ノート/[三月劇場]
CanBeでIFC-UPを使う
http://www.infonet.co.jp/apt/March/fragm/IFCUP.html
IFC-UPはCanBeなどのウィン機でSCSIを使えるようにするカードだ。この資料には、CanBeにスキャナFB620S(CanoScan)をつなぐための作業をしてみて分かったことを記録しておく。
FB620Sは、超薄型で倒して置いたままでも使えるというちょっと変わったスキャナだ。実は、このスキャナを使うというだけなら、SCSIが使えるようにする必要はない。このモデルの代わりに、パラレルポート接続モデルのFB620Pを使えばいいからだ(それにその方が安く買える)。筆者の場合は、同じスキャナをマックにもつなぎたかったのでFB620Sを選ばなければならなかった。それが事情をややこしくしてしまった。
この作業には、コンピュータ、SCSIボード、ボードにつなぐSCSI機器(たとえばFB620S)のマニュアルが必要になる。少なくとも、以下のマニュアルだけは揃えておかなければいけない。
コンピュータ
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PC-9821Cu10 ユーザーズガイド
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SCSIボード
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IFC-UP ユーザーズマニュアル
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機器
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配線+ドライバ組込み+操作(テストのため)について調べられるもの
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このほかにも工具やフロッピが少し必要になるが、それは手順ごとに書いておく。
00
PCIセットアップディスクを作っておく
作業がうまく進めば必要ないが(筆者はわけが分からなくなって何回か使ってしまったが実際には必要なかったような気がする)、万一に備えてPCIセットアップディスクを作っておいた方がいい。
PCIセットアップディスクはCanBeのアクセサリとしてついてきている(とIFC-UPのマニュアルには書いてあった)らしいが、いつでも作れるので、見つけられなかったら新しく作ればいい。
PCIセットアップディスクは、これからの作業で何か問題が起こってウィンが起動できなくなった場合に、原因になった問題を取り除くのに使う。
PCIはこれからIFC-UPを差すソケットだ。CanBeのウィンは起動する時にPCIの属性を決定する。属性の中で特に問題になるのは対応するメモリのアドレスとIRQだ。これが正しく決定されないことがある。そうなると、IFC-UPかほかの端子(筆者が体験したのでは内蔵ファクスモデム)が機能しなくなる。ただ、それにしてもともかくウィンは使えるし、障害もすぐ直せるので、何も怖いことはない。ただ、よほどまずいことになるとウィンが起動できなくなることがあるらしい。こんな場合でも、PCIセットアップディスクがあれば、ウィンを通さないで直接にCanBeを操作できる。これでPCIの属性を手で割り当て直せば、またウィンを起動できるようにすることができる。
この手順で使う資料
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実行用フロッピィディスクの作り方
(PC-9821Cu10 ユーザーズガイド、pp.211)
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この手順で使うもの
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フロッピ×1
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01
使うのをあきらめる端子を決める
CanBeは(もしかするとウィンはみんなそうかもしれないが。以下略)、起動する時に、本体につながっている全部の端子(正式には"デバイス"というらしいがこっちの言い方の方がイメージが近いと思う)にIRQという番号を割り当てる。CanBeでは、IRQは16種類(00〜15)しか準備してない。つまり、CanBeの端子は16個までしか使えない。
ところが、CanBeは買ってきた時にはもう端子が16個ついている(ハードディスク、FDドライブ、CDドライブも、外からは見えないが端子にケーブルを差してつながっているのを忘れずに)。だから、IFC-UPを差すなら代わりにどれか一つ、使うのをあきらめる端子を決めなければならない。
CanBeにはどんな端子があって、それぞれにはIRQがどう割り振られるようになっているかについては、割り込みレベル DMAチャネル ROMアドレス空間(PC-9821Cu10 ユーザーズガイド、pp.118)に解説がある。
なお、SCSI機器を2台以上つなぐ場合でも、IRQは一つだけ空いていればいいらしい。たぶん、SCSIボードをさす端子は一つだけあればいいからだろう。
IFC-UPのマニュアルはCOM2をあきらめることを前提にして書いてある。NECの相談窓口も同じ意見だった。実際、ほかに選ぶ余地はないと思う。
