48-1  五目炊き込みご飯

具の煮汁でご飯を炊いて、最後に具を混ぜると、ご飯が水っぽくならず、具も堅くなりません。


  エネルギー : 460 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 70分 (干ししいたけを戻す時間、 米をだしにつけておく時間、 煮汁を冷ます時間は除く。)

 講師: 清水 信子


(2〜3人分)
・米 360ml(2合)
・だし カップ1

 【具】 
  ・干ししいたけ 2〜3枚(12g)
  ・鶏むね肉 80〜100g
  ・こんにゃく 1/4枚(60g)
  ・ごぼう 1/4本(60g)
  ・にんじん 1/3本(60g)
  ・だし 適量

 【A】 
  ・きび糖 大さじ1
  *または砂糖。 
  ・酒 大さじ1
  ・しょうゆ 大さじ1
・みつば 適量
・酒 大さじ2
・塩 小さじ1
 
    

  干ししいたけはサッと洗ってポリ袋に入れ、しいたけがやっとかぶるくらいの水を入れる。軽く口を閉じ、冷蔵庫に一晩おいて柔らかく戻す。戻し汁はとっておく。
  米は洗って水けをきり、炊飯器に入れる。だしを注ぎ、1時間ほどおく。
ポイント: あとから【具】の煮汁とだしで水加減をするので、ここでは米が浸る程度にだしを入れて浸水させる。
  鶏肉は小さめのそぎ切りにする。干ししいたけは軸を取り、薄切りにする。こんにゃくは2cm長さ、1cm幅の短冊形に切って水からゆで、煮立って2〜3分間したらざるに上げる。ごぼうはささがきにして水に浸し、水けをきる。にんじんはこんにゃくと同様の短冊形に切る。
   の戻し汁とだしを合わせてカップ1+1/3にし、鍋に入れて中火にかける。鶏肉以外の の【具】を入れ、煮立ったら火を弱めて3〜4分間煮て、【A】を加える。さらに4〜5分間煮てしょうゆを加え、野菜が柔らかくなったら、鶏肉を加えて火を通す。
  ボウルの上にざるを重ねて をあけ、【具】と煮汁に分ける。煮汁は粗熱が取れるまで冷ます。
ポイント: 【具】は堅くなるので一緒に炊き込まず、うまみの出た煮汁だけを利用してご飯を炊く。
   の炊飯器に の煮汁を注ぎ、酒大さじ2、塩小さじ1を入れて混ぜ、塩を溶かす。2合の目盛りに足りなければだし(分量外)を適宜足し、味見をする。
ポイント: すまし汁よりやや濃いくらいの味加減を目安に。
   を普通に炊き、炊き上がったら手早く混ぜ、 の【具】を混ぜる。茶碗(わん)によそい、刻んだみつばを散らす。

【目指すポイント】
米の芯まで味をしみ込ませ、具はしっとりと。
【酒を入れて炊くと、ふっくら!】
炊き込みご飯を炊くときは、酒を少量加えるのがコツ。これでお米に芯が残らず、ふっくらと炊き上がります。



48-1a  里芋の煮っころがし

里芋の余分な水分が、蒸してから煮ることで抜け、煮汁をよく吸っておいしく仕上がります。


  エネルギー : 100 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 35分 (粗熱を取る時間は除く。)

 講師: 清水 信子


(2人分)
・里芋 200g

 【煮汁】 
  ・だし カップ2/3
  ・きび糖 大さじ1+1/4
  *または砂糖。 
  ・酒 大さじ1
  ・みりん 大さじ1
  ・しょうゆ 大さじ1
・柚子(ゆず)の皮 (すりおろす)  適量
 
    

  里芋は皮をたわしで洗い、皮付きのまま、蒸気の上がった蒸し器に入れる。竹串がようやく通るくらいになるまで、中火で17〜18分間蒸す。
ポイント: 皮をむきやすくするために蒸すので、だいたい火が通ればよい。蒸して皮付きのまま冷蔵庫に入れておけば、4〜5日間保存できる。
   の粗熱を取り、紙タオルに包んで皮をむく。
ポイント: 紙タオルを使うと、スルッと簡単に皮がむける。
  鍋に【煮汁】の材料を入れ、温めてきび糖を溶かし、 の里芋を加える。落としぶたをして強火にし、煮立ったら静かに沸騰するくらいの火加減で、里芋を時々転がしながら煮る。
  【煮汁】が少なくなったら鍋を静かに揺すり、残っている【煮汁】を里芋によくからめる。器によそい、柚子の皮を散らす。

【目指すポイント】
中はほっくり、表面にこっくり味をからめる。
【仕上げは転がして】
「煮っころがし」という名のとおり、最後は鍋を揺すって里芋を転がし、まんべんなく味をからめます。つややかな照りもつき、見た目もおいしそうに。



48-1b  五目豆

好みの具でおいしくつくれますが、大豆と相性のよい昆布を加えると、味にグンと深みが出ます。日もちのする常備菜です。


  エネルギー : 1140 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 110分 (大豆を戻す時間は除く。)

 講師: 清水 信子


(つくりやすい分量)
・大豆 (乾)  カップ1(150g)
・れんこん 60g
・ごぼう 1/4本(60g)
・にんじん 1/3本(60g)
・こんにゃく 1/4枚(60g)
・昆布 (10cm四方)  1枚(10g)
・きび糖 カップ3/4〜1
*または砂糖。 
・塩 小さじ1/4
・酢 
・しょうゆ 大さじ1+1/3
 
    

  大豆は水につけて手のひらで軽くこするように手早く洗い、ざるに上げる。鍋に入れて水カップ3と塩小さじ1/4を加え、一晩おいて戻す。
ポイント: 塩を入れて戻すと、煮たときに皮がとれにくい。戻し汁ごと水煮するので、鍋の中で戻すとよい。
   の鍋に少しずらしてふたをし、強火にかける。煮立ったらアクを取りながら、弱めの中火で約1時間煮る。途中で煮汁が少なくなったら適宜水を足し、常にヒタヒタの水加減で煮る。
  れんこんは小さなさいの目切りにし、薄い酢水につけて水けをきる。ごぼうは皮をこそげて同様に切り、水に浸して水けをきる。にんじん、こんにゃくも同様に切り、こんにゃくは水からゆで、煮立って2〜3分間したらざるに上げる。昆布はぬらした布巾でサッと拭いて1cm四方に切る。
ポイント: 具の大きさをそろえることで、均一に火が通り、見た目よく仕上がる。
   の大豆が柔らかくなったら を加え、ヒタヒタになるまで水を足す。少しずらしてふたをし、約5分間煮たら、きび糖を加える。
  野菜が柔らかく煮え、煮汁が約1/3量になったら、しょうゆ大さじ1+1/3を加える。鍋を時々揺すって上下を返し、煮汁がほとんどなくなるまで煮る。

【目指すポイント】
豆はふっくらしっかり味を煮含める。
【先に大豆だけを水煮しておく】
大豆は柔らかく煮えるまでに時間がかかるので、具を加える前に水煮しておきます。これで、大豆はふっくらとし、ほかの具もちょうどよい食感に仕上げることができます。
【保存】
冷蔵庫で3〜4日間保存できる。



48-2  さばのみそ煮

脂ののったさばに、とろみのついた煮汁をからませて。みその香りと甘辛さが食欲をそそります。


  エネルギー : 320 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 50分

 講師: 野口 日出子


(2人分)
・さば (二枚におろしたもの)  1枚(200〜250g)
*中骨がついたほうを使う。 

 【水だし】 
  ・水 カップ3/4
  ・昆布 (5cm四方)  1枚
・しょうが 10g

 【練りみそ】*つくる量が少ないと、味が安定しないのでつくりやすい分量でつくる。約半量を使い、残りは焼きなすなどに合わせるとよい。 
  ・赤みそ (甘口)  100g
  ・砂糖 70g
  ・酒 大さじ3
・塩 
 
    

  さばは皮に一文字の切り目を入れ、二つに切る。
ポイント: さばに切り目を入れると、身が縮むのを防ぎ、火の通りがよくなり、味もしみ込みやすくなる。
  バットにたっぷりの塩をふり、さばをのせ、上からたっぷりの塩をふる。塩が溶けるまで30〜40分間ほどおく。
ポイント: 塩をしっかりふっておくと、余分な水けが外に出て身がしまり、煮くずれしにくい。
  鍋に水と昆布(【水だし】の材料)を入れる。しょうがは皮をむいて薄切りにし、1/3量は飾り用に細切りにし、水に放す(針しょうが)。
   の塩が溶け、さばの表面がぬれてきたところで、目ざるに並べ、熱湯にサッとくぐらせる(霜降り)。
ポイント: 霜降りにして、魚の生臭みを取り、煮くずれを防ぐ。
  【練りみそ】をつくる。小鍋に材料を入れてよく混ぜ合わせてから、強火にかける。混ぜながら照りが出てきたら中火にし、水分をとばしながらしゃもじで一文字が書けるまで練る。
ポイント: 【練りみそ】は別につくり、さば本来の味と一緒に、みそのおいしさを味わう。
   の鍋の昆布の上にさばを並べ、しょうがの薄切りを散らして強火にかける。
  沸騰したら【練りみそ】の約半量を3〜4か所に分けて加える。【練りみそ】が溶けてきたら煮汁をかけながら強めの中火で火が通るまで煮る。器に盛り、煮汁をかけ、 の針しょうがの水けをきってのせる。
ポイント: 強めの中火で一気に煮上げれば、魚のうまみを逃さない。

【目指すポイント】
煮くずれさせず、「さば」と「みそ」それぞれを味わう。
【さばは、中骨のついたほうを使う】
さばは二枚おろしにしたものを使いますが、中骨のあるほうを使うと、味がよく出て、煮くずれしにくくなります。



48-2a  さんまの塩焼き

さんまの塩焼きは、丁寧に焼き、うまみを逃さないことが肝要です。すだちの用意も忘れずに。


  エネルギー : 260 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分

 講師: 野口 日出子


(2人分)
・さんま 2匹
・すだち (半分に切る)  1コ分
・大根おろし 適量
・塩 適量
・サラダ油 少々
・酢 
・しょうゆ 少々
 
    

  さんまは水洗いし、水けをよく拭き取ってから両面に塩適量をふる。
ポイント: さんまは、さばのようにたっぷり塩をふったり霜降りをすると、うまみが抜けすぎてしまうので、味つけとしての塩をふる。
  魚焼きグリルを温め、焼き網に紙タオルでサラダ油少々を塗る。さんまの両面にはけで酢を塗って焼く。
ポイント: 皮が網につかないように、網にサラダ油を塗り、さんまに酢を塗る。これで皮が破れずにうまみが閉じ込められ、パリッと焼ける。
  片面焼きグリルの場合は、表が4割程度焼けたら裏返し、裏を6割程度焼く。皿に盛り、すだちと大根おろしを添える。大根おろしにしょうゆ少々を落とす。

【目指すポイント】
皮はパリッと!うまみを閉じ込めて焼く。
【ふり塩で味を行き渡らせる】
塩は、指でつまんでふるのではなく、指の間からふります(ふり塩)。こうすると、塩味が全体にまんべんなく行き渡ります。



48-2b  かれいの煮つけ

ふっくら煮上がった身に、よく味のしみ込んだ卵。やさしい母の味です。サッと煮上げ、さっぱりとしたかれいに、濃い味の煮汁をからませながらいただきます。


  エネルギー : 280 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 25分

 講師: 野口 日出子


(2人分)
・かれい (切り身)  2切れ
・ごぼう 1/4本(25g)
・しょうが 1かけ分
・昆布 2枚(5×10cm)

 【煮汁】 
  ・しょうゆ カップ1/2
  ・みりん カップ1/2
  ・酒 カップ1/2
  ・水 カップ1/2
・酒 
 
    

  ごぼうはささがきにし、水に放したのち、水けをきる。しょうがは皮をむき、薄切りにする。
ポイント: かれいの身はもともとしまっているので、ふっくらと煮上がるように、塩や霜降りはしない。
  鍋に、水でぬらして切り目を入れた昆布を敷き、【煮汁】の材料としょうがを入れて強火にかける。
ポイント: 昆布を敷くと、焦げにくく、煮くずれしにくくなる。煮汁が上がってくるように昆布に切り目を入れておく。昆布はだしをとったあとのものでもよい。
  沸騰したらかれいを並べ入れ、玉じゃくしでかれいに【煮汁】をかけながら強めの中火で一気に煮上げる。途中、煮汁が少なくなったら、酒と水を同量で合わせたもの(玉酒・たまざけ)を加える。
ポイント: 煮汁が煮立ったときに魚を入れると、生臭くならない。短時間で煮上げることで、表面は濃い味になり、身はふっくらとする。
  器に盛り、残りの【煮汁】でごぼうをサッと煮て盛り合わせる。

