資料シート●各科目

ダゲレオタイプ
Daguereotypee

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/Daguereotype.html






[静物] (1837)


[タンプル大通り] (1839)


 フランスのNiépce(ニエプス、Joseph Nicéphore)は1824年ごろに写真の技法を発明し、のちにヘリオグラフ(Heriographe)と名づけた。画家のDaguerre(ダゲール、Louis Jacques Mandé)はこの発明に興味を引かれ、29年に、互いの研究の成果を交換し合う契約をNiépceと結んだ。33年にNiépceは亡くなるが、Daguerreは独自に研究を続け、ヘリオグラフよりも便利で正確な写真の技法を発明した。Daguerreはこの方式をダゲレオタイプ(Daguereotype)と呼んだ。

 ダゲレオタイプでは、金属板に沃化銀を塗って、そこに専用のカメラ(▽図)を使って数十分ほど像を結ばせておき、それから水銀の蒸気に曝す。すると、光が当たっていた部分の沃化銀は還元しやすくなっているので、沃素が銀から水銀に移って、あとには銀が残る。この銀の色と地の金属の色との違いによって像が現れる。



ダゲレオタイプのカメラ
([柏木]より引用)

 Daguerreは、フランス政府から終生年金を得て、代わりにダゲレオタイプの特許を取得する権利を放棄した。こうして、写真は個人が自由にスチルを記録できるメディアになった。

 Daguerreはパリでジオラマ(Georama)の興行を行なっていたので、現実感のある背景画を描くのにヘリオグラフが役に立つと考えたのかもしれない。ジオラマの背景画の下絵として使うのなら、屋外でしか撮影できないとか、恣意的とかいったヘリオグラフの欠点は問題にならなかったのだろう。




もっと知りたい人のための資料

飯沢耕太郎
講談社現代新書 1287
写真美術館へようこそ
(講談社 96-02-20)

実際の作品がちゃんと出ていて それを通じて写真の歴史と現在を教えてくれる本
!!! おすすめ !!!
ISBN4-06-149287-X 750円

Wikipedia
ダゲレオタイプ
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B2%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97 06-06-13)

ダゲレオタイプで撮影された写真も紹介されている


参考にさせていただいた資料

柏木博
20世紀をつくった日用品
(晶文社 98-11-10)


スチル


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03-04-20