COM2はモデム、タブレットなどをつなぐのに使う端子だ(これに使う端子はもう一つあってそっちはCOM1という)。COM2の方は本体背面右寄りについていて、その下に"[2] IOIOI"と書いてある。これらの端子の場所は斜め後ろから見たところ(PC-9821Cu10 ユーザーズガイド、pp.30)にも図で示されている。
CanBeのマニュアルでは、記事によってCOM2のことをシリアルコネクタ2とかセカンドCCUと呼んでいることがある(正確にいうとセカンドCCUはCOM2を機能させるユニットだがここでは同じものと考えていい)。
02
COM2をウィンから外す
(前半)
あきらめることに決めた端子(たぶんCOM2)をウィンから外す。この作業は、IFC-UPのマニュアルでは問題が起こってからやればいいみたいに書いてあるが、CanBeでは必ずやらなければならなくなるので、あらかじめ済ませておいた方がいい。
ウィンからCOM2を取り除くための操作はリソース競合の確認 [!]のとき](IFC-UP ユーザーズマニュアル、pp.31)に書いてある。この操作は[システムセットアップ]での操作と[デバイスマネージャ]での操作とに分かれているが、この段階では、まだ前半(資料の1〜4)の部分だけしかできない。手順の後半(資料の5〜10)はあとでほかの作業が終わってから行なう。
なお、資料の記事は、いくつか細かい所で実際の操作とは食い違っている所がある。
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記載
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実際
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[2]
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[動作環境]
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[動作環境の設定1]
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(この段階での手順の分だけ)
03
IFC-UPをPCIバスに差す
まず、プラスドライバと幅広の両面テープが必要なので準備しておく。両面テープは、ねじを外してからまたつけるまでの間、なくさないように貼りつけておく場所を作るのに使う。
この作業の手順は以下の資料に載っている。CanBeとIFC-UPと両方のマニュアルが必要になるし、あちこちに分かれて載っているから、目を通してイメージリハーサルをしておくと慌てないですむ。
○分解するために外した部品は、原則としてどれもあとで元に戻さなければならない。スロットに蓋をしていたプレートだけは例外でいらなくなるが、それを留めていたねじの方は必要なのでなくしてはいけない。
○ねじのなかにはワッシャがついているものがある。外す前にワッシャがついていないか確かめて、外す時に機械の中に落とさないようにしないといけない。
匡体と本体とを止めるねじ
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ボルト×3
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本体
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カードガイドのボルト
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本体
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プレート(スロットの蓋)のボルト
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表
取付けで外したりつけたりするねじ
○匡体から本体を抜き出す時に、CRTの電源ケーブルと接続ケーブルが引っかかってしまう。それを避けるために、ケーブルを抜いたら持ち上げて両面テープで匡体に貼りつけておいた方がいい。
○IFC-UPは接点の形のせいで本体の前方寄りに差さってしまうことが多い。よく見て正確に差さないといけない。
この手順で使う資料
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パソコン部の取り出し方
(PC-9821Cu10 ユーザーズガイド、pp.88-90)
・
PCIスロットへボードを取り付ける
(PC-9821Cu10 ユーザーズガイド、pp.108-110)
・
IFCの取り付け
(IFC-UP ユーザーズマニュアル、pp.12)
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この手順で使うもの
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プラスドライバ
幅広の両面テープ
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04
外付けSCSI機器をつなぐ
[外付けSCSI機器の接続]の記事(IFC-IPユーザーズマニュアル、pp.16)の指示にしたがってスキャナなどを接続する。
場合によってはpp.17-18も役立つかもしれない。
05
ウィンがカードを受け入れたか確かめる
(実は確かめられない)