【目指すポイント】
煮汁を表面にからめ、身はふっくらと。
【煮汁をかけながら煮る】
4人分など煮汁の量が多いときは、落としぶたを使うが、2人分のように煮汁の少ないときは、玉じゃくしで煮汁をかけながら煮る。また、ヒタヒタより少なめの煮汁で魚が泳がないようにして、煮くずれを防ぐ。



48-3  ハンバーグ

肉ダネにケチャップとソースを加えた、懐かしの「味つきハンバーグ」です。ソースなしでもご飯がすすむしっかり味。


  エネルギー : 370 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分 (たまねぎの粗熱を取る時間は除く。)

 講師: 真崎 敏子


(2人分)

 【肉ダネ】 
  ・牛ひき肉 150g
  ・たまねぎ (みじん切り)  1/4コ分
  ・塩 小さじ1/4
  ・こしょう 少々
  ・ナツメグ (粉)  少々
  ・パン粉 カップ1/2
  ・牛乳 大さじ2
  ・卵黄 1コ分
  ・トマトケチャップ 大さじ1
  ・ウスターソース 大さじ1/2

 【付け合わせ】 
  ・エリンギ 1〜2本
  ・ほうれんそう 3株
・マスタード 適宜
・バター 
・サラダ油 
 
    

  フライパンにバター大さじ1を溶かし、【肉ダネ】のたまねぎを炒める。塩、こしょうをふり、透き通るまでじっくり炒め、粗熱を取る。
  小さめの容器にパン粉を入れて牛乳を注ぎ、ふやかしておく。
ポイント: しっとりさせたパン粉を加えると、肉ダネがふっくら柔らかに。
  ボウルに と残りの【肉ダネ】の材料を入れ、手でよく混ぜ合わせる。
ポイント: トマトケチャップやウスターソースも混ぜ、【肉ダネ】に味をつける。
  手にサラダ油少々をつけ、 を2等分してだ円形にする。
ポイント: 真ん中を少しくぼませると、火が通りやすく、焼き上がりもきれいに。
  フライパンにサラダ油を薄く塗って熱し、 を並べて中火で焼く。
  肉の厚みの半分くらいまで火が通ったら裏返し、ふたをして10分間ほど焼く。
  エリンギは縦に4等分し、長さを半分に切る。ほうれんそうはサッとゆでて3cm幅に切る。それぞれをバター小さじ1/2を溶かしたフライパンで炒める。
  ハンバーグを器に盛って を添え、好みでマスタードを添える。

【目指すポイント】
ふっくらジューシーに。
【ふたをして中火でじっくり火を通して】
強火で焼くと、表面だけ焦げて中は生焼けの状態に。途中からふたをして中火で焼けば、堅くならずに中まで火が通ります。



48-3a  ピーマンの肉詰め

ピーマンの苦みと肉のうまみのバランスがよい、家庭的なおかずです。下ごしらえや焼き方をひと工夫すれば、ピーマンと肉ダネがはがれず、形よく焼き上がります。


  エネルギー : 530 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 40分 (たまねぎの粗熱を取る時間は除く。)

 講師: 真崎 敏子


(2人分)
・ピーマン 3コ

 【肉ダネ】 
  ・合いびき肉 150g
  ・たまねぎ (みじん切り)  1/4コ分
  ・塩 少々
  ・こしょう 少々
  ・卵 1/2コ
  ・パン粉 大さじ3
  ・牛乳 大さじ2
・パン粉 適量

 【付け合わせ】 
  ・にんじん (3mm厚さの半月切り)  1/2本分
  ・じゃがいも (1cm厚さのいちょう切り)  2コ分

 【A】 
  ・水 カップ1
  ・にんにく (薄切り)  1枚
  ・バター 大さじ1
  ・塩 少々
  ・こしょう 少々
  ・牛乳 カップ1/2
・トマトケチャップ 適宜
・マスタード 適宜
・バター 大さじ1
・小麦粉 
・サラダ油 大さじ1
・塩 少々
・こしょう 少々
 
    

  ピーマンは縦に2等分し、ヘタは取らずに種だけを取り除く。耐熱皿に入れてラップをし、電子レンジ(600W)に約40秒間かける。
ポイント: ヘタを残しておくと、焼いたときに形がくずれにくい。ピーマンの風味と色がとばないよう、レンジにかけて焼き時間を短縮する。
  フライパンにバター大さじ1を溶かし、【肉ダネ】のたまねぎを炒める。塩、こしょうをふり、透き通るまでじっくり炒め、粗熱を取る。パン粉は牛乳に浸しておく。
  ボウルに と残りの【肉ダネ】の材料を入れ、手でよく混ぜ合わせる。
  ピーマンの内側にはけで薄く小麦粉をはたく。
ポイント: 小麦粉をはたくことで、ピーマンと肉ダネが一体化し、はがれにくくなる。
   の【肉ダネ】を6等分して に詰め、表面にパン粉をまぶす。
  フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、 の肉の面を下にして並べる。ふたをして弱火で約10分間焼く。
  8割ほど火が通ったら、裏返してふたをし、5分間ほど焼く。
  鍋に、にんじんと【A】を入れ、弱火で5分間煮る。じゃがいもを加えて柔らかくなるまで8分間ほど煮たら、牛乳を加えてのばす。じゃがいもの角が煮くずれてトロッとするまで木べらで混ぜ、塩・こしょう各少々で味を調える。
   を器に盛って を添える。好みでトマトケチャップとマスタードを添える。
【目指すポイント】
ピーマンの味わいを残し、肉ダネはふっくら。
【パン粉が決め手!】
中まで火を通そうとすると、肉の表面が堅くなってしまいがち。そこで、【肉ダネ】の上にパン粉をまぶし、肉が焼きしまるのを防ぎます。パン粉がカリッと香ばしく焼け、おいしさもアップ!



48-4 ふっくらえびしんじょ椀

味わい深いえびしんじょをつくり、極上のだしと一緒に味わいます。


  エネルギー : 270 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 150分 (昆布を水に浸す時間、たらの水けをとる時間は除く。)

 講師: 奥田 透


(4人分)

 【だし】*8人分できる。 
  ・水 2リットル
  *できれば、アルカリ性の強いしっかりした味の軟水がよい。 
  ・昆布 (15cm四方)  2枚
  ・かつお節 (塊)  50g

 【えびしんじょ】 
  ・さいまきえび (有頭)  10匹(正味110g)
  *小型のくるまえび。 

 【卵の素(もと)】 
  ・卵黄 1コ分
  ・塩 小さじ1/6(1g)
  ・サラダ油 80g

 【すり身生地】 
  ・たら (切り身)  100g
  ・塩 小さじ1/6(1g)
  ・つくね芋 小さじ1(5g)
  ・卵白 小さじ1/2(3g)
  ・くず粉 大さじ1(6g)
  *すり鉢とすりこ木ですり、ふるっておく。 
  ・みりん 小さじ1弱(5g)
・ねぎ (白い部分)  適量
・さやいんげん 4本
・まつたけ 50g
・柚子(ゆず)の皮 (ごく小さいあられ切り)  適量
・塩 
・うす口しょうゆ 
 
    


【だし】をとり始め、 具材を用意する
  鍋に水と昆布を入れ、1〜2時間浸す。たらは紙タオルで包んで30分間〜1時間おく。
ポイント: 丁寧に、ゆっくりと昆布のうまみを引き出します。
  鍋を火にかけて60℃にし、温度を保ちながら1時間半〜2時間煮出す。
ポイント: ゆっくりと煮出すことで、雑味のない【だし】がとれる。また、60℃は見た目では分からないので、温度計ではかり、確かめること。
  ねぎは3cm長さに切り、縦に切り目を入れて芯を除く。せん切りにして3〜5分間水にさらしてから水けをきる(白髪ねぎ)。さやいんげんは筋を取り、サッと塩ゆでして水にとって水けをきる。まつたけは紙タオルをぬらして汚れをふき、石づきを削る。

【えびしんじょ】をつくる
  【卵の素】をつくる。ボウルに卵黄と塩を泡立て器で合わせる。サラダ油を少量ずつ加えながら、一定のリズムで分離しないように混ぜる。冷蔵庫で冷やす。
ポイント: 逆さまにしても落ちない程度の堅さが目安。サラダ油を少量ずつ分けて加え、そのつどマヨネーズ状になるまでよく混ぜる。しっかりした【卵の素】をつくることで、【えびしんじょ】がだれない。さらに冷蔵庫で冷やすと、成形しやすい。
  えびは頭と背ワタを取り、殻をむいてブツ切りにする。
ポイント: 椀の主役は椀ダネ。存在感のある椀ダネをつくります。
  【すり身生地】をつくる。たらは骨と皮を除いてから、1cm角に切ってフードプロセッサーに入れ、形がなくなるまでかくはんし、塩を加えて粘りが出るまでさらにかくはんする。
ポイント: フードプロセッサーでかくはんすると、きめ細かな生地になり、なめらかな舌ざわりとフワッとした食感に。
  【すり身生地】の残りの材料を順に入れ、そのつどかくはんし、全体がなめらかになるまでさらにかくはんする。最後に の【卵の素】を加えてかくはんする。
  バットにオーブン用の紙を敷く。 をボウルに移し のえびを入れて手で混ぜ、4等分にする。空気を抜きながら丸形に成形しバットに置く。
ポイント: 両手で何度か行き来させながら空気を抜く。バットに置いたら、指を使って下から上に持ち上げる。
  蒸気の上がった蒸し器に入れる。ふたを少しずらして蒸気の逃げ道をつくり、中火で15分間蒸す。

【だし】を仕上げる
  かつお節を蒸気の上がった蒸し器で中火で5分間蒸し、やや厚めに削る。
ポイント: 乾燥して堅いままでは薄くしか削れないので、蒸してから削る。
   の昆布を取り出して85〜90℃に上げ、 のかつお節を入れ、アクを取る。1〜2分間煮出してから、ボウルにざるを重ねて紙タオルを敷き、さらにこし器を重ねてこす。
ポイント: こす前に色を確認し、よく【だし】が出ているなと思ったら手早く、もう少し出たほうがいいなと思ったら、ゆっくりとこす。しんじょが蒸し上がったときに、【だし】が仕上がっているのが理想です。

椀(わん)を仕上げる
   の【だし】カップ1+1/4を小鍋に取り分け、塩少々、うす口しょうゆ小さじ1/2を加えて火にかける。 のまつたけは縦半分に包丁を入れ、さらに手で半分に裂いて、長ければ半分に切る。さやいんげんは、先をつなげたまま縦に切り目を入れる。
   が沸騰したらまつたけを入れ、火が通ったらさやいんげんを加えて温める。
   の【だし】カップ3を鍋に取り分け、塩小さじ1/4を加える。味をみて、さらに塩少々とうす口しょうゆ大さじ1/2で味を調える。
  椀に【えびしんじょ】とまつたけを盛る。 の汁(吸い地)をはり、さやいんげん、白髪ねぎ、柚子(ゆず)の皮をあしらう。
ポイント: 椀ダネに吸い地をはり、季節のよそおいを添えて華やかに。

【プロの技法1】
◆椀ダネに応じただしの材料◆
奥田さんは、椀ダネに合わせて、だしの材料の水と昆布を吟味している。えびしんじょのようにボリュームのある椀ダネのときは、だしもそれを支えられるように、しっかりとした味の水と、濃いうまみの出る羅臼(らうす)昆布を使う。一方、はものように繊細な椀ダネのときは、まろやかな水と真昆布でだしをとる。また、かつお節は、脂が少なくすっきりとした味のだしがとれる背側を使う。
【プロの技法2】
◆「卵の素」と「蒸す」で椀ダネを主役に◆
「しんじょ」は、卵白と山芋を使うことが多いが、今回は「卵の素」でコクと濃厚なうまみを加え、ふっくらとした食感とともに椀ダネの存在感を出す。また、しんじょ生地をだしで煮るのではなく蒸すことで、余分な水分を吸わず、椀ダネとしての味わいも際立つ。
【プロの技法3】
◆かつお節はやや厚く削る◆
薄く削ったかつお節を使うと雑味なども出やすくなるが、やや厚く削ったものなら、質のよいうまみをとることができる。また重みで自然に沈むので、沈むまで待つ時間が少なくてすむ。
◎同じ種類の昆布やかつお節でもだしの味は毎回微妙に変わるので、必ず味をみて、煮出す時間を調整します。



