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　(グレゴリオ聖歌)
　遠景。
　山の傾斜を、ゆっくりと登る女狐。
　腰の鈴が揺れる。

水樹の声「未来への神話。ブラフマストラの命を受けた何発ものミサイルの炎は、互いに入り乱れ、火の矢に囲まれ、地球と天とその間の空間を覆い尽くした。炎は強まって、世界の終わりの太陽のようになった」

常盤の声「水樹。それはまるで...そう、ヒロシマの神話のようだね」

水樹の声「いいえ、これはインドの古い言い伝え。神々の戦争の記録」

　女狐、振り返り、眼下に広がる地平を見渡す。
　まるで、遥か遠い記憶に思いを馳せるような表情。