[左耳の精霊]
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民俗学研究室(夕方)


 水樹の手が電話に伸びる。

水樹「はい、篠原研究室。」

常盤の声「もしもし、水樹?あの髪の毛のことなんだけど...」

水樹「なんだ、常盤君?ねぇ、このメール何?周波数7型機ってなんのこと?」

常盤の声「オレにもわかんないよ。そもそも、なんでそんなメールが来たのかもね」

水樹「メールは誰から?」

常盤の声「わからない。"T-ZONE"のIDから送ったものらしいんだが、気になるのはそのメールに"oniyama"というサインが付いてたことなんだ」

水樹「オニヤマ?..."鬼"?」

常盤の声「そう、"鬼"だ。これって何かの偶然か?それとも質の悪い悪戯か?」

水樹「...アッ!」

常盤の声「何?」

水樹「地震!」

常盤の声「地震?嘘だろ?揺れてないぜ?...もしもし、水樹?」

水樹「...。(目を閉じて懸命に何かを感じ取ろうとする表情。いきなり大きく目を見開いて、眉間に皺を寄せて叫ぶ)来る!」

 水樹の険しい表情。



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98-09-10