48-4a  にゅうめん

丁寧にとっただしのうまみを、シンプルな具材、そうめんと一緒にしみじみと味わえる一品です。


  エネルギー : 190 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分

 講師: 奥田 透


(2人分)
・そうめん (乾)  2束
・だし カップ2
・しめじ 1/2パック(50g)
・生しいたけ 2枚
・みつば 適量
・塩 
・うす口しょうゆ 小さじ1強
 
    

  しめじは石づきを取り、ほぐして長さを半分に切る。しいたけは石づきを取り、薄切りにする。みつばは3cm長さに切る。
  大きな鍋に湯を沸かし、そうめんを入れる。箸で手早く全体をほぐし、50秒間ゆで、氷水にとって流水でしめ、水けをきる。
  別の鍋にだしを入れて軽く温める。塩小さじ1/4、うす口しょうゆ小さじ1強を加える。味をみて、さらに塩ごく少々で調える。
   を沸騰させ、きのこを入れる。きのこに火が通ったらそうめんを入れて温める。器にそうめん、きのこの順で盛り、 の汁(吸い地)をはる。食べやすく切ったみつばをあしらう。



48-5  割りれんこんの照り焼き

皮付きのままでもおいしくいただける、れんこん。たたいて割ることで、見た目も楽しくなり、味もしみ込みやすくなるんです。


  エネルギー : 160 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分

 講師: 大原 千鶴


(2人分)
・れんこん 1/2節(200g)

 【A】 
  ・みりん 大さじ2
  ・うす口しょうゆ 大さじ1
・青ねぎ (小口切り)  少々
・オリーブ油 大さじ1
 
    

  れんこんはよく洗い、皮付きのまますりこ木などでたたいて粗く割る。中心部分が割りにくければ適当な大きさに包丁で切るとよい。
ポイント: すぐに調理しないときは、アクが出るので水にとる。
  表面加工のしてあるフライパンに、オリーブ油大さじ1を中火で熱し、れんこんを入れてサッと炒める。全体に油が回ったら、弱火にしてふたをし、時々混ぜながら、5分間ほど炒め蒸しにする。
  ふたを取って【A】を加える。汁けがなくなるまで炒めて器に盛る。
  ボウルに水をはり、青ねぎをもみ洗いする。水けを絞って に添える。

【“洗いねぎ”でおいしさアップ】
小口切りにしてざるに入れ、ボウルの水でもみ洗いしてから絞ります。簡単にできますよ。



48-5a  れんこんのマリネ

冷やしていただくれんこんも、また格別。りんごの甘みをプラスしてさっぱりといただきます。


  エネルギー : 300 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分

 講師: 大原 千鶴


(つくりやすい分量)
・れんこん 1/2節(200g)
・りんご 1/4コ
・貝割れ菜 適量

 【ドレッシング】 
  ・おろしたまねぎ 小さじ1
  ・米酢 大さじ1
  ・サラダ油 大さじ1
  ・塩 小さじ1/2
  ・煮きりみりん 大さじ1
 
    

  れんこんは皮をむいて乱切りにし、かぶるくらいの水と一緒に鍋に入れて中火にかける。沸騰したら中火のまま5〜6分間ゆでる。
  【ドレッシング】の材料を混ぜ合わせる。ゆで上がったれんこんをざるに上げて水をきり、熱いうちに【ドレッシング】をからめる。
  りんごを皮付きのまま7mm厚さのいちょう形に切る。 の粗熱が取れたらりんごを入れて混ぜ、器に盛る。貝割れ菜を添える。
ポイント: 一晩おくとさらに味がしみておいしくなるが、あまり長くおくとりんごの色が悪くなるので、りんごは食べる前に入れてそのつど混ぜるとよい。

【保存】
冷蔵庫で4〜5日間保存可能。



48-5b  れんこんのはさみ蒸し

手軽につくれて見た目もきれいな一品です。薄切りにしたれんこんだから、レンジで短時間に火を通すことができます。


  エネルギー : 370 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 20分

 講師: 大原 千鶴


(つくりやすい分量/16コ分)
・れんこん 6〜7cm
*薄切り32枚分。 

 【肉ダネ】 
  ・豚ひき肉 100g
  ・れんこん (粗みじん切り)  大さじ2
  ・たまねぎ (粗みじん切り)  大さじ2
  ・かたくり粉 小さじ1
  ・ごま油 小さじ1
  ・塩 二つまみ
・赤とうがらし (輪切り)  少々

 【たれ】 
  ・しょうゆ 適量
  ・溶きがらし 適量
・小麦粉 
 
    

  ボウルに【肉ダネ】の材料をすべて入れてよく練り、16コの小さなだんごにする。
  れんこんは皮をむき、スライサーで薄い輪切りにして水にとる。水けを拭き取ってから、耐熱皿に一枚ずつ重ならないように、8枚並べる。
  だんごの上下に小麦粉をつけて、れんこんの中央にのせ、さらにれんこんをのせてはさむ。
  耐熱皿にラップをし、電子レンジ(600W)に3分30秒間かける。残りの8コも同様にして、れんこんでだんごをはさみ、レンジにかける。
  形がくずれないように、器に盛る。水に2〜3分間さらして水けをきった赤とうがらしを、れんこんの上にのせる。【たれ】をつけて食べる。



48-5c  れんこんの揚げだし

ふっくらした食感に仕上げるには、やや厚めに衣をつけて揚げこと。衣にだしをたっぷりと吸わせていただきましょう。


  エネルギー : 330 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分

 講師: 大原 千鶴


(2人分)
・れんこん 1/2節(200g)
・さやいんげん 6本

 【衣】 
  ・小麦粉 30g
  ・水 大さじ2+1/3
  ・砂糖 二つまみ
  ・塩 一つまみ

 【かけだし】 
  ・だし カップ1
  ・うす口しょうゆ 大さじ1+1/2
  ・みりん 大さじ1+1/2

 【もみじおろし】 
  ・大根おろし 適量
  ・一味とうがらし 適量
・揚げ油 
 
    

  れんこんは皮をむいて厚さ1cmの輪切りにし、水にとってざるに上げる。さやいんげんは筋を取る。
  【かけだし】をつくる。だしを小鍋に入れて沸騰させ、うす口しょうゆとみりんを加えてひと煮立ちさせる。
  大根おろしと一味とうがらしを混ぜて【もみじおろし】をつくる。
  れんこんに小麦粉適量(分量外)をまぶして余分な粉をはたく。【衣】の材料をボウルに入れ、よく混ぜる。れんこんを【衣】にくぐらせて160℃の油で3〜4分間揚げる。さやいんげんは同じ温度で30秒間ほど、素揚げにする。
  器に盛り、【かけだし】をかけて【もみじおろし】をのせる。



48-5d  れんこんのおやき

子どもにも大人にも人気のもちもちおやき。甘みと香ばしさが食欲をそそります。おかずにしても、おやつにしても、喜んでもらえますよ。


  エネルギー : 260 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分

 講師: 大原 千鶴


(つくりやすい分量/10コ分)
・れんこん 1/2節(200g)
・かたくり粉 大さじ1+1/2
・塩 小さじ1/2
・オリーブ油 大さじ1
 
    

  れんこんは皮をむいてすりおろし、余分な水分は捨てる。かたくり粉大さじ1+1/2と塩小さじ1/2を加えてよく混ぜ、10等分する。手で円い形に整える。
  表面加工のしてあるフライパンにオリーブ油大さじ1を弱めの中火で熱し、 を入れる。ふたをして2分間焼き、裏返して1分30秒間ほどこんがり焼く。



48-6  ほうれんそうのおひたし

ほうれんそうのおひたしは、だしのおいしさが味の決め手です。


  エネルギー : 45 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分 (漬け地を冷ます時間、ほうれんそうを浸す時間は除く。)

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・ほうれんそう 1ワ(200g)

 【漬け地】*しょうゆ:みりん:だし=1:1:12 
  ・うす口しょうゆ 15ml(大さじ1)
  ・みりん 15ml(大さじ1)
  ・だし 180ml
・削り節 適量
 
    

  【漬け地】を鍋に合わせて火にかけ、沸騰したら火を止めて冷ます。 
  ほうれんそうは熱湯で色よくゆで、冷水にとる。水けを絞る。
ポイント: 味がぼやけてしまわないよう、水けはしっかり絞ります。
   を3cm長さに切り、【漬け地】に1時間ほど浸す。【漬け地】ごと器に盛り、削り節をあしらう。

【漬け地】
いろいろな野菜に使える「おひたし」の割合です。
【応用】
ブロッコリーのおひたし



48-6a  がんもどきの含め煮

おいしい煮汁をがんもどきにたっぷり含ませていただきましょう。


  エネルギー : 810 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分

 講師: 村田 吉弘


(つくりやすい分量)
・がんもどき 4コ
・さやいんげん 12本

 【煮汁(1:1:15)】 
  ・うす口しょうゆ 20ml(大さじ1+1/3)
  ・みりん 20ml(大さじ1+1/3)
  ・だし 300ml(カップ1+1/2)
・しょうが (すりおろす)  1かけ分
 
    

  鍋にがんもどきと【煮汁】を入れる。落としぶたをして中火にかけ、沸騰してから5分間ほど煮る。
ポイント: 落としぶたで、【煮汁】を全体に回します。オーブン用の紙を丸く切ったものでもOK。
  さやいんげんは両端を切り、熱湯でゆでる。 に加え、2〜3分間ほど煮る。
   を【煮汁】ごと器に盛り、しょうがをあしらう。

【煮汁】
だしを味わう煮汁の割合です。
◆応用◆
高野豆腐の煮物



48-6b  里芋のみそ汁

定番の割合のだしに、丸くてかわいらしい里芋をいれて。


  エネルギー : 60 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・里芋 (小)  8コ(120g)

 【みそ汁(1:15)】 
  ・みそ 20ml(大さじ1+1/3)
  ・だし 300ml(カップ1+1/2)
・細ねぎ (小口切り)  適量
 
    

  里芋は耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)に6〜7分間かける。皮をむき、半分に切る。
  鍋に里芋、だしを入れて火にかけ、沸騰したら火を止めてみそを溶き入れる。
   を器に盛り、細ねぎをあしらう。

【みそ汁】
定番の割合に、季節の具をプラスして。
◆応用◆
豚汁



48-6c  さばのしょうが煮

しょうがの香りで箸がすすみます。


  エネルギー : 200 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・さば 2切れ(1/2匹分)
・しょうが (薄切り)  1かけ分

 【魚の煮汁(1:1:4:4)】 
  ・しょうゆ 20ml(大さじ1+1/3)
  ・みりん 20ml(大さじ1+1/3)
  ・酒 80ml
  ・水 80ml
 
    

  さばの皮目に十文字の切り込みを入れ、熱湯にサッとくぐらせる。表面が白くなったら氷水にとり、血合いや汚れを取り除く。
ポイント: こうして霜降りすることで、青魚特有の臭みを抜きます。
  鍋にさばとしょうがを入れ、【魚の煮汁】を合わせて注ぐ。
  落としぶたをして中火にかけ、煮汁がトロリとするまで煮る。

【魚の煮汁】
割合は「幽庵(ゆうあん)地」と同じ。酒で魚のにおいを抑えます。
【応用】
いわしのしょうが煮



48-7  鶏くりご飯

鶏の香ばしさと、くりが相性バツグンです。


  エネルギー : 680 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分 (米をおく時間、炊く時間は除く。)

 講師: 村田 吉弘


(4人分)
・鶏もも肉 1枚(350g)
・甘ぐり 90g(正味)
・米 600ml(カップ3)

 【合わせ地(1:3:3:120)】 
  ・塩 5ml(小さじ1)
  ・酒 15ml(大さじ1)
  ・うす口しょうゆ 15ml(大さじ1)
  ・水 600ml(カップ3)
・塩 
 
    

  米は洗い、ざるに上げて30分間ほどおく。
  鶏肉に重さの1%(3.5g)の塩をふる。フライパンで両面をこんがり焼き、1.5cm角に切る。甘ぐりは大きいものは半分に切る。
ポイント: 鶏肉をこんがり焼くことで、ご飯に香ばしい風味が加わります。
   、【合わせ地】を炊飯器に入れ、普通に炊く。

【炊き込みご飯の合わせ地】
しょうゆを使った、炊き込みご飯の割合です。
◆応用◆
まつたけご飯



48-7a  きんめだいの酒蒸し

きんめだいの華やかな色が、ごちそう気分を盛り上げます。


  エネルギー : 160 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 25分 (きんめだいに塩をふっておく時間を除く。)

