NEC外字

　実際のところ、MacOSのシフトJISではこれらの文字の符号に別の文字を割り当てている。したがって、WindowsからMacOSに電子メールを送ったりWindowsでウェブを作ってMacOSで見たりする時にこれらの文字が含まれていると、それらは括弧に曜日などの全く別の記号として表示(/印刷)されてしまう。この点で、WindowsのシフトJISとMacOSのシフトJISとは(ほんの少しだけ)食い違っている。unixや携帯でもこれに近いことが起る。

　これらの文字は、Windowsが発表された前後の時期に(日本では)広く使われていたPC-9801シリーズのために、NECによって定められた。これらの文字は後に(日本語対応の)Windowsにも採用され、NEC外字(またはNEC特種文字)とよばれるようになった。

　NEC外字はほとんどが記号なので、MacOSやunixでWindowsのテキストを見て字化けしていても、意味が全く分からなくなることはめったにない。しかし、申し込みやアンケートで選択して回答する番号を○に数字やローマ数字で書いたりすると、それが読めなくて回答できなくなることがありうる。また、宛先に"(株)"や"(有)"などの記号を使って字化けしたら失礼になるかもしれない。
　見る側がWindows以外のコンピュータ(/携帯)を使っているかもしれない場合は、NEC外字は使ってはいけない。

　90年からはNEC外字のうちの数学記号(△図)がJISにも取り入れられた。しかし、JISではこれらにほかの数学記号と揃うように符号を割り振ったので、事態はもっと悪くなった。
　現在のWindowsにはNEC外字の数学記号とJISの数学記号とが重複して含まれている。これらは同じ文字として表示されるので見ただけでは区別がつかない。しかし、符号は違うので検索しても見過ごされてしまうことがありうる。

　最近では、多くのアプリケーション(たとえばWord、Excelなど)がユニコードで文書を記録/通信するようになってきた。ユニコードでは、NEC外字に対して正式に符号を割り振っている(だから外字と言ったらいけないか)。そのため、これらのアプリケーションを使っていれば、WindowsでもMacOSでもNEC外字を字化けしないで読み書きすることができる。この傾向が進んでいけば、NEC外字(じゃなくなるんだって)の問題で困ることは少なくなるだろう。

"○"つき文字	1、2、...、20
	左右上下中
ローマ数字	I II III IV V VI VII VIII IX X
単位	かな	ミリキロセンチメートルグラムトンアールヘクタールリットルワットカロリードルセントパーセントミリバールページ
	ABC	mm cm km mg kg cc m²
元号	明治大正昭和平成
左上-右下引用符
No. K.K. TEL
"()"つき文字	(株) (有) (代)
数学記号の一部	≒ ≡ ∫ �@ Σ √ ⊥ ∠ �A �B ∵ ∩ ∪