資料シート/[三月劇場]

コレオグラフ

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus
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 舞踏や体操の振付け、およびそれを書き記したものをコレオグラフ(=choreograph)という。
 コレオグラフを設計+作図する作業、およびその技術をコレオグラフィ(<choreography=振付)、コレオグラフィを行なう人はコレオグラファ(<choreographer=振付師)という。




歴史
村井麻美 細谷由紀子


 "choreograph"ということばはギリシャ演劇のコロス(=choros=舞台の要素の一つで一群になって踊ったり歌ったりする人々)に由来する。実際、バレエでは、コレオグラフは群舞の人たちの入/退場の方向の図式として始まった。その後、いくつかのステップが定型として確立するにつれて、作品の全体が要素としてのステップのある順番での組み合わせとして構成できるようになり、その組み合わせを設計し、図化することが重要になった。こうして、バレエにおけるコレオグラフは作品の全体の構成の設計と図式へと進化していった。


形式


 フランスのファーイエ(ラウル、1675-1730)は1701年に[振付舞踊記譜法]を著わして、系統的な振付の記譜法を提案した。
 ファーイエ譜(▽図)では、ステップの位置、方向、距離などを平面図として記述することができる。時間との関係は、伴奏の音符とステップとを対応させることによって表現する。



ファーイエ譜
(資料[Grau98]より引用)

 イギリスのルドルフおよびジョーン-ベネシュは、人体の姿勢を記述する形式としてベネシュ譜(▽図)を提案した(1940年代)。




ベネシュ譜
姿勢(上)とそのそれぞれの記述
右側はアラベスクと呼ばれる姿勢
(資料[Grau98]より引用)

 ベネシュ譜は、作曲/演奏で用いられる五線譜と同じように、床、膝、腰、肩、頭の高さのそれぞれに人体のどの要素が配置されるかによって姿勢を記述するもので、振付に限らず、いろんな用途に応用することができる。ただし、ベネシュ譜だけでは、舞台に対する配置を表現することはできない。


構成
小室歌織


 二つの例を見比べて、コレオグラフが何を単位として組み立てられているか考察する。

例A (舞踏)

 以下(6呼間)をベーシックパタンとして反復。
00. 左足でその場でリープ。同時に右足膝を前に上げる。
01. 左足トゥを下に向ける。
02. 左足でホップ。
03. 右足で左足の後ろにステップ。
04. 左足でクローズステップ。
05. 右足でホップ。同時に左足で前にプッシュキック。
06. 左足で右足の前に大きくステップ。
07. 左足でホップ。

例B (体操:床運動)

00. 前方および後方へのアクロバット的跳躍技。
01. 片脚でのバランス技。2秒静止。
02. 倒立。2秒静止。
03. 柔軟性を表現する技。

 例Aでは、コレオグラフは踊りによって変わる手足の動かし方を単位として組み立てられている。それに対して、例Bにおける要素は、独立した個々の技であると言える。




参考にさせていただいた資料

Andr仔 Grau
Dance
(Dorling Kingsley Ltd. 98)

(同日本語版)
アンドレー-グロー
ビジュアル博物館
舞踊
(同朋舎 99)


学習を深めるための資料

監督:ジム-シャーマン
ロッキー-ホラー-ショー
(75年、99分)
作品の始め近くの、[タイムワープ]を踊るシーケンスに、コレオグラフを使ったギャグが現われる

日本舞踊の足運び
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[メディアテクノロジー論]

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