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・きんめだい (切り身/頭部でも身でもよい)  2切れ
・絹ごし豆腐 1/4丁(100g)
*木綿豆腐でもよい。 
・小松菜 1/3ワ
・昆布 (5cm四方)  1枚
・柚子(ゆず)の皮 (せん切り)  1/4コ分

 【煮汁(1:1:15)】 
  ・うす口しょうゆ 10ml(小さじ2)
  ・みりん 10ml(小さじ2)
  ・だし 150ml(カップ3/4)
・塩 
・酒 
 
    

  きんめだいに重さの1%の塩をふり、1時間以上おく。
   を熱湯にサッとくぐらせる。表面が白くなったら氷水にとって血合いや汚れを取り除き、水けを拭く。豆腐は半分に切る。小松菜は5cm長さに切る。
  耐熱容器に昆布を敷き、きんめだい、豆腐をのせて酒大さじ4をふる。ラップをして電子レンジ(600W)に3〜4分間かけ、小松菜を加えてさらに3〜4分間かける。蒸し汁は残し、昆布以外を器に盛る。
  鍋に【煮汁】を入れて火にかけ、 で耐熱容器に残った蒸し汁をこして加える。温まったら にかけ、柚子の皮をあしらう。
ポイント: きんめだいのうまみが出た蒸し汁は、余さず【煮汁】に加えます。

【煮汁】
煮るだけでなく、具材にかけても使える割合です。
◆応用◆
さわらの酒蒸し



48-7b  きのこ汁

きのこのうまみをしみじみ味わう。


  エネルギー : 35 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・しめじ 1/2パック
・まいたけ 1/2パック
・なめこ 1/2パック

 【すまし汁(1:3:160)】 
  ・塩 2.5ml(小さじ1/2)
  ・うす口しょうゆ 7.5ml(大さじ1/2)
  ・だし 400ml(カップ2)
・水溶きかたくり粉 大さじ2
*かたくり粉を同量の水で溶いたもの。 
・みつば (みじん切り)  1/3ワ分
・しょうが (すりおろす)  1かけ分
 
    

  しめじは石づきを除いて小房に分け、長いものは半分に切る。まいたけは食べやすい大きさにほぐす。
  鍋に【すまし汁】の材料を入れ、沸騰したらしめじ、まいたけ、なめこを加える。
  再び沸騰したら水溶きかたくり粉を加えて混ぜ、とろみをつける。器に盛り、みつば、しょうがをあしらう。

【すまし汁】
淡い色合いを保つため、しょうゆはうす口で。
◆応用◆
けんちん汁



48-7c  焼きしいたけのポン酢がけ

柚子を使った香り高い自家製ポン酢しょうゆで焼いたしいたけをいただきましょう。


  エネルギー : 35 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分 (昆布をつけておく時間は除く。)

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・生しいたけ (大)  6枚

 【ポン酢しょうゆ(1:1:1)】*つくりやすい分量。 
  ・柚子(ゆず)の搾り汁 100ml(カップ1/2)
  ・みりん 100ml(カップ1/2)
  ・しょうゆ 100ml(カップ1/2)
・昆布 (5cm四方)  1枚
・七味とうがらし 適宜
・塩 少々
 
    

  【ポン酢しょうゆ】の材料を合わせ、昆布を加えて約1日おく。
ポイント: 【ポン酢しょうゆ】は保存容器に入れ、冷蔵庫で1〜2か月間保存可能。
  しいたけは軸を除き、塩少々をふる。魚焼きグリルで、両面をこんがりと焼く。
  器にしいたけを盛り、【ポン酢しょうゆ】適量をかける。好みで七味とうがらしをふる。

【ポン酢しょうゆ】
柚子の代わりに好みのかんきつ類を使っても。2〜3種類混ぜると、さらに奥行きのある味に。
◆応用◆
さんまの塩焼きに添えて



48-7d  秋なすの煮物

身の締まった秋なすは、また格別です。


  エネルギー : 70 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分 (冷ます時間は除く。)

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・なす 2コ

 【煮汁(1:1:8)】 
  ・しょうゆ 30ml(大さじ2)
  ・みりん 30ml(大さじ2)
  ・だし 240ml(カップ1+1/5)
・みょうが (小口切り)  1コ分
 
    

  なすはガクにグルリと切り目を入れて取り除く。縦半分に切り、皮目に1〜2mm幅の切り込みを入れる。
ポイント: 細かく切り込みを入れ、【煮汁】の味がよく入るようにします。
  鍋に【煮汁】を合わせて火にかけ、沸騰したら皮を下にしてなすを入れる。落としぶたをして、強火で5分間ほど煮る。
  鍋ごと冷まし、【煮汁】適量と一緒に器に盛る。みょうがをあしらう。

【煮汁】
こっくり味に仕上げるときは、野菜も「基本の割合」で。
◆応用◆
里芋の煮っころがし



48-8  さつまいもと豚肉のバターじょうゆ焼き

バターのコクが、2つの素材の相性をさらに引き立ててます。黒こしょうのアクセントがまた絶妙です!


  エネルギー : 520 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 20分

 講師: 杉本 節子


(2人分)
・さつまいも 200g
・豚ロース肉 (しゃぶしゃぶ用)  170g

 【A】 
  ・しょうゆ 大さじ1
  ・みりん 大さじ1
  ・砂糖 大さじ1
・塩 少々
・こしょう 少々
・小麦粉 
・サラダ油 小さじ2
・バター 
・黒こしょう (粗びき)  適量
 
    

  豚肉は7〜8cm幅に切り、塩・こしょう各少々をふって下味をつけ、小麦粉を薄くまぶす。
  さつまいもは1cm厚さの斜め切りにする。鍋にたっぷりの水と一緒に入れて火にかけ、竹串がやっと通るくらいまでゆで、ざるに上げて水けをきる。
  フライパンにサラダ油小さじ2を中火で熱し、豚肉を入れる。表面に焼き色がつくくらいまで炒めたら、いったん取り出す。
  フライパンを紙タオルできれいに拭き、バター10gを溶かし、さつまいもを入れて中火で炒める。
  さつまいもの表面に焼き色がついてきたら、 の豚肉と、よく混ぜた【A】を加えて炒め合わせる。煮汁を煮詰めながら、時々上下を返して照りを出す。仕上げにバター10gを加え、ざっと混ぜて器に盛り、黒こしょう適量をふる。



48-8a  さつまいものきんぴら

自然な甘みが持ち味のさつまいもを皮ごと使ったきんぴら。お弁当にもおすすめ。定番の一品に!


  エネルギー : 460 kcal (エネルギーは全量 )
  塩分 : 1.30 g
  調理時間 : 15分

 講師: 河野 雅子

・さつまいも 200g
・黒ごま 少々
・サラダ油 大さじ1
・砂糖 大さじ1/2
・しょうゆ 大さじ1/2
・酒 大さじ1
・ごま油 小さじ1
 
    

  さつまいもはよく洗い、皮をつけたまま斜めに薄切りにする。さらに4〜5cm長さの細切りにし、すぐに水につける。水を3〜4回かえてしっかりとアクを抜く。
  フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、水けを拭いたさつまいもを中火で炒める。2〜3分間炒めたら、砂糖大さじ1/2、しょうゆ大さじ1/2、酒大さじ1を加え、炒め合わせる。仕上げにごま油小さじ1をふり、黒ごまを散らす。

※このレシピは、2006/10/31に放送したものです。



48-8b  大学いも

こんがりと揚げて、みつをからめれば、外はカリッ、中はホクホク。おかずはもちろんおやつにもなるのがうれしい。


  エネルギー : 280 kcal
  塩分 : 1.60 g
  調理時間 : 30分 (さつまいもを干す時間は除く。)

 講師: 城戸崎 愛


(2人分)
・さつまいも 1〜2本(約500g)
*正味。 

 【A】 
  ・砂糖 大さじ5
  ・みりん 大さじ5
  ・しょうゆ 大さじ2+1/2
・ごま (白)  小さじ1/2
・ごま (黒)  小さじ1/2
・揚げ油 
・サラダ油 
 
    

  さつまいもは皮をむいて乱切りにし、水にサッとさらしてから水けを拭き、ざるに広げて半日から1日、天日に干す。
ポイント: いもの水分をとばすと、ホクホクに仕上がる。干す代わりに電子レンジ(600W)に約2分30秒間かけてもよい。
  170℃に熱した揚げ油にさつまいもを入れ、やや濃いめのきつね色になり、竹串がスッと通るまで揚げる。
  平鍋に【A】を合わせて煮詰め、あめ状になったら、さつまいもを加えて手早くからめる。
ポイント: みつは、煮詰め具合が足りないと水っぽく、煮詰めすぎると堅くなって、いもにうまくからまない。木べらからたらしてトロンと落ちるくらいになったら、いもを加える。一瞬勝負なので手早く。
  サラダ油をぬったバットに を手早く広げ、熱いうちにごまをふる。

※このレシピは、2006/10/30に放送したものです。
さつまいもの皮は、きんぴらなどにするとよい。



48-8d  ほうれんそうのおひたし

ほうれんそうのおひたしは、だしのおいしさが味の決め手です。


  エネルギー : 45 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 10分 (漬け地を冷ます時間、ほうれんそうを浸す時間は除く。)

 講師: 村田 吉弘


(2人分)
・ほうれんそう 1ワ(200g)

 【漬け地】*しょうゆ:みりん:だし=1:1:12 
  ・うす口しょうゆ 15ml(大さじ1)
  ・みりん 15ml(大さじ1)
  ・だし 180ml
・削り節 適量
 
    

  【漬け地】を鍋に合わせて火にかけ、沸騰したら火を止めて冷ます。 
  ほうれんそうは熱湯で色よくゆで、冷水にとる。水けを絞る。
ポイント: 味がぼやけてしまわないよう、水けはしっかり絞ります。
   を3cm長さに切り、【漬け地】に1時間ほど浸す。【漬け地】ごと器に盛り、削り節をあしらう。

【漬け地】
いろいろな野菜に使える「おひたし」の割合です。
【応用】
ブロッコリーのおひたし



48-9  ミルフィーユ東坡肉(トンポーロー)

豚バラの塊肉で煮込時間がかかる東坡肉を、薄切り肉をミルフィールのように重ね、時間短縮。カラメルと五香粉で、じっくり煮たかのような、コクのある味わいを出すのがポイント。


  エネルギー : 580 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分

 講師: 吉田 勝彦


(2人分)
・豚バラ肉 (薄切り)  12枚(250g)
・にら 6本

 【カラメル】 
  ・砂糖 大さじ2
  ・水 カップ1/2

 【A】 
  ・酒 大さじ2
  ・しょうゆ 大さじ2
・五香粉(ウーシャンフェン) 小さじ1
・小松菜 1/3ワ(100g)

 【水溶きかたくり粉】 
  ・かたくり粉 小さじ1
  ・水 小さじ1
・サラダ油 大さじ1
 
    

  にらは根元を切って熱湯でサッとゆで、手早く水にさらして水けをきる。豚肉は広げて6枚を重ね、3等分(約8cm長さ)に切る。残りの肉も同様にし、合計6組つくる。1組の中央に、にら1本を二重に巻いて、ほどけないようにしっかり結ぶ。残りも同様にする。
  フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、 の結び目のある側を上にして並べ、焼く。焼き色がついたら裏返して同様に焼き、焼き色がついたら取り出す。
  フライパンをきれいにして【カラメル】の材料を入れ、中火にかける。混ぜながらフツフツと煮立たせ、砂糖を溶かす。水分が少なくなり、白い泡が大きくなってきたら弱火にし、絶えず混ぜる。茶色くなったらすぐに火を止め、水カップ1+1/2を加える。
ポイント: もし砂糖が結晶しても、水をすぐに加えればよい。
  強火にかけ、煮立ったら中火にし、【A】を順に加える。再び煮立ったら を戻し入れて五香粉をふり、ふたをして10分間蒸し煮にする。
ポイント: 本来の東坡肉は、八角を入れて長く煮込むが、八角の代わりに五香粉をふり、香りをつける。
  小松菜は根元を除いて5cm長さに切り、 に加えてふたをし、5分間蒸し煮にする。火を止め、【水溶きかたくり粉】を回し入れ、再び中火にかけ、とろみをつける。煮汁ごと器に盛る。

豚肉は薄切りを重ねることで、短時間の煮込みでも塊肉のような食感に。
【五香粉(ウーシャンフェン)】
八角、シナモン、クローブなど約5種類のスパイスを混ぜた中国のミックススパイス。ゆでたじゃがいもや蒸した里芋にふったり、塩と混ぜて天ぷらにつけたりするのが吉田さんのおすすめ。



