資料シート

エスケープシーケンス

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/escape.html




 表示したり印刷したりしてほしい文字をその順序にしたがって並べたものをテキストという。作文した結果を保存したファイルの中に書かれているもの、コンピュータから印刷をしているプリンタへケーブルを通って流れているものは(大まかに言って)テキストだ。
 ところで、テキストの中には、何文字かで一つの特別な文字(などの情報)として読み取ってほしいストリングが含まれていることがある。たとえば、HTMLでは"&"と書いてあったら"&"(アンド)を意味するし、ユニックス(unix)のコマンドやプログラミング言語のCでは"\n"は行末を意味する。こういうものをテキストの中に混ぜるのは、できたら止めた方がいいんだけれど、どうしてもしないわけにはいかない場合だってあるかもしれない。これらのように、ふつうの流れからは"逃がさ"なければならない何文字かの塊りをエスケープシーケンス(escape sequence=例外一連部分)という。
 エスケープシーケンスにはいろんな種類がある。
 エスケープシーケンスは、ふつうはただの文字として使われている文字を使って組み立てられている。だから、ふつうの文字として読み取る部分とエスケープシーケンスの一部として読み取る部分とが、区別できるようにしておかないと困ったことになる。たいていは、何か特別な文字をエスケープシーケンスの始まりの目印の文字として決めておく。そして、それが出てきたら、そこから何文字か、あらかじめ決めてある表に載っている部分をエスケープシーケンスとして扱う、というふうに決めてある。この始まりの目印の文字をエスケープ文字という。ふつうはまさしくエスケープ(1B=×××○○×○○、"esc"と書き表わされる)という文字がエスケープ文字として使われる。HTMLでは"&"がエスケープ文字に使わていれる。ほかに"\"(unix)、"%"(正規表現)、"!"(テクトロニクス命令)などもよく使われる。


MS-DOSの場合


MS-DOSでは、モニタ制御命令をエスケープシーケンスとして表現し、ふつうのテキストと混ぜてモニタに送り出すようになっていた(▽)。


escに続く部分
機能
[1:1H
[1:1f
カーソルを1行目の1字目に移す
(ほかの行目のほかの字目でも同様)
=100001100001
カーソルを1行目の1字目に移す
"10"以下の4桁の2進表記で行目と字目を指定する
[1A
カーソルを1行分だけ真上に移す
(ほかの行数でも同様)
[1B
カーソルを1行分だけ真下に移す
(ほかの行数でも同様)
[1C
カーソルを1字分だけ真右に移す
(ほかの字数でも同様)
[1D
カーソルを1字分だけ真左に移す
(ほかの字数でも同様)
[0J
カーソルがいる所から最下の行の最右の字までを消す
[1J
最上の行の最左の字からカーソルがいる所までを消す
[2J
*
全部を消してカーソルは最上の行の最左の字に移す
[0K
カーソルがいる所から同じ行の最右の字までを消す
[1K
同じ行の最左の字からカーソルがいる所までを消す
[2J
カーソルがいる行を全部消す
[1M
カーソルがいる行から1行分だけ消しさらに下の行は上に詰める
(ほかの行数でも同様)
[1L
カーソルがいる行から下の行を繰り下げて1行分だけ開ける
(ほかの行数でも同様)
D
カーソルをその下の行の同桁に移す
E
カーソルをその下の行の最左に移す
M
カーソルをその上の行の同桁に移す
[s
カーソルの今の行目+字目+表示を覚える
[u
カーソルを前に覚えておいた行目+字目+表示に変える
[6n
カーソルをキーボードから打ち込むとおりの行目+字目+表示に変える
)0
カーソルを日本字用に変える
)3
カーソルをグラフィックス用に変える
[>5l
カーソルを見えるようにする
[>5h
カーソルを見えないようにする
[>1l
機能キー内容表示を見えるようにする
[>1h
機能キー内容表示を見えないようにする
[1:4:31m
これからは字をハイライト(1)*下線つき(4)*赤(31)で表示する
(1、4、31をps番号といいほかにもいろんな指定ができる)
[>3h
スクリーンを20行に分ける
[>3l
スクリーンを25行に分ける
[>3n
スクリーンを31行に分ける
[A:65:78:83p
["AANS":p
"A"のキーを打ったら"ANS"と続けて打ったのと同じにする
ほかのキーにほかの綴りを割り当てることもできる


HTMLの場合


 HTMLでは、区切り記号の一部やアクサン文字、ウムラウト文字などをエスケープシーケンスで表現して本文に埋め込むようになっている。


文字符号系を混ぜて使う場合


 JIS2単位系の符号(漢字などを意味する)とISO系の符号(ラテン文字などを意味する)とは混ぜて使うことが多いが、この二つは混ぜてしまうと区別がつかない。そこで、ISO系からJIS2単位系に変わる所と、逆にJIS2単位系からISO系に変わる所とに、それぞれSI/SOとよばれるエスケープシーケンスを入れておくことになっている。



メディアテクノロジー論  石原ゼミ


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99-04-30