
[左耳の精霊]
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http://www.infonet.co.jp/apt/March/QMF/Yosimatu/SpiritusLoci/ scene/06.html
草の中を何か素早い獣が走り抜けて行くイメージの緑の映像と複数の男どもの唸り声。「ハッ!」という荒い息づかいのSE。
白島稲荷の赤い柱のトンネルをカメラがすり抜けてゆくスロー映像。
その赤い流れの狭間に複数の白い狐の面が浮かぶ。
赤と白の流れた映像でストップモーション。
黒字のタイトルが浮かぶ。
"左耳の精霊 -spiritus loci-"
ケルト風アンビエントの調べ。
三滝寺・石仏像アップのいくつかのカットにクレジット。
石仏と対照的に交互に現れる都会の風景。車・人ごみ・ネオン看板など。
老人の声「百年が眠りより目覚めし鬼の、おのが姿あきらかならざるままに山くだりて里へいでしなり。里の移り変わりしさまはなはだしく誠にこの世ならざりけるけそうなり。里人はがねのいたちにのりて、おどろおどろと言いてゆきかえるなり。都のいろど<り生き肝を抜くがごとし。壁に身の丈三十尺もの女人の絵姿などもあり(JASのスチュワーデスの看板の見上げのカット)。しかして、だれひとりとて鬼が姿に恐れおののきし者おらず。ただ好奇嘲笑のまなざしのみありなん。鬼、姿見にうつりし己が姿の醜きことのはなはだしきに、里人を真似て化けにけるなり。百年が眠りの内に、鬼の己が正体すらおぼろげとなりしが、"我が目覚めしは何故ぞ?"とつぶやきにけるなり。その声、地鳴りが如き響きなるときこえしなり。」
人ごみの間をフラフラとさ迷う鬼山の視点による群集の映像。
ドクン!(鬼の鼓動)
鐘突き堂の石畳の狐の面を拾い上げる女の手。
裸足の足が立ち去る。
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98-09-10