48-9a  豚ポトフ

しょうが焼き用の肉と火の通りのよい野菜にかえて、煮込み時間をぐ〜んと短縮。簡単塩豚にした肉のうまみもスープにしみ出して、満足の味わい。


  エネルギー : 390 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分 (肉に塩をふっておく時間は除く。)

 講師: 脇 雅世


(2人分)
・豚肩ロース肉 (しょうが焼き用)  8枚(250g)
・キャベツ 1/4コ
・かぶ 2コ
・パプリカ (赤)  1/2コ
・細ねぎ 10本

 【A】 
  ・水 1.5リットル
  ・ローリエ 1枚
  ・塩 小さじ1/3
  ・こしょう 少々
・粒マスタード 適量
・粗塩 適量
・黒こしょう (粗びき)  適量
・塩 小さじ1
 
    

  豚肉の両面に全部で塩小さじ1をふり、バットに広げて並べる。ラップをぴっちりと密着させてかぶせ、15分間おいて塩豚にする。
ポイント: これで肉がしまり、余分な水分も抜ける。
  キャベツは芯をつけたまま半分のくし形に切り、煮てもバラバラにならないように、葉の部分にようじを刺す。かぶは茎を少し残して葉を切り落とし、縦の四つ割りにし、皮をむく。パプリカは種とヘタを除き、縦に3等分に切り、長さを斜め半分に切る。
  鍋に【A】の水を入れて煮立て、根を切った細ねぎをサッと湯にくぐらせて取り出す。8cmほどの長さになるように数回輪に巻き、残りは中央を束ねるように数回巻きつけ、先端は中央部分にくぐらせて留める。
   の湯に残りの【A】の材料を入れて煮立て、 の肉を1枚ずつ丸めるようにして加える。弱めの中火にしてアクを取り、ふたをして10分間ほど煮る。
   の野菜を加え、ふたをしてさらに10分間煮る。汁ごと器に盛り、粒マスタード・粗塩・黒こしょうを添える。

塩をふった肉にラップを密着。この技ですぐ塩が回り、うまみが濃い塩豚に。



48-9b  豚大根

煮込み時間10分足らずとは思えないほど、豚肉も大根も柔らかで、よくなじんだ味わい。豚の塊肉は、堅くならない切り方と火の通し方がポイントです。大根も電子レンジにかけておくと、短時間でしっかり味を含めます。


  エネルギー : 530 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 25分

 講師: 渡辺 あきこ


(2人分)
・豚バラ肉 (塊)  200g
・大根 1/5本(200g)
・卵 2コ

 【A】 
  ・だし カップ1/2
  ・しょうゆ 大さじ2
  ・みりん 大さじ2
  ・砂糖 大さじ1
・練りがらし 適量
・塩 少々
・こしょう 少々
 
    

  卵、塩少々、卵がかぶるくらいの水を鍋に入れ、中火にかける。沸騰してから7〜8分間ゆでて、すぐに冷水にとり、冷めたら殻をむく。
  大根は1cm厚さの半月形に切って耐熱皿に入れ、水大さじ1をかける。ラップで覆い、電子レンジ(600W)に5分間、柔らかくなるまでかけ、ざるに上げて水けをきる。
ポイント: 電子レンジにかけておくと、下ゆでの時間が短縮でき、味もしみ込みやすくなる。
  豚肉は5cm長さに切ってから、繊維を断ち切るように1cm厚さに切る。熱湯で1分間ほどゆでて脂をぬき、ざるに上げて湯をきり、こしょう少々をふる。
  鍋に【A】を合わせて を入れ、その上に豚肉をのせて中火にかける。煮立ったら弱火にし、ふたをして5分間煮る。ふたを取って豚肉を裏返し、煮汁の味が好みの濃さになるまで4〜5分間煮詰める。肉と大根の上下を返す。
ポイント: 豚肉は大根にのせて間接的に火を通すと、ふっくらと柔らかく煮上がる。
   を加えて煮汁をからめ、火を止める。
ポイント: そのまま約10分間おいて卵に味を含ませると、さらにおいしくなる。
  卵を取り出して半分に切り、大根、豚肉とともに器に盛り、煮汁の半量をかける。残りの煮汁は中火にかけて半量になるまで煮詰めて肉にかけ、練りがらしを添える。
ポイント: 煮詰めた煮汁を肉にかけると、長く煮たようなコクのある味わいに。

豚肉は繊維を断ち切るように薄めに切ると、短時間でも柔らかく煮上がります。



48-10  三宝筑前煮

鶏肉と、香りと彩りで欠かせない三つの野菜でつくるから、”三宝”筑前煮。カット済みの鶏肉で切る手間を省き、野菜は電子レンジでゆで時間を短縮します。


  エネルギー : 270 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 25分

 講師: 渡辺 あきこ


(2人分)
・鶏もも肉 (3〜4cm角に切ったもの)  160g
・にんじん (小)  1本(120g)
・ごぼう 1/2本(70g)
・生しいたけ 3枚
・だし カップ1/2

 【A】 
  ・酒 大さじ1
  ・砂糖 大さじ1
  ・しょうゆ 大さじ1+1/3

 【水溶きかたくり粉】 
  ・かたくり粉 小さじ1/4
  ・水 小さじ1
・酒 小さじ1
・サラダ油 小さじ2
 
    

  にんじんは3cm長さの乱切りにする。ごぼうは皮をこそげ取り、にんじんと同じ大きさに切り、水に2〜3分間さらして水けをきる。にんじんとごぼうを耐熱皿に入れ、水大さじ2をかけてラップで覆い、柔らかくなるまで電子レンジ(600W)に4分間ほどかける。ラップをしたまま2分間ほどおいて蒸らし、しっとりさせる。ざるに上げて水けをきる。
  しいたけは石づきを取り、四つ割りにする。鶏肉は酒小さじ1をふりかける。
  鍋にサラダ油小さじ2を中火で熱して鶏肉を並べ、両面に軽く焼き色がつくまで焼く。
  にんじん、ごぼう、しいたけの順に加えて炒める。
  野菜に油がなじんだら、だしを加えてふたをし、5分間ほど弱火で煮る。
  【A】と【水溶きかたくり粉】を加えて混ぜ、煮立ったらふたをして、中火で3分間ほど煮る。ふたを取り、煮汁が少し残るくらいまで煮詰める。
ポイント: 【水溶きかたくり粉】で軽いとろみをつけ、具に煮汁がからみやすくする。

具の数は最小限にして長く煮込まずに、濃いめの煮汁を表面にからめます。



48-10a  中国風カレー

鶏のうまみが出たスープに、とろみをつけた中国風カレー。たまねぎを炒める代わりに、野菜ペーストとドライマンゴーで、風味と甘みをプラス。辛みがマイルドな、やさしい味わいです。


  エネルギー : 510 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分

 講師: 吉田 勝彦


(2〜3人分)
・鶏手羽先 6本

 【野菜ペースト】 
  ・セロリ 8cm(20g)
  ・にんじん 1/3本(40g)
  ・たまねぎ 1/4コ(60g)
・にんにく (粗みじん切り)  1かけ分
・カレー粉 大さじ1
・ドライマンゴー 50g

 【A】 
  ・酒 大さじ1
  ・しょうゆ 小さじ1
  ・塩 小さじ1弱

 【水溶きかたくり粉】 
  ・かたくり粉 小さじ1
  ・水 小さじ1
・ご飯 500g
*温かいもの。 
・サラダ油 大さじ1
 
    

  手羽先は関節から先を切り落とす。縦長に置き、上の関節から下の関節に向けて包丁を入れ、半分に切る。
ポイント: 関節と関節の間に包丁を入れると、骨に当たらずに楽に切れる。半分に切ることで火の通りが早くなる。
  セロリ、にんじん、たまねぎは粗く刻み、フードプロセッサーに入れ、かくはんする。ある程度細かくなったら、水カップ1/4を加え、少し粒が残るくらいの粗いペースト状になるまで再びかくはんする。
ポイント: 野菜をペースト状にすりつぶすことで、火の通りが早くなる。
  サラダ油大さじ1をフライパンに中火で熱し、 を並べ入れて焼く。焼き色がついたら裏返し、全体が白っぽくなったら、にんにく、カレー粉を加えて混ぜ、なじませる。
  香りがたったら水カップ2を加え、強火にして煮立たせる。 の【野菜ペースト】を加え、ふたをして10分間、中火にして煮る。
ポイント: 野菜ペーストを加えることで風味ととろみがつく。
  ドライマンゴーを細かく刻み、 に加える。【A】を加えて混ぜる。
ポイント: ドライマンゴーのやさしい甘みと酸味がカレーに深みを出す。
  火を止めて【水溶きかたくり粉】を回し入れる。再び中火にかけ、とろみをつける。
  ご飯を器に盛り、 のカレーをかける。

野菜はまとめてペーストにすると、短時間でも深い味わいが出ます。



48-11  ポテトミートボール

シンプルなトマトソースで、野菜を切る手間も最小限。煮込み用鍋だと、たびたび混ぜなくてすむので、煮くずれしにくく安心です。


  エネルギー : 470 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分

 講師: 脇 雅世


(2人分)

 【ポテトミートボール】 
  ・合いびき肉 200g

 【A】 
  ・生パン粉 30g
  ・牛乳 大さじ2
  ・塩 小さじ1/3
  ・こしょう 少々
  ・フライドポテト (大/冷凍)  6コ(約100g)
  *くし形にカットされた皮付きのもの。 

 【トマトソース】 
  ・たまねぎ 1/2コ
  ・にんにく 1/2かけ
  ・しめじ 1パック
  ・オリーブ油 小さじ1
  ・塩 小さじ2/3
  ・トマトの水煮 (缶詰/カットタイプ)  1缶(400g)
  ・ローリエ 1枚
  ・砂糖 小さじ1
  ・こしょう 少々
・オリーブ油 小さじ1
 
    

  【ポテトミートボール】をつくる。【A】は混ぜて、しっとりとさせる。ボウルにフライドポテト以外の材料を入れ、手でムラなく混ぜる。6等分にして丸めておく。
   の肉ダネを少し広げ、凍ったままのフライドポテトを中央にのせ、しっかりにぎって包む。残りも同様にする。フライドポテトの両端は少しはみ出してもよい。
  フライパンにオリーブ油小さじ1を入れて中火にかけ、 を並べる。転がしながら全体に焼き色がつくまで焼く。
  【トマトソース】をつくる。たまねぎ、にんにくは粗いみじん切りにし、しめじは石づきを除いてほぐす。煮込み用の鍋にオリーブ油、たまねぎ、にんにく、塩を入れ、中火でしんなりとするまで焦がさないように炒め、しめじ以外の残りの材料と水カップ1/2を加える。
   が煮立ったら の【ポテトミートボール】、しめじを加える。再び煮立ったらふたをし、混ぜすぎないようにして中火で10分間ほど煮る。

切る、ゆでる手間なしの、冷凍ポテトで、火通りよく、ボリュームもアップ。



48-11a  肉だんごのもつ煮風

赤みそベースのこってり味で、ご飯もお酒もすすむ「もつ煮」。もつは臭みを取る下処理に手間がかかり、柔らかく煮込むのにも時間がかかります。そこで、手軽な肉だんごでアレンジし、短時間で煮上がるレシピに。もつが苦手な人にもおすすめ!