[動作確認 PC-9821シリーズの場合]の記事(IFC-IPユーザーズマニュアル、pp.20)によると、ここでコンピュータの電源を入れると、すぐメッセージが表示されて、ウィンがカードを受け入れたかどうか確かめることができることになっている。しかし実際には特に何も表示されない(場合がある?)らしい。つまり、メッセージが確認できないのとボードや機器が正しく接続されているのとは全く関係がないから気にしなくていい。
どちらにしても、あとの作業に必要なので、ウィンは起動しておかなければならない。
06
ウィンのバージョンを調べる
ウィンを起動して(前の手順のために起動しているならそのまま)、コンピュータに載っているウィンのバージョンが4.00.950a(または4.00.950)と4.00.950Bとのうちどちらなのか確認しておく。
これがどちらかによって、あとの手順で参照する資料が違う(うちのでは初めの方だった)。
07
ドライバを組み込む
ウィンを起動して(前の手順のために起動しているならそのまま)、ボードのと機器のそれぞれが機能するのに必要なソフトウェアをウィンに組込む。
ボードのソフトウェア(資料では"ドライバ")は[Windows95(4.00.950/4.00950a)](IFC-IPユーザーズマニュアル、pp.22)か[Windows95(4.00.950B)](IFC-IPユーザーズマニュアル、pp.23)のどちらかの手順で組み込む。どっちにしたがうかは前の手順で確かめたウィンのバージョンによって違う。
08
COM2をウィンから外す
(後半)
ここまでできたら、前に途中までやっておいたCOM2をウィンから外す作業の後半(資料の5〜)をやる。
この作業の最後では、ウィンを再起動する。再起動したらSCSIは使えるようになっている。
なおここも、資料と実際の操作とが食い違っている所がある。
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記載
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実際
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(以降は...)
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画面の指示に従って
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(もし表示されていれば) 画面の指示に従って
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PCIセットアップユーティリティの操作
IFC-UPに適切なIRQ(05)を対応づけるのはウィンがやってくれる。しかし、もしそれが何かの理由でできなかった場合は、以下の操作によって自分でやってしまうこともできる(かもしれない)。
00. タスクバーから始めて、プログラム:ユーティリティ:PCIセットアップユーティリティの順番に打っていく。すると、ウィンを終了させてもいいか尋ねるダイアログが表示される。
01. ダイアログの[OK]ボタンを打つ。すると、ウィンが終了して、代わりにPCIセットアップユーティリティが起動する。PCIセットアップユーティリティは表示のようすがウィンとは違うし操作も違う。
02. 上下キーで[ボード]に、さらに左右キーでその[設定/更新]にカーソルを乗せる。そして[return]キーを打つ。すると、[Cボード/PCIボード]のページが現われる。
03. 左右キーで[PCIボード]に、さらに上下キーでその[ボード1]にカーソルを乗せる。そして[return]キーを打つ。すると、[ボード1]のページが現われる。
04. 左右キーで[IRQ]にカーソルを乗せる。そして[return]キーを打つ。すると、[可能なIRQ]のページが現われる。
05. 3、5、7の三つの項目が表示されているはずなので、左右キーで5にカーソルを乗せる。そして[return]キーを打つ。すると、また[ボード1]のページが現われる。また、下端に"設定できません"などのメッセージが現われる。
06. [esc]キーを打つ。すると、以前の[Cボード/PCIボード]のページが現われる。
07. また[esc]キーを打つ。すると、以前のPCIセットアップユーティリティが起動した時のページが現われる。
08. 上下キーで[終了]にカーソルを乗せる。そして[return]キーを打つ。すると、何かメッセージが現われる。
09. 電源ボタン(正面にある○にIのボタン)を打つ。すると、コンピュータが止まる。
メルコ
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03-5350-7878 (ほか)
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初めは総受付(録音)が出る
それが終わるのを待って"1"をダイヤルするとIFC-UP担当窓口が出る(空いていれば)
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NEC ユーザインフォメーション
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0120-60-982 (ほか)
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祝祭除く09:00〜17:00
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