メッセージ/[Office Paradix]

チェンマイ2000年プロジェクト
参加への呼びかけ

98-06-04
桂勘



[パラディオの回廊]プロジェクト参加中

http://www.infonet.co.jp/apt/March/Paradix/Thai/2000.html




企画概要


名称
チェンマイ2000年プロジェクト
場所
タイ チェンマイ市街
期間
1999年12月〜2000年01月
内容
チェンマイ市街全域における新世紀・現代芸術運動


始めに


 アジアにおける「現代芸術」がこの5・6年、集中的に日本に紹介されています。しかしながらアジア地域は「現代芸術」としてはいまだ「未分化」であると感じています。そしてこの「未分化」さが、これ又「芸術としては何でもあり」のインスタレーションやパフォーマンスという「身体性」を伴う形態と容易に結びつく素地といえましょう。
 これはアジアの現代芸術が今後、大きな潮流となって新世紀に流れ込む一つのキーワードであると云えそうです。もちろん今後もしばらくはアジア地域の現代芸術は欧米帰国組の飛び抜けたアーティストによって点としてインパクトを与えて行くと思われます。ただ私のここ2、3年の実感として、そろそろ次のハングリーな若い世代が育ちつつあるとの確信があります。特に古都チェンマイでは4年前から「ソーシアル・インスタレーション」という現代芸術運動がアーティストのネットワークによって自主運営され、未だ政府主導や個人的な点としての活動しか見られない他の地域に比べて、線から面への展開の過渡期にあるといえましよう。
 さて、私はこのネットワークと連動させつつチェンマイ市街に「舞台」を準備中です。個人、グループを問わずこの運動への「参加・出資」をお願いいたします。


物件


 現在3っつの場所を物色中です。
1. 一つはオンチューマ氏(元チェンマイアートセンターのディレクター)一族が持っている広大な土地にスタジオや宿泊施設を建設するというもので概算で350万バーツ(土地と家の買い取り/70平米)家は、廃村の農家の材料を使い10〜15人くらいが共同生活可能なように設計します。
2. チェンマイ大學近くの元幼稚園の買い取り又はレンタル、これについては金額が未だでていません、概ねチェンマイではある規模の土地家屋の購入には400万バーツ〜500万バーツくらいが必要です。
3. チェンマイから北へ30キロ程のところに既に、ペイント系のアートビレッジが田圃の真ん中に忽然とあります。これはセンアルンアートセンターのラサミ氏の紹介ですが、やや市街からはずれているのでアクセスの面で不便さは否めません。


具体的展開


4. このチェンマイのレジデンスは、5、6年後は地元の若い世代にベース基地として引き継いでもらい日本の出資者はアートキャンプとして活用するという方向です。現実的には今年中に物件を掘り出し、プロジェクトの運営主体をチェンマイ大學との共同企画に持っていき、我々日本人側がタイの公的文化機関から公式の「招聘状」を取り付けれる為の準備を11月までに完了する予定です。基本的には我々はその「招聘状」を元に、独自にアートマネージメントを行います。
5. 出資に関しては二つの段階を考えています、第一準備段階はバンコク事務所の開設、備品の調達、其の運営、タイアーティストとのネットワーク、調査費等として約40万バーツ。
 これは既に昨年一年間の滞在期間中に準備をほぼ完了しました。今後、車両、通信施設の購入、チェンマイ出身の、Jey,Kange,Jaa 、バンコクのアシスタントSonoko,Jane,Aeへのサラリーなどで本年あと30万バーツ(約100万円)が運営資金として必要です。この費用として貴殿を含めた何人かのメンバーを核にして一口10万円くらいの負担を御願いしたいと思います。
6. 本年11月までに場所、運営組織などをタイ側とも最終協議し、そのためにできれば9月末までに一度下見と打ち合わせにチェンマイで会議を持ちたいと思います。
7. 第二段階:チェンマイ会議により具体的に場所、施設、運営主体、全体と個々のプロジェクトをタイムスケジュールに乗せ、個々の出資者との経費分担を施設利用状況その他をにらみながら協議します。
8. 施設は遅くとも1999年7月から稼動可能にし桂勘自体は、9月から舞台設営に取りかかります。
9. 私はこの資金に私以外から最低300万円くらいを集めたいと考えています。


終わりに


 ここタイに暮らして1年が経ちました。西洋的な眼では混沌として複雑そうに見えるアセアン・インドシナ地域はしかしながらしたたかに未成熟を装っているというのが私の感想です。
 日本のマスコミの偏りによって喧伝されている日本人と社会は、見かけのリッチさとは裏腹に徐々にしかし確実に日本人が考える以上に二流国になるでしょう。それは日本社会の「多元価値主義・多次元文化社会」へのシフトが難しいからです。
 さて、この多元価値・多次元世界の入り口に差しっかった次の1000年のテーマの一つとして、経済・政治のパワーゲームに振り回されていた時代に「芸術・文化」による再生が可能かどうか「人類」が、試されていると思います。ひょっとしたら今の「アジアの現代芸術」はこの潮流を起こす捨て石かもしれない、しかしながらこれは同時に「芸術・文化」もパワーゲームの返り血を浴びるに違いないと覚悟しています。
 ただ私は昨今、個人的に「観客を驚かして人に認めてもらいたい」という自己顕示欲もさることながら、我々の子供達に「真に豊かな世界」を手渡したい、そのために本当に一生懸命考えたいと悟りを開いたのでした。
 出資ご提案等、ご連絡をお待ちしています。


桂勘
(4 June 1998 クルンテープ にて)




RANGNAM APARTMENT #929
KATSURA Kan
Room#12 White Court
38/3 Soi Ruanrudee
Pleonchit Road, Lumpinee, Plathumwan
Bangkok 10330
THAILAND

電話
662-253-8539
ファクス
66-2-260-3395
電子メール
kkatsura@ksc.th.com

98-07より上記の住所に変わりました
(訂正:98-08-04)


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