○論理について
技術の制約には、本質的に避けられない制約と、現在は避けられないがいつかは避けられる制約とがある。あとのは、技術の制約じゃなくて、むしろ商品としての制約とか制度の制約と言った方がいいかもしれない。
たとえば、
電子メールは郵便よりも何倍も速く届き、電話のように相手が出られる状態でなければならないということもない。
というのは技術的特性で
携帯電話の決定的な弱点は、範囲が日本国内だけだということです。
というのは制度的制約だ。
技術の制約について論じる場合は、この二つを区別した方がいい。どっちも論点としては有効なんだけどね。
電子メールにはこれがあってこれがあって、ところで電話(またはファクスや携帯メールや)の方にはこれがあってこれがあって...みたいに一方的に特徴を説明するだけではいけない。
比較論を展開しないと。つまり、対照メディアの特徴を一つ指摘したら、すぐにそれが電子メールではどうなっているか検討するようにしよう。もしかすると、その特徴って電子メールでも同じかもしれないだろ。
大切なのは、これは電子メールと電話(またはファクスその他)とでは違うのか(そしてどっちが優れているか)同じなのかってことだ。
○表現について
"e-メール"っていうのはただの流行語。つまり、ここ1〜2年の電子メールを指してるわけだから、過去未来も含めてすべての時代の電子メールについて議論する場合に使うのはおかしいよ。
ここはきちんと"電子メール"と書こう。
"FAX"って書き方だけど、こういう表現は、名刺や住所録みたいに字数が限られている場所で使うんならいいけど、文章の中で使うとヘンだよ。
ここはやっぱり"ファクス"だろうね。
"ハッカーに内容を盗み読みされる原因になっている"みたいな表現は新聞でもよく見かけるけど、これは間違い。ハッカーっていうのは、コンピュータのエキスパートのことだから(少なくともインタネットの社会の中では
用語法のRFCでこう規定されている)、悪事をはたらくような人はハッカーと呼んではいけない。
この場合は"クラッカーに"って書くのが正しい。