  エネルギー : 260 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 20分

 講師: 渡辺 あきこ


(2人分)

 【肉だんご】 
  ・牛ひき肉 150g
  ・塩 小さじ1/6
  ・小麦粉 大さじ1/2
  ・水 大さじ1/2
・こんにゃく 1/2枚
・ねぎ 1/2本

 【A】 
  ・赤みそ 大さじ2
  ・みりん 大さじ2
  ・酒 大さじ1
  ・しょうゆ 小さじ1
・一味とうがらし 少々
 
    

  牛ひき肉をボウルに入れ、塩を加えて粘りが出るまで練る。小麦粉、水を加えて、さらに練り混ぜる。
  よく混ざったら12等分にして丸め、肉だんごをつくる。
  こんにゃくは2cm角にちぎり、熱湯で2分間ほどゆでて、ざるに上げる。ねぎは4cm分を薄い小口切りにして水にさらし、水けをきって、仕上げ用にとっておく。残りは2cm長さに切る。
  鍋に【A】を混ぜ合わせる。
  水カップ3/4、こんにゃくを加えて中火にかける。煮立ってから1〜2分間煮て、肉だんごを加える。
  肉だんごの色が変わったら、2cm長さに切ったねぎを加えてふたをし、中火で4〜5分間煮る。器に盛り、仕上げ用にとっておいたねぎをのせ、一味とうがらしをふる。

肉だんごで代用し、もつの下処理や下ゆでの手間を省いてスピードアップ。



48-11b  おから入り獅子頭(シィズトウ)

獅子頭とは、大きい肉だんごの意味。揚げてから煮込むのではなく、表面を焼いてうまみを閉じ込める手軽なレシピにアレンジしました。


  エネルギー : 330 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 35分

 講師: 吉田 勝彦


(2人分)

 【肉だんご】 
  ・豚ひき肉 100g
  ・こしょう 少々
  ・塩 一つまみ
  ・酒 大さじ1
  ・砂糖 小さじ1/2
  ・ねぎ (白い部分/みじん切り)  5cm
  ・しょうが (みじん切り)  5g
  ・溶き卵 (大)  1/2コ分
  ・おから 50g
  ・かたくり粉 小さじ1
・白菜 3枚(200g)

 【A】 
  ・水 カップ2
  ・砂糖 大さじ1
  ・酒 大さじ1
  ・しょうゆ 大さじ2
・サラダ油 大さじ2
 
    

  肉だんごの豚ひき肉をボウルに入れ、こしょう、塩、酒、砂糖を加えて練り混ぜる。ねぎ、しょうがを加え、粘りが出るまで、さらによく練り混ぜる。
  溶き卵を加え、肉に吸わせるように練り混ぜる。よく混ざって粘りが出たら、おからを加え、まんべんなく練り混ぜる。
  全体がまとまったら、かたくり粉を加えて混ぜ、4等分に分けて丸める。
  フライパンにサラダ油大さじ2を中火で熱し、 の肉だんごを並べ、転がしながら焼く。
ポイント: 揚げる代わりに表面を焼き固め、うまみを閉じ込める。
  全体に焼き色がついたら【A】を順に加え、ふたをして弱火で10分間煮る。
  白菜を軸と葉に分け、それぞれ食べやすい大きさのザク切りにし、 に加える。ふたはせずに、5〜10分間煮る。
ポイント: すぐに食べられるが、一晩おいて温めなおすと、味がしみて、さらにおいしくなる。

肉だんごにおからを混ぜて火の通りを早め、揚げる代わりに表面を焼きつけます。



48-12  焼きみそおむすび

香ばしいぬかの香りと胚芽が残る「五分づき米」をつぶし、半づきにしてからにぎると、甘めのみそによく合うモチモチの食感に。表面にまぶしたごまが焦げたところも、おいしそうな表情になります。


  エネルギー : 1380 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 60分 (洗った米をざるに上げる時間は除く。)

 講師: 土井 善晴


(つくりやすい分量)
・五分づき米 400ml(カップ2)
*なければ白米。 
・みそ 40g
・砂糖 大さじ1
・白ごま 適量
・塩 適量
 
    

  米は洗ってざるに上げ、40分間ほどおく。(洗い米)
   の洗い米と同量の水を炊飯器に入れて炊く。みそと砂糖はよく混ぜ合わせておく。
  炊きたてのご飯をすり鉢に移し、水でぬらしたすりこ木でつぶす。すり鉢がなければ、炊飯器の内釜で、釜を傷めないようについてもよい。
ポイント: おはぎのもち米をつくようにして粘りを出すと、もっちりした歯ざわりに。ご飯粒が半分つぶれる程度=半づきにします。
  手は念入りに洗う。さらしの布巾は水洗いして固く絞る。茶碗はご飯粒がつかないように水にくぐらせる。
ポイント: 《さらしの布巾》反物のさらしをピリッと裂き、新しいものを使います。アツアツのご飯を固く絞ったさらしの布巾で軽くまとめます。
  絞った布巾を手にかけ、茶碗を持つ。アツアツのご飯をよそってもう一方の手に持ちかえ、布巾の上にのせる。
  軽くキュッキュッと2回にぎって杉板の上に転がす。これを繰り返す。
ポイント: 《杉板》温かいご飯をのせれば、木の板が余分な水分を吸い、蒸れにくくなります。菓子折やそうめんなどの木箱のふたでもかまいません。固く絞ったぬれ布巾で拭いて使います。
  手に程よく水をつけ、塩適量を全体に広げ、 のご飯をにぎる。中央に のみそを入れて整える。
  好みで表面に白ごまを軽くまぶし、しっかりと熱した焼き網にのせる。焼き色がついたら返し、全体をこんがりと焼く。

《洗い米について》
米を洗ったあと、ざるに上げておくと、余分な水けがきれると同時に芯までしっかりと水が浸透します。これが「洗い米」。洗ってすぐに水加減をして、同じ時間つけておいてから炊けば同じ?いえ、それでは米がだんだん発酵して水がにごってしまう原因に。乾物だった米を元の状態に戻し、そこにきれいな水を加えてすぐに炊くので、おいしいご飯になるのです。ざるに上げておく時間は、夏場なら30分間、冬場なら50分間。途中で一度、米の天地を返します。長くおくと、再び乾燥して米が割れてしまうので、すぐに炊かない場合はポリ袋に移し、口を閉じて冷蔵庫へ。1〜2日間保存のきく「自家製無洗米」になります。加える水の体積は、洗い米と同量。コップでも湯のみ茶碗わんでも、同じ量だけ合わせればいいのですから簡単ですね。すでに吸水はできているので、炊飯器なら「早炊き」や「高速炊き」のスイッチを押せばOKです。
《五分づき米》
玄米のぬかや胚芽の一部を残して精米したもの。お米屋さんにお願いすれば、白米と玄米の中間の五分づき、白米に近い七分づき、など好みの加減に精米してもらえます。洗練されたものばかり食べている現代人には、分づき米の雑味もまた、おいしく感じられるものです。



48-13  がんづき

【郷土料理 宮城県】ねっちりしたタイプ、白いもの、黒いものなどさまざまなバリエーションがある素朴な蒸し菓子。ここでは卵が入ったタイプをご紹介。黒糖の香りが、郷愁をそそります。


  エネルギー : 1200 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分 (冷ます時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(14×16.5×高さ5cmの型1台分)
・薄力粉 150g
・黒砂糖 100g
・卵 1コ
・重曹 小さじ1
・酢 カップ1/4
・くるみ 適量
 
    

  型にオーブン用の紙を敷いておく。
  ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でほぐし、黒砂糖を加えて混ぜる。重曹を水小さじ2で溶いて加え、薄力粉を加えてゴムべらでサックリ混ぜる。
  七分(ぶ) ほど混ざったら酢を加えて手早くさらに混ぜ、 の型に生地を流し、表面にくるみを飾る。
ポイント: 酢が入ると生地が泡立つので泡が消えないうちに手早く蒸す。
  蒸気の上がった蒸し器に布巾を敷いて を入れる。布巾でくるんだふたをのせ、強火で20分間蒸す。竹串を刺して生地がついてこなければ蒸し上がり。型と紙をはずし、網にのせて冷ます。



48-13a  いくらのしょうゆ漬け

【郷土料理 北海道】新鮮な魚卵を調味料に漬けた手づくりの「イクラのしょうゆ漬け」は、気のきいた酒肴(しゅこう)として、ご飯のお供として喜ばれる一品です。


  エネルギー : 1210 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 15分 (冷蔵庫におく時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(つくりやすい分量)
・筋子 1腹(約400g)

 【A】 
  ・しょうゆ 大さじ4
  ・酒 大さじ2
  *アルコール分が気になる場合は、 煮きったものを使う。 
  ・みりん 
  *アルコール分が気になる場合は、 煮きったものを使う。 
 
    

  筋子はぬるま湯に入れ、つぶさないように気をつけながら、薄皮や筋を丁寧に取り除いてほぐす。
  冷水にとり、浮いてきた薄皮などを除きながら、水をかえて洗う。ざるに上げて水けをきる。
ポイント: 筋子が少々白濁しても、調味料に漬けると元に戻る。
  【A】をボウルや保存容器に合わせ、 を加えて冷蔵庫におく。1時間以上おいたら食べられるが、好みでさらにおいてもよい。
ポイント: 冷蔵庫で3〜4日間保存可能。

【さけ】
北海道では「あきあじ」と呼ばれ、さまざまな料理に余すところなく使われる。新鮮な魚卵を調味料に漬けた「イクラのしょうゆ漬け」は、手づくりする家庭も多く気のきいた酒肴として、ご飯のお供としても喜ばれる一品。



48-13b  いか飯

【郷土料理 北海道】いかのうまみがご飯にしみて、シンプルながら力強いおいしさです。


  エネルギー : 340 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 60分 (もち米をつける時間、冷ます時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(2人分)
・するめいか (中)  2はい
・もち米 カップ1/3

 【A】 
  ・だし カップ2
  ・しょうゆ 大さじ2
  ・酒 大さじ2
  ・みりん 大さじ2
  ・砂糖 小さじ1

 【水溶きかたくり粉】 
  ・かたくり粉 小さじ1
  ・水 小さじ2
・しょうゆ 小さじ1
・酒 小さじ1
 
    

  もち米はたっぷりの水に3〜4時間(できれば一晩)つけておく。いかに詰める30分前にざるに上げて十分に水けをきり、ボウルなどに入れておく。
  いかは足をワタごと抜き、軟骨を取って内側を洗い、水けを拭く。足はワタと目を切り離し、口と足先を除く。足を食べやすい大きさに切り、洗う。
   にしょうゆ・酒各小さじ1を加えて混ぜ、 のいかの胴に等分に詰め、口をようじでとめる。
  【A】を鍋に煮立て、 を入れて落としぶたをし、弱火で40分間ほど煮る。いかの足を加えてサッと煮たら、【水溶きかたくり粉】を加えてとろみをつける。
ポイント: あれば竹の皮を敷いてから、3を入れると、いかが鍋底にくっつかない。
  そのままおいて冷まし、胴を食べやすく切って、足と一緒に器に盛る。

いか飯は駅弁などでもおなじみ。北海道・道南で豊富にとれたいかに貴重な米を少量入れてつくったといわれる、工夫が光る料理。いかのうまみがご飯にしみて、シンプルで力強いおいしさ。



48-13c  ざくざく

【郷土料理 福島県】たっぷりの根菜類を、だしで煮込みます。


  エネルギー : 120 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 40分 (するめ、昆布、煮干しを つける時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(2〜3人分)
・鶏もも肉 60g
・里芋 60g
・大根 40g
・にんじん 20g
・ごぼう 30g
・生しいたけ 1枚
・こんにゃく 30g
・凍(し)み豆腐 1枚
*豆腐を薄く切って凍らせ、乾燥させた東北地方などの乾物。高野豆腐でもよい。 

 【A】 
  ・するめ 1/4枚(15g)
  ・昆布 3g
  ・煮干し 5g

 【B】 
  ・酒 大さじ1/2
  ・しょうゆ 大さじ1/2
  ・みりん 小さじ1
  ・塩 少々
・塩 
 
    

  【A】のするめは1.5cm長さの細切りにし、水カップ3+1/2に一晩つけておく。するめを取り出して昆布と煮干しを入れ、1時間ほどおいて火にかけ、煮出してこす。
  里芋は皮をむいて6〜7mm厚さの半月形に切り、塩でもんで水洗いする。大根は5mm厚さのいちょう形に切り、にんじんは5mm厚さの半月形に切る。ごぼうは乱切りにし、しいたけは軸を切り、放射状に切る。
  鶏肉は一口大のそぎ切りにする。こんにゃくは湯通しし、一口大にちぎる。凍み豆腐は水につけて戻し、食べやすく切る。
  鍋に のだしカップ2+2/3、取り出したするめ、 を入れ、材料が柔らかくなるまで10〜15分間煮る。【B】を加え、味を調える。

福島県の郷土料理。たっぷりの根菜類を、だしで煮込んだ「ざくざく」は、武家中心の料理だった「こづゆ」と似ていますが、こちらは庶民に親しまれていた料理だそう。名前の由来は諸説ありますが、具をザクザクと切ったことから、とも具がザクザク入っているからともいわれています。



48-13d  まめぶ汁

【郷土料理 岩手県】薄力粉のだんご「まめぶ」の中に入っているのは、なんと、黒砂糖とくるみ!冠婚葬祭にふるまわれる料理でもあり、めでたいときはまめぶを大きく、不幸のときは小さくしてつくるとか。


  エネルギー : 180 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 35分 (干ししいたけを戻す時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(3〜4人分)
・干ししいたけ 2枚
・ごぼう 40g
・にんじん 30g
・しめじ 60g
・油揚げ 1/3枚
・焼き豆腐 1/3丁(100g)
・だし カップ3+1/2
*煮干し6gと昆布4gをカップ4の水に入れてしばらくおき、火にかけて2〜3分間煮出してこしたもの。 

