
[左耳の精霊]
62
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http://www.infonet.co.jp/apt/March/QMF/Yosimatu/SpiritusLoci/ scene/62.html
恐る恐るほこらに触れようとする水樹の手のアップ。
陽光に照らされた水樹の横顔。
水樹の声「未来への神話。旧約聖書、創世紀第6章第13節。そこで神はノアに仰せられた。"すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼等のゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼等を地とともに滅ぼそうとしている。"」
遠くで鐘の音。
水樹、気配を感じ、振り返ると、チャリン!と音がする。
足元に鈴が落ちている。
鈴を拾い上げる水樹。
銅鈴がチチチチチッと金属音を出している。(超低周波の振動)
水樹、突然耳をふさいで、その場にしゃがみこんでしまう。
ゴー!という地鳴りが段々大きくなって来る。
また地震か?!
しゃがんでいる水樹の左耳に、林の向こうから、
村の男達の吠えるような声が響いて来る。
*
村の男達数人がキツネの面をかぶり、女狐と鐘を、鎮守の林に埋める
暴力的なイメージカット。
*
しゃがんでいる水樹に、突然、妙な落下感覚が襲う。
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98-09-10