どんなコンピュータにもすべての書体のフォントをあらかじめ搭載しておければいいけれど、フォントの種類はいくらでもあるからきりがない。そのため、製品として出荷されているコンピュータには、明朝体や誰でも使いそうな限られた種類のフォントしか搭載されていない。
特別な書体が使えるようになっているコンピュータがあるのは、そのコンピュータの持ち主が、
ソフトウェアとして流通しているフォントを買ってきて、自分でコンピュータに格納しておいたからだ。
このような事情から、文章を表示(または印刷)するのに使えるフォントの種類はコンピュータ(やプリンタ)によっていちいち違っている。そのため、(特にグラフィックデザインでは)自分が使っている書体はほかのコンピュータでは表示できないかもしれないということをしっかり意識しておかなければいけない。
たとえば、ポスタなどをデザインする場合には、製版に使うシステム(プリンタやタイプセッタ)ではどんな書体が使えるか聞いておいて、その書体の中から使う書体を選ぶようにしなければいけない。手元のコンピュータで使えるからといって、勝手に選んだ書体を使ってリッチテキストやグラフィックス形式(たとえばIllustrator形式)のファイルを作って持って行っても、その書体で印刷することはできないことが多い(対策はある)。
外字も独自のフォントと同じことなので、外字を含むテキストをほかのコンピュータに持って行く場合には、フォントも合せて持っていかなくてはいけない。