 【まめぶ】 
  ・薄力粉 100g
  ・くるみ (1cm四方に切る)  15g
  ・黒砂糖 15〜20g
・かたくり粉 
・しょうゆ 大さじ1+1/2
 
    

  干ししいたけは水につけて柔らかく戻し、軸を除いて薄切りにする。ごぼうは縦半分に切って斜め薄切りにし、にんじんはいちょう形に切る。しめじは小房に分け、油揚げは油抜きして短冊に切る。
  鍋にだしと を入れて火にかけ、野菜に火が通るまで10分間ほど弱めの中火で煮る。
  【まめぶ】をつくる。ボウルに薄力粉を入れて熱湯75mlを加え、菜箸で混ぜる。ひとまとまりになったら、まな板や台の上に取り出してこねる。生地がなめらかになったら20等分して丸めておく。
   を手のひらで平らにし、黒砂糖適量と、くるみ一かけを包んで丸めなおす。かたくり粉をまぶして の鍋に加える。
  3〜4分間煮て【まめぶ】が浮いたら、焼き豆腐を食べやすい大きさに切って加え、火が通ったらしょうゆ大さじ1+1/2で味を調える。



48-13e  芋煮

【郷土料理 山形県】秋の風物詩、「芋煮会」のレシピ。


  エネルギー : 320 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 45分

 講師: 浜崎 典子


(4〜5人分)
・里芋 800g
・牛薄切り肉 300g
・こんにゃく (白)  1枚(230g)
・ごぼう 70g
・ねぎ 1本

 【A】 
  ・酒 大さじ4
  ・砂糖 大さじ4
  ・しょうゆ 大さじ5
・塩 
 
    

  里芋は皮をむき、大きいものは半分に切る。塩でもんで水洗いし、ゆでこぼしたら洗ってぬめりを取る。
  牛肉は一口大に切る。こんにゃくは湯通しし、一口大にちぎる。ごぼうは太めのささがきにし、水洗いする。ねぎは斜め薄切りにする。
  鍋に里芋、こんにゃく、ごぼうと水カップ6を入れて火にかけ、沸騰したら【A】の酒・砂糖を加えて15分間ほど煮る。
  里芋に八分(ぶ)どおり火が通ったら、牛肉と【A】のしょうゆを加える。里芋が柔らかくなるまで10分間ほど煮たら、ねぎを加えてサッと火を通す。

今回紹介する山形県・内陸部の芋煮は主に牛肉でしょうゆ味、庄内地域の芋煮は豚肉でみそ味だそうですが、どちらも、秋に収穫されるホクホクの里芋が主役。大勢で芋煮の鍋を囲みながら、秋の恵みに感謝します。



48-14  治部(じぶ)煮

【郷土料理 石川県】毎日のおかずにも、祝いの席にも登場。汁にとろみをつけて冷めにくくするなど、寒い地方の工夫が見られます。


  エネルギー : 310 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 35分

 講師: 浜崎 典子


(2人分)
・鴨ロース肉 120g
*または鶏むね肉。 
・しめじ 50g
・生しいたけ 2枚
・ほうれんそう 1/3ワ
・すだれ麩 (2〜3cm幅に切る)  6枚
*乾燥の場合は、水につけて戻す。 
・もみじ麩 (5mm厚さに切る)  2枚

 【煮汁】 
  ・だし カップ1
  ・砂糖 小さじ2
  ・みりん 小さじ2
  ・しょうゆ 大さじ1+1/2
  ・塩 少々
・わさび 適量
・塩 
・小麦粉 
 
    

  しめじは石づきを除き、小房に分ける。しいたけは軸を除き、かさに放射状に切り込みを入れる。ほうれんそうは塩ゆでにし、5〜6cm長さに切る。
  鴨肉は薄くそぎ切りにし、小麦粉をはたく。
  鍋に【煮汁】を煮立て、鴨肉を入れて煮る。表面が白くなったら、 、すだれ麩、もみじ麩を加えてサッと煮る。
  【煮汁】ごと器に盛り、わさびを添える。

加賀の郷土料理の代表格。竹のすだれで生地をのばしてつくる「すだれ麩(ぶ) 」という、この地域ならではの麩が入るのも特徴的。



48-14a  五平餅

【郷土料理 長野県】ご飯のおいしさとありがたさを感じる郷土料理です。


  エネルギー : 260 kcal (エネルギーは1本分)
  塩分 : -
  調理時間 : 45分 (米を炊く時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(6本分)
・米 360ml(2合)

 【たれ】 
  ・くるみ (刻む)  40g
  ・白ごま 大さじ1
  ・砂糖 大さじ3+1/2
  ・たまりじょうゆ 大さじ1
  *なければ普通のしょうゆでもよい。 
  ・酒 大さじ1
  ・八丁みそ 小さじ2
  *なければ普通のみそでもよい。 
 
    

  米は洗い、水270mlで少し堅めに炊く。熱いうちにすり鉢に移し、水でぬらしたすりこ木で、粒がほぼなくなるまでつぶす。
ポイント: すりこ木を持ち上げると、すり鉢ごと持ち上がるくらいまで、よくつぶす。
  手に水をつけ、 の1/6量を丸めて少し平らにする。割り箸をはさむようにして成形し、小判形に整える。
  割り箸のご飯から出ている部分2か所にアルミ箔(はく)を巻き、200〜250度に温めたオーブンで5分間焼き、表面が乾いたら裏返してさらに5分間焼く。
  【たれ】のくるみとごまをすり鉢でよくすり混ぜ、残りの調味料を加えてよくすり混ぜる。
   の片面に のたれを塗り、200〜250℃に温めたオーブンで、5〜6分間焼く。こんがりとしたら裏返して同様に【たれ】を塗り、5〜6分間焼く。

「五平餅」は長野県をはじめ各地でお米のごちそうとして食卓を彩ってきた郷土料理。形は、だんごにして2つ刺したもの、わらじ形のもの、などある。



48-14b  ほうとう

【郷土料理 山梨県】具材はかぼちゃが代表的。きのこ、白菜など、好みの季節野菜を入れて。


  エネルギー : 350 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 70分 (生地をおく時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(2〜3人分)

 【ほうとう】 
  ・中力粉 160g
  ・ぬるま湯 70ml
  ・塩 小さじ1/2
・大根 100g
・にんじん 50g
・白菜 1+1/2枚
・かぼちゃ 150g
・油揚げ 1/2枚
・なめこ 1/2袋
・小松菜 50g
・煮干しだし カップ7
*煮干し15gをカップ7+1/2の水に入れて1時間ほどおき、火にかけて煮出してこしたもの。 
・塩 
・みそ 
 
    

  【ほうとう】をつくる。ボウルに塩をふって中力粉を入れ、ぬるま湯を少しずつ加えながら混ぜる。ひとまとまりになったら清潔な台の上に取り出し、しっかりこねる。
ポイント: 表面がひび割れてしまうときは、ほんの少しぬるま湯を加えてこねる。
  なめらかになったら丸く形を整え、ぬれ布巾をかけて1時間ほどおく。
  台と麺棒に打ち粉(分量外)をふり、1mm厚さになるまでのばす。麺棒に生地を巻きつけ、棒に沿って真ん中を切り開き、短い辺を二つ折りにして1cm幅に切る。
ポイント: 生地をのばすときは、麺棒に生地を巻きつけて転がしたり、トンと台に打ちつけながらのばす。
  大根、にんじんは6〜7mm厚さのいちょう形に切り、白菜は一口大、かぼちゃは種とワタを除き、一口大に切る。油揚げは油抜きして半分に切って2cm幅の短冊形にし、なめこは水洗いする。小松菜は塩ゆでして4〜5cm長さに切る。
  だしに大根、にんじん、白菜、油揚げを入れて強火にかけ、沸騰したら弱めの中火で15分間ほど煮る。材料が柔らかくなったらみそ60gを加え、【ほうとう】、なめこ、かぼちゃを加える。
  さらに15分間ほど煮て【ほうとう】が柔らかくなったら、みそ30gを加え、小松菜を加えてサッと煮る。

「ほうとう」は、小麦粉を練った太い麺と野菜を、みそで煮込んだ料理です。具材はかぼちゃが代表的ですが、きのこ、白菜など、好みの季節野菜を入れてください。生の麺を一緒に煮れば、トロリとおいしく、体もポカポカ温まります。



48-14c  さばの姿ずし

【郷土料理 岡山県】岡山県北部の名物料理です。本来は一度にたくさん仕込むものといわれますが、ここでは家庭でもつくりやすいレシピでご紹介。


  エネルギー : 1460 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 60分 (塩や酢につける時間、米を炊く時間、おもしをしておく時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(つくりやすい分量)
・さば (生食用)  1匹(600〜700g)
・粗塩 50g

 【合わせ酢】 
  ・酢 カップ2
  ・しょうが汁 大さじ3
  ・砂糖 大さじ6+2/3
  ・塩 小さじ2

 【すし飯】 
  ・米 180ml(1合)
  ・もち米 20ml
  ・昆布 1枚(3g)
  ・酒 大さじ1

 【すし酢】 
  ・酢 大さじ2+1/2
  ・砂糖 大さじ2+1/2
  ・塩 小さじ1/2弱
・酢 
 
    

  さばは背ビレの上を通るように包丁を入れ、頭ごと背開きする。背ビレに沿って反対側に包丁を入れ、中骨を取る。エラぶたから指を入れてエラとワタをはずし、取り除く。
ポイント: 寄生虫のアニサキスがいる場合があるので、目視で取り除く。
  水洗いし、水けを拭いたら粗塩を両面にすり込み、冷蔵庫に入れて一晩おく。
ポイント: 身のほうに多めにすり込むとよい。頭や尾にも忘れずに。
  バットに【合わせ酢】の材料を合わせる。 の塩を洗い流して水けを拭き、皮を下にして身のほうにも酢をかけ、冷蔵庫に入れて1日半漬ける。途中5〜6時間たったら裏返す。
  全体が白くなったら水けを拭き、腹骨と、血合いの部分の小骨を除く。薄皮をむく。
  米ともち米は洗い、昆布と酒を加えて水カップ1+1/4で少し堅めに炊く。【すし酢】は合わせておく。ご飯を盤台などに移し、熱いうちに【すし酢】と合わせてあおぎ冷まし、【すし飯】にする。
  台の上に布巾を広げ、さばの身のほうを上にしてのせる。手に酢水をつけて【すし飯】をにぎってさばにのせ、布巾ごとさばを二つ折りにする。さばを押さえ、下になった布巾をキュッと引きながら、ゆるみのないように成形する。
  さばをラップで包み、さらに新聞紙で包む。まな板などでおもしをして冷蔵庫に入れ、一晩おく。食べやすく切り、器に盛る。
ポイント: おもしをはずし、さらに1〜2日間おくと、よくなじむ。冷蔵庫で1週間ほど保存可能。

岡山県北部の郷土料理。各地で親しまれているが、岡山県北部では、すし飯をさば一匹まるごとに詰めた「姿ずし」が名物。以前は祭りやお祝いごとにふるまわれる、ごちそうだった。



48-14d  かきの土手鍋

【郷土料理 広島県】かきとこっくりしたみそ味は、相性抜群。アツアツを家族で囲んで食べたい鍋料理です。


  エネルギー : 360 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分

 講師: 浜崎 典子


(2〜3人分)
・かき (加熱用)  300g
・焼き豆腐 1丁(300g)
・白菜 1/6コ
・えのきだけ 1パック
・生しいたけ 3枚
・ねぎ 2本
・せり 1ワ(60g)

 【合わせみそ】 
  ・白みそ 100g
  ・赤みそ 60g
  ・八丁みそ 40g
  *なければ省き、赤みそを100gにする。 
  ・みりん 大さじ2
  ・酒 大さじ1
・だし カップ3〜4
・塩 
 
    

  かきはざるに入れて塩水の中でふり洗いし、水で洗う。
  焼き豆腐は3cm角に切り、白菜は一口大に切る。えのきだけは根元を落とし、しいたけは軸を除いてかさに放射状の切り込みを入れる。ねぎは5〜6cm長さに切ってから縦半分に切り、せりは5〜6cm長さに切る。
  【合わせみそ】の材料を合わせ、鍋の内径に沿って土手のように塗りつける。かきとせり以外の材料を並べ、だしを入れて火にかける。
  沸騰したらかきとせりを加え、塗りつけたみそを溶かしながら、味を調える。

