箔(はく)を3枚用意し、 を3等分してのせる。アルミ箔の手前と向こう側の端を合わせて持ち上げ、2、3回トントンと台に落として形を落ち着かせ、合わせ目を向こう側へ折りたたむ。左右の端は三角に折り込む。3つとも同様にし、蒸気の上がった蒸し器に並べ、30分間蒸す。

冷めてもおいしいので、アルミ箔に包んだまま行楽に持っていっても。多めにつくって冷凍しておいてもよいですよ。



59-12 こんにゃくとかぶの豆乳みそあえ

ゆでてからいったこんにゃくは、歯切れがよく、香ばしさも抜群です。まろやかな味わいの豆乳と白みその地、柔らかなかぶが、こんにゃくの魅力を引き立てます。


 エネルギー : 70 kcal
 塩分 : 1.90 g
 調理時間 : 25分

 講師: 中東 久人



(2人分)
・こんにゃく 40g
・かぶ (小)  1/2コ(60g)
・生しいたけ 1枚

 【A】 
  ・しょうゆ 大さじ1
  ・みりん 大さじ1
  ・酒 小さじ1

 【B】 
  ・豆乳 (無調整)  大さじ4
  ・白みそ 20g
・柚子(ゆず)の皮 (細いせん切り)  少々(2g)

粗熱を取る時間は除く。 
*エネルギーは1人分 
*塩分は1人分 




 
    


  かぶは皮を厚めにむき、1cm角に切る。しいたけは軸を除き、1cm角に切る。
  こんにゃくは1cm角に切る。鍋に湯を沸かしてこんにゃくをゆで、浮いてきたらざるにとって冷まし、水けをきる。
  【A】を混ぜ合わせる。表面加工のしてあるフライパンに のこんにゃくを入れ、中火でいりつける。フライパンを火から外して、底をぬれ布巾に当てて少し冷ます。【A】を加えて再度中火にかけ、水けがなくなるまでいりつける。
ポイント: 熱々のフライパンに調味料を入れると、一瞬で沸いて焦げついてしまうので、いったん熱を冷ます。
  【B】をよく混ぜ合わせて鍋に入れ、 のかぶとしいたけを加えて中火にかける。煮立ったら弱火にし、鍋縁が焦げつかないように静かに混ぜながら煮詰める。
   のかぶが柔らかくなったら火を止め、粗熱を取る。 のこんにゃくを加えてサッとあえて器に盛り、柚子の皮をのせる。