学習書/[情報処理]

演習
電子メールとファクス
報告

佐伯亮則
(99年度履修生)


http://www.infonet.co.apt/March/syllabus
/Literacies/Internet/gallery/Saekia.html




 まず、普通郵便と電話とを比較してみる。普通郵便は早くても1日はかかる。しかし、相手が不在でも届く。これに対して、電話は即時的であり、その場で返答できるが、不在では話ができない。つまり、普通郵便は家を空ける人にも出せるが、即時性を考えると電話がいい。ただし、最近の電話では、不在の人にも伝言を残せる留守番電話があり、頭一つ抜き出ている。
 携帯電話やPHSは常に持ち歩くために不在になることはない。PHSは地下でも使える。高速移動時では携帯がPHSを凌ぐ。最近はPHSと携帯電話の両方の昨日を兼ね備えた携帯通信機器も登場しているが、通話料が高い、地域によっては繋がらないといった問題は、まだ内包している。
 私の考える比較対象は留守番電話や携帯電話ではない。それは、ファクシミリである。ファクシミリは画像情報を細かい区画に分け、そこが黒いか白いかを、デジタル信号として電話線を通して送受信する。一般の家庭には、広く普及しているが、留守番電話より少し遅れ、普及率はまだまだ低い。
 ファクシミリの長所/短所を挙げてみよう。ファクシミリがあれば即時的なやり取りをすることができる。それだけなら電話と同じだが、電話で大量の情報を伝達すると目の飛び出るような額の請求書が手渡されることになるが、ファクシミリなら何度かやり取りをしたとしてもたいしたことはない。貧乏学生にはぴったりだが、貧乏学生にはファクスつき電話は買えない。
 そんなファクシミリだが、用紙が必要だし、受信した用紙を貯めて置く事もたいへんだ。紙と言うものは意外にかさばるもので、邪魔なのだ。経費にも収納にも不便だ。
 ところがこの問題に関しては解決方法がある。パソコンにファクス機能を載せて受信データをハードディスクなどに保存すればいい。ウィンドーに表示させれば、紙にいちいち印字する必要もない。
 では、それに対して電子メールはどうだろうか。電子メールは短時間で相手のホストに間接的に送るため、即時的に不在でも送ることができるし、どこからでも電話線に繋げば受け取ることができる。しかし、端末を持っていないといけないし、持っていても契約した人でないと利用できず、普及率がファクシミリよりも低く、全ての人が使えないといった問題もある。
 以上をまとめてみよう。


時間
相手が必要か
その他問題
普通郵便
遅い
1日かかる、返事が必要
不在でも届く
ポスト投函の手間
電話
早い
即時的、その場で返答できる
不在では話ができない
長電話で通話額大
ファクス
早い
即時に印字
不在でも送受信できる
用紙と普及率に難
電子メール
早い
すぐ受け取って読める
不在でも送受信できる
端末、普及率

 四つの中からどれを選ぶかは、どの特徴を優先するか次第だ。
 ところで、私はこれらに負けずとも劣らない優れたものを発見した。それは、留守番電話である。
 先に留守番電話は劣るといったが、それは少し前までの留守番電話である。留守番電話は長期で不在する人は自宅に帰るまで聞くことができないと思われているが、留守番電話には遠隔地で自宅に電話をかけ、伝言を聞くことができる機能がある。これがあれば電波の状態や高額の通話料、用紙を気にしなくとも情報を受け取れる。それに電話は電子メールやファクシミリに比べればその普及率は高い(*1)。留守番電話は圧倒的に有効な手段となり得よう。
 そんな留守番電話にもただ一つの問題点が残されている。それは相手がこまめにチェックしなければ即時性がなくなるということだ。
 新しい携帯電話の留守番電話サービスでは、留守番電話サービスセンターに送られるので、電波の状況を気にすることはない。また実際に見てはいないが、伝言がセンターに送られた場合には液晶画面に表示が出るそうだ。携帯電話を持っている人たちは、時計替わりにこまめに見るので、伝言に素早く気付くであろう。
 以上のように、私は携帯電話と融合した新しい留守番電話を最も優れた媒体と考えたい。そのほか、ファクシミリをコンピュータ化することによって用紙を節約するなど、複数の種類の情報端末の融合についてはさらに探究するべきであろう。

*1) 最近は、20代で一人暮らしをする人には、電話を引かずに携帯電話で代用する人が多く、若年層では電話より携帯電話の普及率の方が上、という事実もある。


 自分の実際の見聞(と信じよう)を中心にいろんな材料を動員して考察しているし、はっきりした結論も得られている。いい成果だ。
 一つだけ、もっといい学習ができるようになるため指摘しておくが、この考察のように、数値を比較して議論を展開する場合には、必ず、実際の数値を自分で確認するべきだ。
 まず、新聞などの報道も含めて、世間で"多い"とか"少ない"と言われていることを信用してはいけない。20%を"多い"という人もいれば、60%を"少ない"という人もいるからだ。そもそも、報道に携わっている人たちに、情報を正しく判断できる力が必ず備わっているなんて信じてはいけない。ただの世間なんてなおさらだ。
 また、現代が日月(分秒?)単位で変化している時代だということも忘れてはいけない。したがって、前に聞いたことでも、今は違うのかもしれない。
 最後に、いろんな情報源から情報を寄せ集めてはいけない。特に数値として整理されている情報は危険だ。それぞれの数値は、主張を補強するのにつごうのいい方法で集計されているからだ。同時に統計された数値でなければ、センチの数値とインチの数値を比べるのと同じくらい意味がない。
 今後の学習に期待する。

(石原)



このページの記事は、科目[情報処理]を履修した学生が、課題[電子メールとほかの通信]の学習の一環として調査してくれました

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