日本有数のかきの漁獲量を誇る、広島県の郷土料理。鍋の内側に土手状にみそを塗り、好みの濃さに調節しながらいただく。



48-14e  戻りがつおの手こねずし

【郷土料理 三重県】脂ののったかつおと、少し甘めのたれがよく合う、豪快な一品。


  エネルギー : 1720 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 50分 (米を炊く時間、つけだれを冷ます時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(つくりやすい分量)
・かつお (刺身用/サク)  300g
・米 360ml(2合)
・昆布 1枚(5g)

 【つけだれ】 
  ・しょうゆ 大さじ5
  ・砂糖 大さじ2

 【すし酢】 
  ・酢 大さじ3
  ・砂糖 大さじ2
  ・塩 小さじ1/2
・青じそ 5枚
・しょうが 20g
・刻みのり 適量
 
    

  米は洗い、昆布を加えた水400mlで少し堅めに炊く。【すし酢】は合わせておく。ご飯を盤台などに移し、熱いうちに【すし酢】と合わせてあおぎ冷まし、すし飯にする。
  【つけだれ】を合わせて火にかけ、沸騰したらそのままおいて冷ます。かつおを1cm厚さに切り、【つけだれ】につけて20〜30分間ほどおく。
  青じそとしょうがはせん切りにし、青じそは水洗いして水けをきる。
   のすし飯に の【つけだれ】を大さじ2〜3加えて混ぜ合わせ、 のかつおをのせる。青じそ、しょうが、のりを散らす。

三重県の郷土料理。かつお船の漁師が、漁の合間の食事として釣ったばかりのかつおをさばき、ご飯と一緒に手でこねて食べたことから、この名がついたと伝えられる。



48-15  がね

【郷土料理 鹿児島県】さつまいもが主役のかき揚げで、甘くふわっとした食感の衣が特徴。おやつにもぴったりです。


  エネルギー : 200 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分

 講師: 浜崎 典子


(4〜5人分)
・さつまいも (小)  1本(約100g)
・にんじん 50g
・しょうが 10g
・にら 2〜3本

 【衣】 
  ・小麦粉 80g
  ・もち米粉 20g
  *もち米粉を使うとふっくらとした食感になる。ないときは、小麦粉を100gにする。 
  ・卵 1コ
  ・水 大さじ4

 【A】 
  ・砂糖 大さじ1
  ・うす口しょうゆ 小さじ1
  ・塩 小さじ1/5
・揚げ油 
 
    

  さつまいもは5mm厚さの斜め切りにしてから5mm幅の細切りにし、水にさらす。にんじんはさつまいもより少し細めに切る。しょうが3cm長さのせん切りにする。にらは2〜3cm長さに切り、水にさらす。
  さつまいもとにらをざるに上げ、紙タオルなどで水けをよく拭き取る。
   をボウルに入れ、卵を溶きほぐして加え、混ぜ合わせる。水と【A】の調味料を加えてさらに混ぜ、最後に小麦粉ともち米粉を加え、ダマがなくなるまでよくかき混ぜる。
  鍋に揚げ油を170度に熱し、 を少しずつまとめて入れ、こんがりと色づくまで揚げる。

「がね」とはかにを意味し、揚げた形がかにの姿に似ていることから名づけられたともいわれる。



48-15a  ヒカド

【郷土料理 長崎県】小さく角切りにした魚や肉、野菜をだしで煮て、おろしたさつまいもでとろみをつけた、やさしい味わいの煮込み料理です。


  エネルギー : 280 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 30分 (干ししいたけを戻す時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(2人分)
・ぶり (切り身)  60g
*まぐろでもよい。 
・豚バラ肉 (塊)  60g
・さつまいも (小)  1本(約100g)
・大根 60g
・にんじん 40g
・干ししいたけ (小)  2枚
・だし カップ2
・干ししいたけの戻し汁 カップ1/2

 【A】 
  ・酒 大さじ1
  ・うす口しょうゆ 小さじ1/2
  ・塩 小さじ2/3
・細ねぎ (小口切り)  適量
 
    

  ぶり、豚肉はそれぞれ1〜1.5cm角に切り、サッと湯通しする。
  さつまいもは2/3量を1〜1.5cm角に切る。残りは皮をむき、水にさらしておく。大根、にんじんは1〜1.5cm角に切る。干ししいたけは水で戻して軸を除き、1〜1.5cm角に切る。戻し汁はあとで使うのでとっておく。
  角切りのさつまいも、大根、にんじんはそれぞれ熱湯に入れ、サッと湯通しする。
  鍋にだしと干ししいたけの戻し汁を沸かし、 と干ししいたけ、大根、にんじんを加えて約15分間煮る。角切りのさつまいもを加え、さらに5分間煮る。
  材料が柔らかくなったら【A】の調味料を加え、味を調える。残りのさつまいもをすりおろして加え、全体をサッとかき混ぜる。さつまいもに火が通り、全体にとろみがついたら火を止める。
  器に盛り、細ねぎを散らす。

名の由来は、ポルトガル語の「Picado(細かく刻む)」から。江戸時代に伝わった西洋の煮込み料理を原型とし、日本の食材で代用して今日のような形になったとされる。



48-15b  クファジューシー

【郷土料理 沖縄県】豚肉のだしを使って炊くコクと甘みたっぷりのご飯は、大人にも子どもにも大人気の味です。


  エネルギー : 380 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 20分 (豚肉を冷ます時間、米を水につける時間、干ししいたけを戻す時間、ご飯を炊く時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(3〜4人分)
・米 360ml(2合)
・豚バラ肉 (塊)  100g
・にんじん 30g
・かまぼこ 40g(1/3本)
・干ししいたけ 2枚
・豚のゆで汁 カップ1
・かつおだし カップ1
*鍋に水カップ1+1/2を沸かし、削り節2gを1〜2分間煮出してこしたもの。 

 【A】 
  ・塩 小さじ1
  ・しょうゆ 小さじ2
・細ねぎ (小口切り)  2本分
 
    

  豚肉は約カップ3の湯で15〜20分間ゆでて取り出し、冷めてから7〜8mm角に切る。ゆで汁はとっておく。
  米は洗って30分間ほど水につけ、ざるに上げておく。
  にんじん、かまぼこは5mm角に切る。干ししいたけは水で戻して軸を除き、5mm角に切る。
  炊飯器の内釜に米と豚のゆで汁、かつおだしを入れる。【A】の調味料を加えてかき混ぜ、 の豚肉、 を加えて炊く。
  炊き上がったら茶碗(わん)に盛り、細ねぎを散らす。

ふだんの食事にも、季節の行事にも食べられる沖縄の炊き込みご飯。豚肉を使った料理が豊富な沖縄らしく、豚肉のだしを使って炊くのが特徴。



48-15c  しっぽくうどん

【郷土料理 香川県】根菜や鶏肉を、煮干しだしのつゆで煮た体の芯から温まるうどんです。


  エネルギー : 440 kcal (エネルギーは1人分)
  塩分 : -
  調理時間 : 25分

 講師: 浜崎 典子


(2人分)
・生うどん 2玉
・鶏もも肉 70g
・大根 80g
・にんじん 30g
・油揚げ 1/2枚
・里芋 2コ(100g)
・煮干しだし カップ4
*煮干し12gをカップ4+1/2の水に入れて一晩おき、火にかけて煮出してこしたもの。 

 【A】 
  ・うす口しょうゆ 大さじ1+1/2
  ・酒 大さじ1
  ・みりん 大さじ1
  ・塩 小さじ1/3
・細ねぎ (小口切り)  2本分
・七味とうがらし 適宜
・塩 適量
 
    

  鶏肉は一口大のそぎ切りにする。
  大根、にんじんは短冊切りにする。油揚げは油抜きして幅を半分に切り、端から5mm幅に切る。
  里芋は皮をむいて7〜8mm幅の半月切りにする。ボウルに入れて塩適量をふってもみ、水で洗ってぬめりを取り除く。水をかえて2〜3回洗う。
  煮干しだしに を入れて火にかけ、沸いたら を加える。
  根菜が柔らかくなるまで約15分間、弱火で煮て【A】の調味料を加え、味を調える。
  うどんをゆでて器に盛り、 を具とともに上からかけ、細ねぎを散らす。好みで七味とうがらしをふる。

うどんを一年中よく食べる香川県で、秋冬の人気の味といえばこれ。年末、年越しそばの代わりに食す家庭もあるのだそう。



48-15d  いきなりだんご

【郷土料理 熊本県】さつまいもとあんを、塩けのある生地で包んで蒸した素朴な味わいのおやつです。


  エネルギー : 130 kcal (エネルギーは1コ分)
  塩分 : -
  調理時間 : 50分 (生地をねかせる時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(6コ分)

 【生地】 
  ・薄力粉 110g
  ・塩 小さじ1/2
  ・水 大さじ4
・さつまいも (直径4〜5cmくらいのもの)  6cm
・こしあん (市販)  80g
 
    

  薄力粉に塩を加え、水を少しずつ加えて混ぜ、【生地】をつくる。よくこねて【生地】がなめらかになったら堅く絞ったぬれ布巾をかけ、約30分間おく。
  さつまいもは皮付きのまま1cm厚さの輪切りにし、水にさらす。
   を6等分して丸める。打ち粉(分量外)少々を手につけ、生地1コを手のひらで押さえながら、さつまいもより一回りくらい大きくのばし広げる。
ポイント: 中央を薄く、周りを厚めにしておくとよい。
  さつまいもはざるに上げ、紙タオルで水けを拭き取る。 の中央にあんの1/6量をのせ、さつまいも1枚をかぶせる。
  【生地】を少しずつのばし広げながら、さつまいもをくるむ。最後は【生地】をつまんで寄せ、完全に閉じたら閉じ口を平らにならす。
  閉じ口を下にしてオーブン用の紙にのせ、蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で約25分間蒸す。

“いきなり”の名の由来には諸説あり、手早くあっという間にでき上がるからとも、生のいもを「生(い)き成(な)り」調理するからともいわれます。かつてはあんを入れず、さつまいもだけを包んだとか。



48-15e  たい飯

【郷土料理 愛媛県】たいの塩焼きを丸ごと米と一緒に炊き上げます。味のよい秋のたいのうまみを、余すところなく楽しんで。


  エネルギー : 1450 kcal (エネルギーは全量)
  塩分 : -
  調理時間 : 60分 (米を水につける時間、たいに塩をふっておく時間は除く。)

 講師: 浜崎 典子


(つくりやすい分量)
・たい 1匹
・米 360ml(2合)
・昆布水 カップ2
*昆布10gをカップ2+1/2の水に1時間以上つけておいたもの。 

 【A】 
  ・酒 大さじ1
  ・うす口しょうゆ 大さじ1
  ・塩 小さじ1/2
・しょうが 適量
・みつば 適量
・塩 
 
    

  米は洗って1時間ほど水につけて浸水させ、しばらくざるに上げて水けをきる。
  たいは、ウロコ取りや包丁で全体のウロコをこそげ取る。
ポイント: ウロコが飛び散るので、流しにバットなどを置いて作業してもよい。
  エラぶたに指を入れて開き、エラの付け根に包丁を入れ、エラを引き出して取り除く。
  頭を右にして置き、腹を5〜6cm切り開いて内臓を取り出す。
ポイント: 炊き上がり時に切り口が目立たないよう、下になる側から包丁を入れる。
  塩をふって20〜30分間おき、表面の塩をサッと洗って水けを拭き取る。頭を左にし、皮に2〜3本斜めに切り込みを入れて塩をすり込む。
  尾ビレと胸ビレに塩をまぶし、焦げないようにアルミ箔(はく)で包む。魚焼きグリルに入れ、中火で約8分間、焼き色がつくまで焼く。
ポイント: 途中エラぶたなどが焦げそうなときは、上にアルミ箔をかける。
  米を土鍋に入れ、昆布水、【A】の調味料を加える。
  ふたをして強めの中火に約7分間かけ、沸騰したら をのせる。再びふたをし、弱めの中火で5分間、さらにごく弱火で10分間炊く。
  炊き上がったら火から下ろし、15分間蒸らす。
ポイント: 土鍋の密閉状態がよくない場合は、ふたの周りにぬれ布巾を置くとよい。
  しょうがは3〜4cm長さのせん切り、みつばは3〜4cm長さのザク切りにし、ご飯の上に散らす。たいの頭と骨を取り、身をほぐして混ぜて食べる。

「もみじだい」と呼ばれる秋のたいは春の「さくらだい」と並び、味のよさで知られる。ちなみに、愛媛県でも宇和島などの南予地方では、刺身をご飯にのせ、生卵やしょうゆだれで食べるたい飯が有名。