ビデオはフレームとよばれる一連のスチルから構成されている。TVやビデオデッキは、一定の時刻ごとに次々と新しいフレームを交替で表示することによって、動く像を見せている。
日本では、TVの放送の規格としてNTSCが使われている。TV放送が始まったばかりの時は、NTSCでは、1秒あたりに表示するフレームの枚数を30枚に定めていた。ところが、モノクロ放送からカラー放送に切り替えた時に、カラー放送のために新しく追加された信号と、表示をコントロールする信号の振動数がよく似ていて、取り違えが起こりそうになった。そこで、1秒あたりのフレームを29.97枚(フィールドなら59.94枚)に減らすことによって、表示をコントロールする信号の振動数の方を逃がすことになった。この新しいフレーム率での規格をドロップフレームのある(減らしている)NTSCといい、これに対して以前の規格はドロップフレームのない(減らしてない)NTSCという。
現在の
VHSやDVなどのビデオカメラ/ビデオデッキの規格は、ドロップフレームのあるNTSCをベースにして決められている。だから、ビデオの編集などをする場合は、正式にはドロップフレームを意識して作業しなければいけない。しかし、ドロップフレームは1000秒に対してやっと1秒分しかないから、一般には切りよくフレーム率は30枚/秒だと考えて作業しても影響は少ない。しかし、DVなどの新しい規格では、ドロップフレームがあるかないかによる影響が大きくなるために、きちんと対処しておかなければならない。