このほかにも、小型の映画のための規格でかなり前に使われなくなったパテ式やW8(16mmのフィルムに撮影して現像してから半分に切る)、横長スクリーン用のさらに幅のあるフィルムなどがある。
フィルムの寸法とムービの(内容の)寸法とは、混同されることが多いが、厳密には違う。左右を圧縮して記録する、シネマスコープなどの多くの方式があるからだ。
Q:
メモリカード(▽図左)を使うカメラよりきれいに撮れるからって言われたので、フィルム(同右)を使うカメラも試してみようと思っています。
それでカタログを調べているんですが、フィルムのカメラって、解像度が書いてありません。実際はどのくらいなんですか?
(05-09-15、か...さん)
A:
まず、
有効セル数(=解像度に像ができる面の大きさも考え合せたもの。この話しではこっちの方が大切)が書いてない理由を説明しておきましょう。
メモリカードを使うカメラ(=デジタルスチルカメラ、いわゆるデジカメ)では、像が形成される面がカメラの一部として本体に組み込まれています。これに対して、フィルムのカメラでは、像はフィルムの表面にじかに形成されるようになっています。だから、有効セル数はフィルムによって決まってしまうので、カメラによって決まる有効セル数というのはないんです。
フィルムにはいろんな
感度のものがありますが、標準的なのは
ASA100というフィルムです。このフィルムの有効セル数は3500万セル/フレームぐらいに相当すると考えられています。現在の一般向けのデジタルスチルカメラは有効セル数が数百万セル/フレームなので、フィルムは1桁勝っていることになります。
どっちの方式のカメラでも、感度を上げようとすると、それと引き換えに有効セル数は減ってしまいます。フィルムの場合は、感度が2倍になると有効セル数は1/√2(=約7割)になります(▽図)。たとえば、
ASA400のフィルムの有効セル数は1750万(=3500万/2)セル/フレームということになります。