
[左耳の精霊]
57
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http://www.infonet.co.jp/apt/March/QMF/Yosimatu/SpiritusLoci/ scene/57.html
常盤が古い記録文書を読んでいる。
ふと、あるページに目が止まる常盤。
水樹の声「羅漢が山へ失せし鬼のおりんを慕いける魂の甚だ深きこと如何ほどなるや。その鬼が想いの甚だしきは、おりんが八雲の社に奉納せし黒髪を盗みて、それを抱いたまま己が姿を、五百の羅漢の石仏のひとつに変化せしほど也。その石仏今だ定まらざる也。その悲しみ、百年の後にこそ癒えにけるかなと、さる高名なる和尚の念仏を唱えて癒えにける也」
記録文書から目を上げる常盤。
常盤「百年後?日露戦争が1912年。ってことは...2012年?」
(カットバック:シーン#7)
常盤の覗いたフレームの中の陽光を浴びた水樹の横顔。
フレーム内の日付は2012年10月。
常盤「2012年になってるぜ」
常盤、眼鏡を持ち上げる。眼鏡に反射する記録文書の文字。
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98-09-10